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ジムインストラクターの平均年収はどれくらい?仕事内容や給料を上げる方法
体を動かすのが得意な方にとって、ジムインストラクターは魅力的な職業の一つではないでしょうか。
ただ、ジムインストラクターを実際に目指すにあたって気になるのが、その具体的な仕事内容と年収です。
そこで本記事では、ジムインストラクターの主な仕事内容や平均年収を解説します。年収を上げるために効果的な方法もご紹介するので、ぜひご参考にしてください。
ジムインストラクターの仕事内容
ジムインストラクターの仕事といえば、トレーニングの実践的な指導が真っ先に思い浮かぶのではないでしょうか。
しかし、以下で紹介するように、実際の仕事内容は多岐にわたります。
運動方法に関するアドバイスを行う
お客様は、運動不足の解消、ダイエット、競技用の体づくりなど、さまざまな目的や目標を持ってジムを訪れます。ジムインストラクターに求められる第一の仕事は、こうした利用者のニーズを聞き出し、それらの達成に効果的な運動方法を助言・指導することです。
トレーニングメニューを作成する
ジムインストラクターは、その場その場で助言するだけでなく、お客様の要望に添ってトレーニングメニューの作成も行います。
非合理的なトレーニングメニューを組んでしまうと、効果が出なかったり、お客様の故障につながったりするおそれもあるので、ジムインストラクターにはトレーニングに関する確かな知識や見通しが必要です。
また、お客様に対してお手本を示すこともあるので、自分自身のトレーニングも欠かせません。
トレーニング機器の使い方を指導する
ジムを訪れるお客様の中には、筋トレ初心者なども多いため、トレーニング機器の使い方などを教えることも必要です。
間違った姿勢や方法でトレーニング機器を使うと、事故や故障の原因にもなるので、適切な負荷のかけ方なども含めて丁寧な指導が求められます。
エアロビなどのスタジオレッスン (グループレッスン)を行う
近年はスタジオ併設型のジムが増加しているため、ジムインストラクターはそこでグループレッスンを担当することがあります。
一般的にこうしたレッスンは、5人から30人ほどのグループで行われるのが通例です。
指導するのはエアロビクスやヨガなどさまざまですが、ジムインストラクターにはそれらのテーマに関する専門的な知識や技量、そして指導力が求められます。
トレーニング機器の清掃・点検を実施する
ジム内やトレーニング機器の清掃・点検も重要な仕事の一つです。
ジムはお客様が汗を流す場なので、清掃を怠るとすぐに不潔になってしまい、顧客離れを引き起こす原因になります。また、トレーニング機器の点検は、不具合などによる事故を防ぎ、お客様のトレーニング環境を安全に保つために欠かせない業務です。
ジムインストラクターの平均年収は約383.8万円
厚生労働省の職業情報提供サイトでは、ジムトレーナーはスポーツクラブ指導員などの仕事と共に、「スポーツインストラクター」として大きく分類されています。
ここに掲載されたデータによると、スポーツインストラクター(平均年齢36.9歳)の平均年収は383.8万円です。これは月給に換算すると、約32万円になります。
※引用:厚生労働省「職業情報提供サイト(スポーツインストラクター・スポーツクラブ指導員)」
なお、このデータは同省の調査「令和4年賃金構造基本統計調査」をベースとして算出されていますが、この調査の職業分類においてジムインストラクターは、【教育,学習支援業】 内の「個人教師」に該当します。そのため、上記の平均年収は、ジムインストラクター単独の平均年収を必ずしも正確に反映していない点についてご注意ください。
※引用:厚生労働省「令和4年賃金構造基本統計調査」
※引用:厚生労働省「令和4年賃金構造基本統計調査業種別主な職種早見表」
雇用形態別の給料
正社員以外に、アルバイトやパートとしてジムインストラクターになろうと考えている人もいることでしょう。
そこで以下では、雇用形態別にジムインストラクターの平均給料を紹介します。
正社員
ホットペッパービューティーワークに掲載されている「インストラクター・トレーナー」の求人情報をもとに算出されたデータによると、東京都の正社員の平均月給は、24万円です。
ジム以外のインストラクターも含まれている値になりますが、必ずしも正確に反映していないため、実際の求人情報を確認してみるのがおすすめです。
