ネイリスト

公開日:

【ネイリスト監修】ネイリストになるには?必要な資格の取得方法や仕事内容を徹底解説

ネイリストになりたいと考えているものの、学校に通ったり資格を取ったりする必要はあるのかなど、わからないことがある方は多いでしょう。
また、仕事内容や給与など、働く環境が気になる方もいるのではないでしょうか。

そこで本記事では、ネイリストになる方法や主な仕事内容、給与相場などについて解説します。

ネイリストになるためには?仕事内容や必要な資格を解説

ネイリストとは、そもそもどのような仕事なのでしょうか。まずは、ネイリストの仕事内容や必要な資格、資格取得から就職までのプロセスについて解説します。

ネイリストとはどんな仕事?

ネイルサロンで働くネイリスト

ネイリストとは、お客様の爪をお手入れしたり装飾したりして美しくする仕事です。爪を美しくする方法には、ネイルケア・ネイルカラー・ネイルアートの3種類があります。

ネイルケアとは、爪の長さや形を整えたり甘皮を処理したりして、自爪を美しく健康的にする施術です。

ネイルカラーは、カラーポリッシュやジェルを塗使って爪をカラーリングする作業を指します。このうち、ネイルサロンで主に行われる施術はジェルネイルで、ネイリストにとって大事な作業です。
ネイルアートはシールやストーン、ネイルチップなどを使って、爪を装飾する施術です。ネイリストとして働くなら、3種類すべてのスキルを身につける必要があります。

実はネイリストは資格必須ではない

ネイリストになるなら資格が必要と思っている方もいるかと思いますが、実はネイリストは資格必須の仕事ではありません。「未経験・無資格可」でスタッフを募集しているネイルサロンもあるので、資格がなくてもネイリストデビューは可能です。

資格は取得しておいたほうがいい?

前述のように、ネイリストになるのに資格は必須ではありませんが、できれば取得しておくのがおすすめです。資格を取得するメリットは以下の通りです。

資格を取得するメリット

ネイリストの資格を取得すると、就職先の選択肢が広がります。これは、ネイルサロンの多くが資格を取得していることを応募の条件としている場合も多くあるためです。「未経験・無資格可」としているサロンでも有資格者のほうが優先される可能性が高いので、資格があったほうが就職・転職で有利になります。

また、無資格で採用された場合、社内研修などでネイルの技術が身につくまでは、掃除や受付などのアシスタント業務がメインになるのが一般的です。モデルやモニターなどで技術や接客の経験を積みますが、ある程度の知識や技術が身についている有資格者のほうが、お客様の施術に入れるようになるまでの期間が短く済みます。

そのほか、資格手当がつくことが多く給与が上がりやすい、お客様からの信頼を得やすいといったメリットもあります。

ネイルサロンへ就職するには?

ネイルサロンでネイルのデザインを選んでいる様子

資格を取得してからネイルサロンに就職する場合、まずはネイルスクールや美容専門学校のネイル科などに通い、技術を学ぶことから始めるのが一般的です。

専門学校やネイルスクールでネイルの知識と技術が身についたら、ネイルの検定試験を受検して資格を取得します。その後、就職先を探して求人に応募し、面接に合格して採用されたらネイリストとして働き始めるという流れが基本です。

無資格で就職する場合は、「無資格可」で求人を出しているネイルサロンを探して応募します。そして、採用後に働きながらネイルの知識と技術を身につけていきます。ネイルサロンによっては資格取得のサポートがあるので、いずれ資格を取得したいと考えているなら、そうしたサロンを選ぶのがおすすめです。

未経験でもできる資格取得の方法は?それぞれ向いている人を解説

未経験からネイリストの資格を取得する主な方法は、美容専門学校・ネイルスクール・通信講座・独学の4種類です。それぞれの方法の概要やメリット・デメリットなどについて解説します。

ネイルの施術をしている様子

1.美容専門学校に通って取得する

美容専門学校にはネイル科やネイリストコースなどがあり、プロの講師からネイルの専門的な知識や技術が学べます。

メリット

美容専門学校に通う大きなメリットは、プロの講師による直接指導が受けられるため、正しい知識や技術が身につくことです。試験対策も手厚いので、検定に合格しやすくなります。

また、美容専門学校は、トータルビューティー科のなかにネイルの科目が組み込まれていることも多いので、ネイル以外の美容の知識や技術を学べるのも魅力です。就活サポートが受けられるなどのメリットもあります。

デメリット

美容専門学校では幅広い美容の知識と技術が学べる分、ほかの方法よりも費用が高い傾向にあります。また、卒業までに年単位の時間がかかるのもデメリットです。

【費用相場】
150万~300万円程度(2年制の場合)

【期間】
昼間課程・夜間課程:2年以上
通信課程:3年以上

美容専門学校に通うのに向いている人は?

