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アイブロウリストとは?必要な資格やスキル、仕事内容について徹底解説
美容系の仕事の中でも、眉を整える仕事をするのが「アイブロウリスト」です。
眉は形1つで、顔の印象の8割が決まるともいわれています。
そのような仕事に携われるアイブロウリストは、非常にやりがいのある仕事です。
美容関連の仕事に就こうと考えている人の中には、アイブロウリストの仕事に魅力を感じている人もいるのではないでしょうか?
そこでこの記事では、アイブロウリストの仕事内容やおすすめする資格や取得方法、アイブロウリストの働く場所についてご紹介します。
アイブロウリストの仕事に興味のある人、美容師からセカンドキャリアとしてアイブロウリストを考えている人はぜひ参考にしてください。
アイブロウリストとは?
アイブロウリストとは、眉毛を整えるプロフェッショナルのことです。
場合によっては、まつ毛エクステやまつ毛パーマなど、まつ毛の専門家であるアイリストが、アイブロウリストを兼任するケースもあります。
眉毛にも流行があるため、アイブロウリストはその流行をおさえながらお客様に似合う形を見極め、整えていきます。
お客様のイメージする理想の眉にするためにも、じっくり話をうかがう必要があったり、施術中にも雑談したりするため、コミュニケーション力も欠かせません。
アイリストの仕事全般に興味のある方は、こちらも参考にしてみてください。
▷アイリスト(アイデザイナー)とは?必要な資格や検定、仕事内容を徹底解説【専門家監修】
アイブロウリストの仕事内容とは?
アイブロウリストの仕事は、眉を整えるだけではありません。
普段行っている仕事内容は、主に次の4つです。
- 事前カウンセリング
- 眉毛のデザインを行う
- 眉を整える
- サロンワークなどの庶務
1つずつ詳しく解説します。
1.事前カウンセリング
来店されたお客様に対し、初めにカウンセリングを行います。
カウンセリングでは、次のようなことを伺います。
- 最後に眉の自己処理をした日
- 希望する眉の形
- 眉の悩み
また、次のようなことも併せて確認し説明します。
- 眉の毛流れ
- 眉弓筋による表情やくせ
- お顔の黄金比による眉の位置
- 顔型に合った眉型の提案
- 毛周期と施術頻度の説明
- ワックス脱毛を行う場合はメリットとデメリット
お客様の理想の眉を実現しご満足いただくためには、事前カウンセリングが非常に重要です。
2.眉毛のデザインを行う
お客様のイメージする眉を、定規などで正確にデザインしていきます。
デザインが終わると次は眉を整える工程となるため、眉の形を決定する最終段階となります。
お客様のイメージが、必ずしも本人に似合うデザインとは限りません。
ここで最も理想に近くお客様に似合う眉を、意見を交わしながら現実化するのがポイントです。
お客様一人ひとり、眉の流れなど癖があるため、それらを考慮しながら不自然にならないようにデザインするのも仕上がりの満足度を高めるために、重要なポイントの1つです。
3.眉を整える
お客様へのサービス対応の際にアイブロウリストが最後にするのは、眉を整える作業です。
眉全体の長さを切りそろえ、必要ない部分はワックスで脱毛します。
毛量の多い箇所は「間引き」といって1本ずつピンセットで抜いていく作業を行う場合もあります。
間引きを行うと、眉マスカラののりがよくなり、普段のケアも楽になるでしょう。
お客様の眉に左右差のある方は、一度では揃わない場合もあり、定期的に通っていただくとよい点などもお伝えします。
自宅でのケア方法や、メイクの仕方などもレクチャーして終了です。
4.サロンワークなどの庶務
アイブロウリストには、お客様の対応以外にもさまざまな業務があります。
開店前や閉店後には、店内の清掃や機械類の消毒を行います。
お客様の目元まわりに触れるため、衛生管理には細心の注意が必要です。
ほかにも、予約の確認や電話の応対、事務作業や売上の管理なども行います。
アイブロウリストになるために必要な資格とは?
