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ネイリスト技能検定とは?3級から1級までの試験内容や難易度について徹底解説
「ネイル検定」は、正式名称を「ネイリスト技能検定試験」といい、ネイリストの中でも知名度の高い資格です。
ネイルサロンでネイリスト技能検定試験の合格証書が掲げられているのを見たことのある人もいるのではないでしょうか?
ネイリスト技能検定試験は取得することでさまざまなメリットもあり、取得を考えている人もいるでしょう。
そこで今回は、ネイリスト技能検定試験について、各級の受験内容や難易度・勉強法などについてご紹介します。
ネイリストを目指している人、現役ネイリストで資格取得の勉強を始めた人はぜひ参考にしてください。
ネイリスト技能検定試験とは?
「ネイリスト技能検定試験」とは、ネイリストとしての「正しい技術」と「知識の向上」を目的とした公益財団法人日本ネイリスト検定試験センター主催の検定試験です。
この章では、ネイリストの資格としてよく耳にする「ジェルネイル技能検定試験」との違いや、ネイリスト技能検定試験の級のレベルについて解説します。
ジェルネイル技能検定試験との違いは?
ネイリストの資格はほかにも複数あり、中でも知名度の高い資格に「ジェルネイル技能検定試験」があります。
ネイリスト技能検定試験との違いは、以下のとおりです。
ネイリスト技能検定試験 | ジェルネイル技能検定試験 | |
---|---|---|
運営 | ||
級の種類 | 3級・2級・1級 | 初級・中級・上級 |
日程 | 3級・2級:年4回 | 年2回 |
取得者数 (累計) | 62万人以上 | 10万人以上 |
ジェルネイル技能検定試験については、こちらの記事で詳しく解説しています。
▷ジェルネイル技能検定試験とは?ネイリスト技能検定試験との違い、級別の概要を解説
ネイリスト技能検定試験は3級から1級まである
ネイリスト技能検定試験は、基礎レベルの3級から最高位である1級まで、3つの段階に分かれています。
それぞれのレベルは次のようになります。
3級:ネイリストとして必要なネイルケア・ネイルアートに関する基本的な技術や知識が身についている
2級:ネイルサロンでも十分通用するだけの、ネイルケア・リペア・チップ&ラップ・ネイルアートに関する技術や知識が身についている
1級:トップレベルのネイリストとしての技術や知識が総合的に身についている
受験資格は級によって異なります。
3級は、義務教育修了していれば受験が可能です。
2級・1級はそれぞれ下位の級を取得していることが受験資格となります。
ネイリストが資格を取得するメリット3選
ネイリストが資格を取得するメリットは、次の3つです。
- お客様やサロンからの信頼を得やすい
- 就職や転職に有利にはたらく
- 給料アップにつながる
メリットを理解することは、資格取得のモチベーションにもなるため、一つひとつ詳しく見ていきましょう。
なお、ネイリストの代表的な資格や、ネイリストとしての働き方について興味のある方はこちらの記事に詳しくまとめています。
▷【ネイリスト監修】ネイリストになるには?必要な資格の取得方法や仕事内容を徹底解説
1.お客様やサロンからの信頼を得やすい
ネイリスト技能検定試験のように信頼性の高い資格を取得することは、お客様からの信頼につながります。
ネイリスト技能検定試験に合格すると認定証が発行されるため、サロン内の目にとまりやすいところに掲示しておくと、お客様にさりげなく技術の高さをアピールできます。
そのほか、ホームページ内や広告などさまざまな箇所で資格保有者であることを告知可能です。
将来、独立開業を検討する場合にも、有資格者の肩書で集客しやすくなるでしょう。
2.就職や転職に有利にはたらく
ネイリスト技能検定試験を取得することで、就職や転職の際に有利になることもあります。
例えば、求人広告に「ネイリスト技能検定試験2級以上」などのように、サロンによっては資格が応募条件に設定されていることもあります。
資格の保有は、採用面接を受ける際の自信にもつながるため、間接的に就職や転職に役立つケースもあるでしょう。
3.給料アップにつながる
ネイリスト技能検定試験資格の保有が資格手当の要件にしているサロンもあるため、資格取得することで給与アップが見込めます。
一般的には、2級以上を対象として資格手当が設定されていることが多いです。
上位の1級を取得すればさらに手当が増額される場合もあります。
ネイリスト技能検定試験の受験内容と難易度は?