※引用:ホットペッパービューティーワーク「東京都の インストラクター・トレーナー・サロン平均データ」
※2024年5月22日時点のデータ。随時更新されているため、最新情報は上記URLをご確認ください。
パート・アルバイト
同じくホットペッパービューティーワークに掲載されている「インストラクター・トレーナー」の求人情報をもとに算出されたデータをみてみると、東京都のパート・アルバイトの平均時給は1,450円です。
※引用:ホットペッパービューティーワーク「東京都の インストラクター・トレーナー・サロン平均データ」
※2024年5月22日時点のデータ。随時更新されているため、最新情報は上記URLをご確認ください。
地域別の年収
平均年収は地域によっても左右されます。ホットペッパービューティーワークのデータによると、正社員として働くインストラクターの地域別給料は以下の通りです。
なお、下記のデータはジム以外で働くインストラクターも含まれている点にご注意ください。
地域 | 平均月給(正社員) | 引用元(※) |
---|---|---|
北海道 | 23.3万円 | |
東北 | 24.1万円 | |
関東 | 23.8万円 | |
北信越 | 24.3万円 | |
東海 | 24.2万円 | |
関西 | 24.5万円 | |
中国 | 24.1万円 | |
四国 | 24.5万円 | |
九州・沖縄 | 23.9万円 |
※2024年5月22日時点のデータ
※随時更新されているため、最新情報は各都道府県別ページから平均データをご確認ください。
ジムインストラクターとして年収・給料を上げたいならパーソナルトレーナーを目指そう
前章で紹介した通り、ジムインストラクターの平均年収は約383.8万円ですが、もっと上の収入を目指したい方も多いのではないでしょうか。
ジムインストラクターとして収入アップを目指すなら、パーソナルトレーナーへ転身するのがおすすめです。
以下では、パーソナルトレーナーを目指すべき理由と、その主な仕事内容を紹介します。
目指すべき理由
そもそもパーソナルトレーナーとは、お客様一人ひとりに最適化された個別指導を行うトレーナーのことです。
パーソナルトレーナーは、お客様のニーズや体の状態に合わせて、マンツーマンで最適なトレーニングを指導します。そのため、通常のトレーナーに比べて、お客様とより深い関係を構築しやすいのがパーソナルトレーナーの魅力です。
また、報酬面でもパーソナルトレーナーを目指すべき理由は大いにあります。
経験や実績によっても左右されますが、パーソナルトレーナーのレッスン単価は高く、5,000円から1万円程度が相場です。これは指導1回当たりの報酬なので、指導本数を増やすことで収入を大幅にアップできます。
さらに、プロスポーツクラブやアスリートと専属契約を行うことで、年収1000万を超えるケースもあります。
企業によっては副業としてパーソナルトレーナー業務を行うことを許している場合もあるので、大手フィットネスクラブに所属しながら勤務時間外に副業として働く道も検討の価値があります。
そうして実績や人脈、ノウハウを築いた後でパーソナルトレーナーとして独立すれば、一般的な会社員の収入を超えることも不可能ではありません。独立した場合は基本的に個人事業主として活動することになるため、自分が達成した成果を直接的に収入へ反映できます。
パーソナルトレーナーならではの仕事内容
お客様一人ひとりに最適化した指導を行う必要があるため、パーソナルトレーナーの仕事内容には一般的なトレーナーとは異なる部分も出てきます。
そこで以下では、パーソナルトレーナーならではの仕事内容を紹介します。
個人に合わせたオリジナルメニューを作成する
パーソナルトレーナーの核心的な仕事の一つが、お客様個々人の要望や目標に合わせてオリジナルのトレーニング計画を作成することです。
例えば、「ダイエット」を目的とするという点は同じでも、その動機が「理想的な体型を目指すこと」にあるのか、「健康診断の結果を改善すること」にあるのかによって、メニュー内容は大きく変わってきます。
そのため、パーソナルトレーナーが取り組む最初の仕事は、お客様が本当に望んでいる結果を達成できるように、指導を始める前にしっかりとカウンセリングを実施することです。その後、そこでヒアリングした情報を基にして、お客様の要望や体の状態、生活習慣などを考慮したオリジナルメニューを作成します。
個別にトレーニング指導を行う
トレーニングメニューができたら、次のステップは実際のトレーニング指導です。