アイブロウリストのような美容関連の仕事は、お客様に直接触れる仕事です。
そのため「専門資格があるのでは?」と考える方もいるでしょう。
ここでは、必要な資格と、取得しておくとよいおすすめの資格をご紹介します。
アイブロウリストになるには基本的に美容師免許が必要
アイブロウリストの仕事に就くためには、美容師免許が必須条件です。
そのため、美容師のセカンドキャリアとしてアイブロウリストになる人もいます。
美容師資格を取得するためには、厚生労働大臣もしくは都道府県知事指定の美容専門学校を卒業し、美容師試験に合格する必要があります。
美容師試験は取得すれば生涯更新の必要はありません。
アイブロウリスト以外にも、ヘアメイクアップアーティストやアイリストなども、美容師資格必須の職業です。
美容師資格をこれから取得しようと考えている人は、こちらをご覧ください。
▷美容師に必要な資格・免許はどうやって取得する?3つの方法や関連資格も紹介【美容師監修】
おすすめの民間資格4選
アイブロウリストは、美容師資格があれば就ける仕事です。
アイブロウリスト専門の国家資格はなく、いくつかの民間資格があります。
取得により、就職や転職に役立ったり、お客様からの信頼が得られたりとメリットもあるでしょう。
ここでは、以下の民間資格4種類をご紹介します。
- ジャパンブロウアーティスト協会「アイブロウマイスター」
- 日本アイブロウ協会「アイブロウィスト3~1級」
- 日本メイクアップ連盟「アイブロウトリートメント検定(3級~講師資格)」
- JAPAN BROWTIST SCHOOL「ブロウティスト」
- ジャパンアイリストカレッジ「美眉スタイリングコース ディプロマ認定」
ジャパンブロウアーティスト協会「アイブロウマイスター」
一般社団法人ジャパンブロウアーティスト協会で取得できるのが「アイブロウマイスター」です。
アイブロウマイスターは、お客様の眉を整える技術ではなく、顔分析に基づいたアドバイスや、眉のきれいな書き方などを教えられる資格です。
アイブロウマイスター資格は、通信教育を受講しそのまま自宅でテストを受験できます。
美容師資格は必要ないため、美容師資格取得前の美容専門学校生でも取得可能です。
通常資格のアイブロウマイスターのほかに「上級(プロ)アイブロウマイスター」があります。
上級(プロ)アイブロウマイスターは、合格すると自由に初級アイブロウマイスター認定講座を開催できる権利を得られます。
こちらは2日間Zoomにてオンライン講座を受講し、2日目の内容にて、合否が判定されます。
【アイブロウマイスター資格試験概要】
アイブロウマイスター | 上級(プロ)アイブロウマイスター | |
---|---|---|
合格基準 | 80点以上 | 2日目に行う資料作成・説明・解説・実技指導の内容により、合否判定 |
受験資格 | どなたでも | 初級アイブロウマイスター合格者 |
受験料 | 13,200円(税込) | 88,000円(税込) |
日本アイブロウ協会「アイブロウィスト3~1級」
一般社団法人日本アイブロウ協会認定の資格が「アイブロウィスト」です。
3~1級まであり、認定代理店でセミナーを受講すると自動的に資格が取得できます。
【アイブロウィスト概要】
1級 | ・キャリア3年以上で2級を取得している |
---|---|
2級 | ・基礎的な知識と技術がある |
3級 | ・アイブロウの基礎知識を有している |
また、美容師免許を持っていなければ資格認定されないため、注意が必要です。
日本メイクアップ連盟「アイブロウトリートメント検定(3級~講師資格)」