ネイリスト技能検定試験の各級の受験内容と難易度を確認してみましょう。
3級から1級まで、筆記試験と実技試験の詳細をご紹介します。
ネイリスト技能検定試験3級
ネイリスト技能検定試験3級は、ネイリストとしての基本的な技術力や知識を問われる試験です。
受験資格は義務教育を修了していること、受験料は6,800円(税込み)となります。
詳しく知りたい方は、こちらでも解説しています。
▷ネイリスト技能検定試験3級合格ガイド!試験内容・合格率・勉強法を解説
3級の試験内容
ネイリスト技能検定試験3級の試験内容と合格基準は、以下のようになります。
なお、ネイリスト技能検定試験の実技試験は、3級から1級まで減点方式で行われます。
試験の種類 | 試験内容 | 合格基準 |
---|---|---|
実技試験 (65分) | ネイルケア・カラーリング・ネイルアート | 38点以上/50点満点中 |
筆記試験 マークシート方式 (30分) | 衛生と消毒、爪の構造、爪の病気とトラブル、ネイルケアの手順など | 80点以上/100点満点中 |
※参考:公益財団法人日本ネイリスト検定試験センター|ネイリスト技能検定試験要項2024年冬期(1月実施)
※実技試験の前に、テーブルのセッティングやモデルの爪の確認などのため、10分間の事前審査があります。
※内容は変更する可能性があるため、最新の情報でご確認ください。
3級の難易度や合格率
2023年秋期までの累計で、ネイリスト技能検定試験3級の合格率は84.98%です。
合格率が高く、内容も基礎的なことが問われるため比較的合格しやすいといえるでしょう。
公益財団法人日本ネイリスト検定試験センターの発表している、3級の実技採点基準では、ラウンド仕上がりやネイルアートの仕上がりなど、10項目について減点方式でチェックされます。
実技の工程や仕上がりなど、細かいチェックポイントがあるため、より詳しい内容は、ホームページで確認しましょう。
ネイリスト技能検定試験2級
ネイリスト技能検定試験2級は、ネイルサロンでも即戦力として働けるだけの力をもっていることの証明となります。
受験資格はネイリスト技能検定試験3級取得者、受験料は9,800円(税込み)です。
ネイリスト技能検定試験2級について、詳しくは以下の記事でもご紹介しています。
▷ネイリスト技能検定2級とは?試験内容・合格するためのポイント
2級の試験内容
ネイリスト技能検定試験2級の試験内容と合格基準は、以下のようになります。
試験の種類 | 試験内容 | 合格基準 |
---|---|---|
実技試験 (前半30分+後半55分) | 前半:ネイルケア 後半:チップ&ラップ・カラーリング・ネイルアート | 38点以上/50点満点中 |
筆記試験 マークシート方式 (35分) | ネイルの歴史、衛生と消毒、爪の構造、爪の病気とトラブル、ネイルケアの手順、リペアの種類およびチップ&ラップの手順など | 80点以上/100点満点中 |
※参考:公益財団法人日本ネイリスト検定試験センター|ネイリスト技能検定試験要項2024年冬期(1月実施)
※実技試験の前に、テーブルのセッティングやモデルの爪の確認などのため、10分間の事前審査があります。
※内容は変更する可能性があるため、最新の情報でご確認ください。
2級の難易度や合格率
2級の2023年秋期までの累計の合格率は、43.04%です。
半数以上が不合格となり、難易度の高い試験といえるでしょう。
実技採点基準は12項目あり、実技試験でもサロンワークに適した工程・仕上がりであることも採点されます。
試験勉強の際には意識して練習する必要があるでしょう。
ネイリスト技能検定試験1級
ネイリスト技能検定試験1級は、ネイリストとしてトップレベルの技術・知識を有していることを証明する資格です。
受験資格はネイリスト技能検定2級取得者、受験料は12,500円(税込み)です。
ネイリスト技能検定試験1級について、詳しくは以下でもご紹介しています。
▷ネイリスト技能検定1級とは?取得するメリットや高難度といわれる理由、試験内容を解説
1級の試験内容
ネイリスト技能検定試験1級の試験内容と合格基準は、以下のようになります。
試験の種類 | 試験内容 | 合格基準 |
---|---|---|
実技試験 (150分) | スカルプチュアネイル・チップ&オーバーレイ・ミックスメディアアート | 38点以上/50点満点中 |