いくら効果的なトレーニングメニューを組んでも、トレーニングそのものを間違った仕方で行っていたら良い結果は出ません。
そのため、パーソナルトレーナーは、トレーニング中、お客様のそばに付き添い、正しい姿勢や機器の使い方など、動作のひとつひとつを細かく指導します。
また、思うように結果が出ないときにもお客様が挫けないように、メンタル面で指導やサポートをするのもパーソナルトレーナーの重要な仕事です。
そこで、パーソナルトレーナーには、心と体の両面にわたってお客様のコンディションを見極め、コントロールする能力が求められます。
個別に栄養指導を行う
体づくりを行う上で、トレーニングと同様に重要なのが日々の食生活です。そのため、パーソナルトレーナーはお客様に対して栄養指導を行うこともあります。
健康的な体づくりに必要な栄養が摂れているか、日々の食生活をチェックし、状況に応じて食事内容の改善を促します。
ただし、急激な食生活の変更はお客様にとってストレスになるので、この点でもお客様のメンタルを気にかけながら、制限や改善を実施していくことが重要です。
このように、パーソナルトレーナーの仕事内容を的確にこなすには、肉体的なトレーニングの知識だけでなく、メンタルサポートの方法や栄養学なども含む幅広い知識が求められます。
給料をアップさせるためにおすすめの資格3選
パーソナルトレーナーとしてのキャリアを積み、給料をアップさせたいなら、専門的な資格を取得するのが効果的です。ここでは、パーソナルトレーナーにおすすめの代表的な資格を3つ紹介します。
1. NSCAジャパン:NSCA-CPT
NSCA-CPTは、全米ストレングス&コンディショニング協会(NSCA)によって認定される資格です。日本では特定非営利活動法人NSCAジャパンが実施しています。
この資格は、健康やフィットネスに関する全般的な指導能力を証明するもので、アスリートだけでなく、幅広い年齢・性別の指導対象を想定しているのが特徴です。
NSCA-CPTを取得することで、トレーニングプログラムの計画立案から実施、教育、評価に至るまで、全般的な指導ができる専門家としてアピールできます。
※引用:特定非営利活動法人NSCAジャパン「NSCA認定資格とは」
2. NSCAジャパン:NSCA-CSCS
NSCA-CSCSは、アスリートやスポーツチームへの指導を想定した資格です。したがって、この資格を取得するには、スポーツにおけるパフォーマンス向上や故障予防に特化したトレーニングプログラムの計画立案・実行に関する専門知識と技能が求められます。
NSCA-CSCSを取得することで、高度なスポーツ科学の知識を有しており、競技力向上に貢献できるトレーナーであることを証明可能です。アスリートやスポーツチームと仕事することを目指すなら、取得をおすすめします。
※引用:特定非営利活動法人NSCAジャパン「NSCA認定資格とは」
3. NESTA JAPAN:NESTA PFT認定
NESTA PFT認定は、全米エクササイズ&スポーツトレーナー協会(NESTA)が提供するパーソナルフィットネストレーナーの資格です。
この資格では、実践的な指導力やトレーニングプログラムの作成能力はもちろん、組織・施設運営の方法、スポーツ心理学、栄養学に至るまで広範な知識が求められます。
この資格は国際的にも高い知名度があるため、トレーナーとして国際的に活躍したい方にとっては取得しておくことが有力な選択肢です。日本国内で大手フィットネスクラブやスポーツ施設への就職を有利に進めるためにも役立ちます。
※引用:NESTA JAPAN「NESTA PFT認定」
まとめ
ジムインストラクターの仕事内容は、トレーニング方法を教える以外にも多岐にわたります。
ジムインストラクターの平均年収は約383.8万円ですが、パーソナルトレーナーへの転身や、専門資格の取得などによって収入アップを目指すことが可能です。
これからジムインストラクターを目指す方は、ぜひ本記事を参考に、キャリアプランを考えてみてください。
監修者:樋口 直彦
整形外科医
医療法人藍整会 なか整形外科(理事長)
帝京大学医学部卒業後、いくつかの病院で勤務し、院長を経験後、2021年1月に医療法人藍整会 なか整形外科の理事長に就任。
バレーボールVリーグのサントリーサンバーズのチームドクターも務める。骨折治療をはじめ関節外科、スポーツ整形外科を専門に治療。
クリニック運営にICTを推進し、お待たせすることない診療が信条。