美容が好きで、ネイル以外の美容にも興味がある人は美容専門学校が向いています。また、プロの講師による手厚いサポートを受けたい人も、美容専門学校に通うのがおすすめです。

2.ネイルスクールに通って取得する

ネイルスクールではネイルケアやカラー、ハンドマッサージ、接客マナーなど、ネイリストに必要な知識と技術を集中的に学べます。

メリット

ネイルスクールは日本ネイリスト協会(JNA)認定講師が在籍している学校があったり、検定試験対策に特化した授業が行われていたりと、資格を取得しやすい環境が整っているのが特徴です。

また、週3日・土日祝のみ・夜間のみなど、カリキュラムの自由度が高いというメリットもあります。美容専門学校と比較して通学期間が短く、費用が安い傾向にあるのも魅力です。

デメリット

ネイルスクールはネイルの知識・技術の習得に特化しているので、そのほかの美容関連の知識や技術は学べません。また、国の許認可が必要なスクールではないため、スクールによって授業や講師の質に差があります。

【費用】
5万~100万円程度

【期間】
半年~1年半程度

ネイルスクールに通うのが向いている人は?

ネイルスクールは、学生や社会人など美容専門学校に通う時間が取れない人に向いています。費用を抑えつつ、高い技術を身につけたい人にもおすすめです。

3.通信講座で学ぶ

通信講座では、テキストやDVDなどの教材を使って、資格取得のための知識や技術を学びます。

メリット

通信講座は自宅やカフェなど好きな場所で学べるので、仕事や育児などで学校に通うのが難しい人でも、隙間時間でネイルの知識や技術を習得できます。また、ネイルスクールよりも費用を安く抑えられることが多いので、資金に余裕がない人でも始めやすいのがメリットです。

検定試験に対応した材料や道具一式が届く通信講座を選べば、一から自分でそろえる手間もかかりません。

デメリット

通信講座は届いた教材をもとに個人で学習するので、プロの講師の技術を見たり、直接指導してもらったりする機会がほぼありません。練習のためのモデルも自力で探す必要があるので、実技の練習が大変です。

また、試験対策の授業などもないので、美容専門学校やネイルスクールに通う人よりも資格取得のハードルが高くなります。

【費用】
3万~50万円程度

【期間】
6カ月程度

通信講座で学ぶのに向いている人は?

通信講座が向いているのは、自分のペースでネイルについて学びたい人です。講座の受講可能期間に限りがあるため、期間内に修了できるようにしっかり自己管理ができる人も通信講座に向いています。

4.独学で学ぶ

検定試験の公式テキストや問題集、動画などを活用して、独学でネイルの知識や技術を身につける方法もあります。

メリット

独学でネイルについて学ぶ大きなメリットは、ほかの方法と比べて費用が抑えやすいことです。また、通信講座とは違って受講可能期間が決まっていないので、自分の都合にあわせて学習を進められます。

デメリット

独学でネイルについて学ぶ場合、勉強すべき範囲や必要なテキストなどの情報収集から材料・道具の購入、練習モデル探しに至るまで、すべてを自分でこなさなくてはなりません。

相談する人がいないため、何から学び始めたらよいのか、何を購入する必要があるのかがわからずスタートの時点でつまずく可能性もあります。プロから直接指導してもらう機会もないので、やり方が合っているのかわからず自信がなくなったり、疑問が解決できなかったりといった問題も起こりがちです。

また、美容専門学校やスクールが実施しているような試験対策の授業やサポートもないため、特にハイレベルな知識や技術が求められる上級資格の取得が難しくなります。

【費用】
5~15万円程度

【期間】
人によって異なる

独学で学ぶのが向いている人は?