筆記試験 マークシート方式 (40分) | ネイルの歴史、化粧品学、爪の構造、爪の病気とトラブル、ネイルケアの手順、イクステンションの手順、プロフェッショナリズム など | 80点以上/100点満点中 |
※参考:公益財団法人日本ネイリスト検定試験センター|ネイリスト技能検定試験要項2024年冬期(1月実施)
※実技試験の前に、テーブルのセッティングやモデルの爪、プレスオンチップの確認などのため、10分間の事前審査があります。
※内容は変更する可能性があるため、最新の情報でご確認ください。
1級の難易度や合格率
1級の合格率は、2級よりさらに下がり、2023年秋期までの累計で39.22%となります。
非常に難易度が高く、取得できれば自分自身にとっても大きな自信になるでしょう。
1級の実技試験の採点基準は13項目で、仕上がりの統一感や美しさ、耐久性が求められます。
これらが損なわれている場合は減点となってしまうため、練習時から自身の出来栄えを厳しい目で見る癖をつけましょう。
ネイリスト技能検定試験の注意事項
ネイリスト技能検定試験は、決して簡単な試験内容ではありません。
これまでの努力を無駄にせず、確実に合格を手にするために、次にご紹介するような行為には注意しましょう。
失格対象となる行為に気を付ける
ネイリスト技能検定試験では、失格対象となる行為をしてしまうと、どんなに実技でネイルがきれいだったとしても、不合格となってしまいます。
ここでは、3級から1級まで共通して失格対象となる行為をご紹介します。
遅刻する
遅刻行為は、失格となります。
試験は、実技試験から始まるため、決められた事前審査開始の時間までに、席についていなければなりません。
なお、モデルの手を使って実技試験を受ける場合は、モデルも同じように着席していなければ失格となってしまうため、あらかじめ伝えておきましょう。
試験時間をオーバーする
試験時間オーバーは、失格対象です。
試験終了の合図がなった後に、作品に手を触れてはいけません。
あらかじめ時間配分を考えたうえで試験に臨みましょう。
禁止用具を持ち込む
ネイリスト技能検定では、級ごとに持ち込みを禁止されている用具があり、持ち込んだ時点で失格となります。
それぞれの級で使用を禁止されている用具・用材は以下のとおりです。
3級 | 2級 | 1級 | |
---|---|---|---|
使用禁止の用具・用材 | ― | 研磨剤 | クリーム類 |
ネイルマシーン |
※参考:公益財団法人日本ネイリスト検定試験センター|ネイリスト技能検定試験要項2024年冬期(1月実施)
※内容は変更する可能性があるため、最新の情報でご確認ください。
これらの用具・用材は、間違って机上にセッティングしただけでも減点や失格対象となるため注意しましょう。
カンニングをする
カンニングなどの不正行為も失格対象の行為です。
自分ではカンニングをしたつもりがなくても、カンニングとみなされてしまうこともあります。
例えば3級実技のアートテーマがフラワーだった場合、花柄の服装ではカンニングとみなされる可能性があります。
モデルからアドバイスをもらうことも、カンニング行為と判断されることがあるため、モデルとは不必要な会話をしないよう注意しましょう。
指示された手指を間違える
実技試験では、指示された指ではない指にネイルを施すと失格となります。
内容は同じだろうと古い試験要項を参考にしていると、異なる指に変わっている可能性があります。
必ず最新の試験要項で課題を確認しましょう。
手指の損傷をおこす
実技試験中に、手指の損傷があった場合も失格です。
「手指の損傷」とは、受験生やモデルに出血をともなう損傷のことを指します。
JNEC認定モデルハンドを使用する場合は、モデルハンドに目立つダメージを与えても失格となるため注意しましょう。
その他減点対象となる行為に気を付ける
ほかにも、次のような行為は減点対象となるため、注意しましょう。
- 受験票の証明写真に、スナップ写真や加工した写真を貼る
- 手指の消毒を、受験生の手からではなく、モデルやJNEC認定モデルハンドから行う
- テーブルセッティングが衛生的に処理されていない場合・整理整頓されていない場合
- 私語が多い
- ゴミを持ち帰らない
- 用具や用材を忘れた
これら以外にも、各級で禁止されている行為などもあるため、試験要項の確認を忘れずに行ってください。
ネイリスト技能検定試験合格に向けて何から始めたらいいの?