「アイブロウトリートメント検定」は、一般社団法人日本メイクアップ連盟主催の資格試験です。
2・3級は美容専門学校でも試験を受けられる学校もあるため、興味のある方は卒業前に取得しておくとよいでしょう。
アイブロウトリートメント検定には、3~1級に加え講師資格が得られるマニエストまで4種類の試験があります。
それぞれの級の学習内容は以下のようになります。
3級 | ・眉を整える際の基本(ハサミの使い方・眉のデザイン法・眉の書き方)が身に付く |
---|---|
2級 | ・基本的な技術を、実際にモデルを使用してできるようになる |
1級 | ・モデルを使用して、印象に合わせたデザイン方法やテクニック、接客方法を学ぶ |
マニエスト | ・アイブロウリストの指導法などが学べる |
※参考:一般社団法人日本メイクアップ連盟
3級から1級までは、それぞれ5時間以上の講習を受けることが推奨されています。
【アイブロウトリートメント検定概要】
マニエスト | 1級 | |
---|---|---|
検定料 | 筆記試験:3,000円 | 4,000円(税込) |
検定内容 | 筆記試験:20分 | 筆記試験:15問(15分) |
合否 | 筆記:80点以上/100点満点 | 筆記・実技ともに80点以上/100点満点 |
2級 | 3級 | |
---|---|---|
検定料 | 4,000円(税込) | |
検定内容 | 筆記試験 15問 / 15分 | 筆記試験 20問 / 15分 |
合否 | 筆記・実技ともに80点以上/100点満点 |
※参考:一般社団法人日本メイクアップ連盟「試験内容」「マニエスト(講師資格)について」
なお、マニエスト資格の取得には、3年以上の教務経験または3年以上のメイクアップ指導経験と指定の講習を受ける必要があります。
JAPAN BROWTIST SCHOOL「ブロウティスト」
JAPAN BROWTIST SCHOOLで、定められた課程を修了し、検定試験に合格するとスターを獲得できます。
スターはワンスターからファイブスターまであり「ブロウティスト」と名乗れるのは、スリースター以上を獲得した人だけ。
また、1つ下のスターを獲得していることが、次のスターの受験資格となります。
【ブロウティスト検定合格要件】
合格要件 | |
---|---|
1STAR | ・アイブロウワキシングケアの基礎が十分身に付いている |
2STAR | ・アイブロウワキシングケアの応用技術が身に付いている |
3STAR | ・上級デザイン理論知識が身に付いている |
4STAR | ・十分な眉学~顔分析や応用デザイン理論知識が身に付いている |
5STAR | ・知識や技術を習得し、目元を自由にコントロールできる |
試験内容は、眉のデザインなどの筆記テストと、ワックス・カット・デッサンなどの実技テストです。
なお、JAPAN BROWTIST SCHOOLの講習を受けるためには、美容師免許が必須となります。
ジャパンアイリストカレッジ「美眉スタイリング導入コース ディプロマ認定」
ジャパンアイリストカレッジで、指定の講座を受講し、卒業試験に合格するとディプロマ認定を受けることができます。
それ以外にも、「メンズ眉スタイリングコース」や「美眉矯正グロウラミネーションコース」などより特定のニーズに特化したコースもあるので、習得したいメニューが明確な方に向いていそうです。
【美眉スタイリング導入コース】
受講時間 | 20時間 |
---|---|
費用 | 220,000円(税込) |
※参考:ジャパンアイリストカレッジ
アイブロウリストの主な勤務場所・働き方は?