独学の最大のメリットは価格が抑えられることであるため、費用をかけずに学習したいという人に向いています。また、すべてを自分で管理する必要があるため、自己管理能力が高い人や積極的に学習に取り組める人が独学に向いています。

ネイリストの代表的な資格(技能検定試験)3選

ネイルサロンで施術をしている様子

ネイリストの代表的な資格としては、「JNECネイリスト技能検定」「JNAジェルネイル技能検定試験」「I-NAIL-A技能検定試験」の3つがあります。以下では、これらの資格について解説します。

1.JNECネイリスト技能検定

JNECネイリスト技能検定は、ネイリストとしての正しい知識と技術が身についているかどうかを判断する試験です。1997年スタートと歴史があり、内容も実践的であるため、多くのネイルサロンがこの資格の取得を求人の応募条件としています。

試験は1~3級の3種類に分かれており、3級では基礎的な知識と技術、2級ではネイルサロンで通用する知識と技術、1級ではトップネイリストとして活躍できる知識と技術が身についているかが問われます。

主催者 日本ネイリスト検定試験センター
資格の種類 1級・2級・3級
受験資格 ・1級:JNECネイリスト技能検定2級取得者
・2級:JNECネイリスト技能検定3級取得者
・3級:義務教育を修了した者
試験の実施回数 ・1級:春期・秋期の2回
・2級/3級:春期・夏期・秋期・冬期の4回
費用 ・1級:12,500円(税込)
・2級:9,800円(税込)
・3級:6,800円(税込)
合格率 ※2023年秋期までの累計 ・1級:39.22%
・2級:43.04%
・3級:84.98%

※2024年2月時点
※引用:JNECネイリスト技能検定

2.JNAジェルネイル技能検定試験

JNAジェルネイル技能検定試験は、近年のジェルネイル需要の高まりに伴い導入された、ジェルネイルに関する知識と技術を問われる検定試験です。こちらの資格も、多くのネイルサロンが求人の応募条件としています。

試験は初級~上級の3種類に分かれており、初級では基礎的な知識と技術、中級ではネイルサロンで通用する知識と技術、上級ではジェルネイルのスペシャリストとして活躍できる知識と技術が身についているかが問われます。

主体者 日本ネイリスト協会
資格の種類 初級・中級・上級
受験資格 ・上級:JNAジェルネイル技能検定試験中級取得者
・中級:JNAジェルネイル技能検定試験初級取得者
・初級:義務教育を修了した者
試験の実施回数 6月・12月の2回
費用 ・上級:16,500円(税込)
・中級:13,200円(税込)
・初級:9,900円(税込)
合格率 ※公式発表なし ・上級:45%程度
・中級:60%程度
・初級:70%程度

※2024年2月時点
※引用:
JNAジェルネイル技能検定試験

3.I-NAIL-A技能検定試験

I-NAIL-Aのネイルスペシャリスト技能検定試験は、国際的に認められるレベルのネイルの知識と技術があるかを問う検定試験です。初心者向けのA級・SA級、プロ向けのPA級・AA級・AAA級の5種類に分かれています。

PA級・AA級・AAA級は試験内容が共通しており、実技試験での点数によって階級が決定するのが特徴です。

主体者 インターナショナルネイルアソシエーション
資格の種類 A級・SA級・PA級・AA級・AAA級
受験資格 義務教育を修了した者
試験の実施回数 1月・3月・11月の年3回
費用 ・A級:11,000円(税込)
・SA級:13,200円(税込)
・PA級/AA級/AAA級:16,500円(税込)
合格率 不明

※2024年2月時点
※引用:
ネイルスペシャリスト技能検定試験

ネイリストの給与ってどれくらい?

ネイリストとして働く場合、どれくらいの給与になるのかが気になる人もいるでしょう。そこで、ネイリストの平均給与相場についても解説します。

平均給与の相場は?

厚生労働省が運営する職業情報提供サイトjob tagによると、ネイリストの平均年収は約322万円毎月の給与平均は約22万円です(2024年2月時点)。

ネイルサロンによっては、売上などに応じてインセンティブがつくため、頑張り次第で年収を上げられる可能性があります。残業代や手当の有無、福利厚生などはネイルサロンによって大きく異なるため、応募前にしっかり調べておきましょう。

ネイリストの給料については、以下記事でも詳しく解説しております。気になる方はぜひ参考にしてみてください。
▷「ネイリストの給料はどれくらい?雇用形態別の平均年収や給料を上げる方法も紹介」

ネイリストの働き方や仕事内容は?