ネイリスト技能検定試験の勉強を始めようと考えても、どのように勉強すればよいか分からない人もいるでしょう。
ここでは、合格に近づくための勉強のコツをご紹介します。
まずは3級から受験してみよう
ネイリスト技能検定試験を受験するか悩んでいる人は、まず3級の試験要項を確認してみましょう。
最新の試験要項を見て、現状の技術や知識で対応できるのかイメージできます。
3級は合格率も高く、挑戦しやすい資格です。
筆記試験は、公益財団法人日本ネイリスト検定試験センターが発売している公式問題集から出題されるため、繰り返し勉強すれば知識を身につけることも十分可能です。
おすすめの勉強方法
1回の試験で確実に合格するためにも、勉強方法を工夫して、効率よく勉強を進めましょう。
筆記試験は、販売されている公式問題集から出題されます。
つまり、問題集を使って学習すれば、100点を取ることも可能です。
では実技試験の勉強について、注意すべきポイントをチェックしておきましょう。
タイマーを利用する
実技試験の練習をする際は、タイマーを使いましょう。
施術にどの程度時間がかかるか知っておくことで、実際にネイルサロンで働き始めた際にも、お客様1人にかかるおおよその時間が予想できます。
なお、試験会場では時計が見えるところにあるとは限りません。また、スマートフォンやタブレット・スマートウォッチを除く、タイマーの使用が許可されています。
当日使用する爪で練習しておく
試験が近くなったら、試験当日にお願いするモデルやJNEC認定モデルハンドで練習しましょう。
当日と同じ条件で練習することで、練習の成果を試験当日に発揮しやすくなります。
試験当日は緊張や焦りなどが生じることもあるため、リスクを少しでも減らしておくことが重要です。
数をこなして練習を重ねる
実技試験対策は、数をこなすことが大切です。
時間制限もあるため、タイムを意識しながら実践的な練習を繰り返しましょう。
家族や友人にモデルになってもらうよう協力をお願いして、本番さながらの環境で練習することがとても効果的な試験対策になります。
ネイルスクールや通信講座を活用する
ネイルスクールや通信講座を活用することで、質の高い指導を効率的に受けられます。
講師から指導を受けることで、自分自身の技術に対する不安の解消にもつながるでしょう。
スクールや通信講座のカリキュラム・講座の受講方法・料金などはそれぞれ異なるため、希望に合ったものを選ぶことで満足度が高まります。
まとめ
ネイリスト技能検定試験は、多くのネイリストが取得を目指す、非常に知名度の高い試験です。
取得することで、就職や転職が有利になる、給料アップにつながるなど、メリットも多くあります。
資格の取得を目指して技術を磨くことで、キャリアにも好影響が期待できるほか、お客様の希望をかなえられる技術も身につくでしょう。
また、目的をもって取り組むことで、日々の施術や練習が従来以上に有意義なものだと感じられるはずです。
これからネイリスト技能検定試験を目指す人は、まずは3級取得の対策から取り組んでみましょう。
監修者:唐沢 真弓
ネイリスト
学校法人 国際共立学園 国際理容美容専門学校 ビューティアーティスト科教務
国際共立学園は創立69年の伝統ある学園で、職人の技術偏重主義に決して偏ることなく、あらゆる職業を通して、豊かな人間性を併せ持った職業人育成を目指している。『夢をかなえる 人づくり』を教育のテーマに、これまでの教育実績をさらに進化させ、社会に貢献できる人材を育成している。