アイブロウリストの勤務場所は、増加傾向です。
ホットペッパービューティーアカデミーの行っているアイビューティーサロン編/美容センサス2023年上期によると、近年、10~30代にかけて、眉を整える人が増えています。
また、身だしなみのために眉を整える男性も増えており、今後も眉毛市場は伸びていくと予想されます。
そのため、アイブロウリストの需要も、専門のサロンばかりではありません。
主な勤務先は、次の4つが挙げられます。
- アイブロウ専門のサロン
- アイラッシュサロン
- 美容室併設などのトータルビューティーサロン
- 独立開業
アイブロウ専門のサロンで働く
一般的な勤務場所として挙げられるのは「アイブロウ専門のサロン」で働く方法です。
アイブロウ専門サロンであれば、メニューも多く、専門性を高めて働きたい人にぴったりです。
またアイブロウ専門のサロンは、研修制度が整っているサロンも多くあります。
資格の取得をしても実務経験が乏しい場合は、いきなりお客様の施術をするのは不安ですが、研修をしっかりやってもらえるサロンであれば安心です。
アイラッシュサロンで働く
「アイラッシュサロン」で働く方法もあります。
アイラッシュサロンとは、眉毛だけにとどまらず、まつ毛エクステンションやまつ毛パーマなど、目元まわりを整えるサロンのことです。
コロナ禍において、マスクをする人が増えた結果、目元まわりのケアに注目が集まりました。
アイラッシュサロンであれば、目元全体を理想の形にできるため、人気があります。
おすすめできるメニューの幅も広がり、お客様の満足度も上がりやすいでしょう。
アイラッシュサロンで働くと知識の幅を広げられるため、美に対する探究心の強い方におすすめです。
美容室併設などトータルビューティーサロンで働く
眉のほかにもまつ毛やネイル・エステなどを併設している美容室もあります。
そのようなトータルビューティーサロンで働く方法もあるでしょう。
美容室で整えると、ヘアスタイルや髪色に合わせて眉を作れる良さがあります。
アイブロウリストは全員美容師免許があるため、美容師兼アイブロウリストとして活躍が可能です。
お客様をトータルで美しくしてあげたい人や、さまざまな技術を身につけたい人に、おすすめの働き方といえるでしょう。
独立開業したサロンで働く
アイブロウリストとして、技術・経験ともに十分な力が身に付いた場合、独立開業する方法も考えられます。
自分自身の力を試したい、自分のペースで働きたいといった人に向いている働き方です。
十分な資金を貯めるために、まずはシェアサロンを利用して独立開業する方法もあります。
シェアサロンであれば、自身で店舗を持つ際に必要な開業費用を抑えられるだけでなく、さまざまな手続きの多くも必要ないため、リスクを抑えた開業が可能です。
また、FC加盟しサロン開業のノウハウを教わりながら独立開業する方法もあります。
独立にはリスクもともないますが、集客や接客に成功すれば、サロンに勤務するよりも収入を増やしていけるでしょう。
まとめ
アイブロウリストは、ワックスやカットなどで眉を整えるプロフェッショナルのことです。
アイブロウリストになるためには、美容師資格が必須となります。
そのため、アイブロウ専門のサロンやアイラッシュサロンで働くだけでなく、トータルビューティーサロンとして営業する美容室でも、スタイリストをしながらアイブロウリストとしても働けます。
アイブロウ専門の国家資格はありませんが、複数の民間資格があるため、スキルを磨きたい人や信頼度を増したい人、施術に不安のある人は取得がおすすめです。
男女問わず、眉を整える方は増加傾向です。
美容師資格だけでなく技術を増やしたい方、アイブロウリストに転職を考えている人は、目指してみてはいかがでしょうか。
監修者:稲垣恵美
ビーシスグループ代表取締役社長 株式会社鉄人化ホールディングス美容事業特別顧問
現在は、東証2部株式会社鉄人化ホールディングス美容事業 特別経営顧問を務めながら沖繩にまつ毛・ネイルサロンを7店舗と飲食店1店舗、関東には高級エステティックサロン、整体サロンを各1店舗、ビーシスメイクサロン1店舗、飲食店を2店舗。その他、直営サロン50店舗を12年で立ち上げその1部をM&Aしたノウハウをもとにサロンやオーナー様にコンサルや講演会、講習会等を行っている。
また、美容専売品の化粧品開発販売事業、フランチャイズ事業、協会副理事や国際審査員等も従事しており活躍中。
今後もこれからの、美容業界の活性化に尽力を尽くす。