ネイルサロンで働くネイリストの女性

ネイリストの資格を取得したあと、どのような形で働けるのでしょうか。ここでは、ネイリストの働き方や仕事内容について解説します。

ネイリストの代表的な3つの働き方

ネイリストの働き方は、主に「ネイルサロン勤務」「独立開業」「出張ネイリスト」の3種類に分かれます。どれが自分に合っているのかを考えるためにも、それぞれの働き方について知っておきましょう。

ネイルサロンに就職する

ネイリストとしての働き方で代表的なのが、ネイルサロン勤務です。系列店を多数構えている大手サロンや個人が運営するサロン、商業施設内のサロンなど、さまざまな種類があります。

それぞれ人気のメニューや店内の雰囲気が大きく異なるため、自分が得意な施術をメインメニューにしているサロン、スタッフやお客様の雰囲気が自分に合っていると感じるサロンを選びましょう。

開業して独立する

店舗を借りたり自宅の一部を改装したりして、独立開業する道もあります。スタッフを雇わず1人で営業する場合、施術はもちろん開店準備から予約対応、接客、後片付け、売上管理など、すべてを自分でこなさなければなりません。

しかし、自分の得意なメニューをメインにできる、頑張り次第で収入アップを狙えるなどのメリットがあります。働く日時も自分で決められるので、副業で土日だけネイリストをしたいなどの希望も叶えられます。

出張ネイリストとして働く

独立開業を希望しているものの自宅に施術スペースが作れない、店舗を借りる資金がないといったときは、出張ネイリストとして働く方法もあります。

出張ネイリストとは、店舗を構えずにお客様の自宅やイベントなどに出向いて施術を行うネイリストのことです。美容室やエステサロンの一部を借りて施術している人もいます。

毎回材料や道具を持ち運ぶ必要があり移動が大変ですが、できるだけ費用を抑えつつ開業したい人におすすめです。

ネイリストの仕事内容は?

ネイリストの仕事は、施術に関するものとそれ以外の庶務に分かれます。具体的にはどのようなことをするのか、それぞれの仕事内容を紹介します。

施術に関する仕事内容

ネイリストの施術は、お客様のカウンセリングから始まります。希望のカラーやデザインだけでなく、爪の状態やアレルギーがあるかどうかの確認も必要です。お客様のイメージが固まっていない場合は、ネイリスト側から提案することもあります。

カウンセリングが終わったら、次はネイルケアです。爪の形・長さの調整や甘皮処理などを行います。前回のネイルが残っている場合はネイルオフも必要です。

ネイルケアが完了したら、理想の仕上がりになるようにお客様とコミュニケーションを取りつつ、カラーやアートを施します。

施術以外の庶務の仕事内容

ネイリストの仕事は施術だけではありません。開店準備や店内の清掃、道具のお手入れなど、さまざまな庶務が発生します。

受付や事務の担当者がいない場合は、予約対応やカルテ作成、売上管理や備品の管理・発注などの作業もこなさなくてはなりません。庶務の内容はサロンによって異なるため、少しずつ覚えていきましょう。

まとめ|ネイリストになる方法は様々

ネイリストは、お客様の爪を美しくする仕事です。資格は必須ではありませんが、資格を取っておくと就職先の選択肢が増える、資格手当がつくことがあるなど、さまざまなメリットが得られます。

資格を取る方法として、美容専門学校に通う、ネイルスクールに通うなどいくつか選択肢があるため、それぞれのメリット・デメリットを考慮した上で決定しましょう。

プロフィール画像

監修者SHOKO

トップネイリスト

EIL GROUP(大阪サロン責任者)

【かわいい・かっこいいをもっと身近に…】をモットーに、良心価格×高技術で全国で店舗展開しているトータルビューティーサロンEIL group(合同会社LIBEX)に関西エリアの店舗責任者として勤務。丁寧な接客と繊細な技術で圧倒的な指名数を誇る。

執筆者yue26