理容師

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理容師の服装・ファッションにおける10のポイント!服装選びの重要性も解説

理容師として働くにあたって、「どんな服装をしたら良いのだろう」と悩む方は多いかもしれません。
これから理容師を目指すにあたり、理容師として求められる服装について知っておきたいという方もいます。

そこで、この記事では理容師が服装を選ぶときに押さえておきたい10のポイントを取り上げます。

理容師における服装選びの重要性

理容師の男性

理容師として働く際にどのような服装をするかは、重要なことです。ヘアスタイルを整えに理容室に行くときは、センスの良い理容師に施術してもらいたいと思う方がほとんどです。
理容師がおしゃれな服装をしていると、お客様に「ぜひこの人に担当してほしい」と思ってもらえます。
一度施術したお客様が理容師の服装も含めた全体的な雰囲気を心地良く感じていれば、リピートしてくれる可能性も高まります。

また、理容師の服装や身だしなみは、理容室の雰囲気を作る要素のひとつです。理容師がセンスのある服を着ていると、その店舗もおしゃれな雰囲気に包まれます。
ファッション感度の高い理容師の存在が店舗のブランディングにつながるため、服装選びは集客において重要な要素です。

理容師がだらしのない服装をしていると、お客様は不快に感じます。
最悪の場合、この理容師には任せられないと判断して、そのまま帰ってしまうかもしれません。お客様に気持ち良く施術を受けてもらうためにも、服装への一定のこだわりがとても大切です。

理容師の服装はどうして白衣が多い?

理容師の服装と言うと、白衣をイメージする方は多いかもしれません。
白衣は一般的に、医師や看護師、薬剤師など医療従事者がよく着用する制服です。理容師の仕事は病院や薬局とは関係がなさそうなのに、なぜ白衣を着る場合もあるのでしょうか。

その理由は、中世ヨーロッパの歴史をひも解くと分かります。
その時代、理容師は外科医を兼ねていて、「理容外科医」と呼ばれていました。理容師は外科医として、患者の歯の治療や傷の手当てなどをしていました。
さらに、理容師は「髪に関する医者」という位置づけでもあり、頭髪に関する診断や手当てを行いました。その名残として、今でも理容室の前に、赤・青・白の3色ポールが回っているのを目にすることがあります。3つの色はそれぞれ「動脈」「静脈」「包帯」を表しており、医療行為を象徴しています。

医療が発達した現代では、理容師が外科医を兼任することはありません。今では、理容師の仕事はヘアカットや髭剃りが主となりました。
外科に関する治療は行いませんが、かつて外科医として白衣を着ていたことが今でも習慣として残っています。
ちなみに、今でも理容師の国家試験の実技試験では、汚れが目立ちやすい白色または淡い単色で上半身の衣類全体を覆う白衣のような作業衣の着用が求められています。

理容師の服装・ファッションにおける10のポイント

理容師の女性

理容師がどのような装いをするか考えるときは、以下の10個のポイントを参考にしましょう。

  1. ともかく清潔感を意識する
  2. お店のコンセプトと合っているかを確認する
  3. 施術の邪魔にならないデザインにする
  4. 機能性が高く清潔感を保ちやすい素材で選ぶ
  5. 大きすぎる服は避ける
  6. 服の色は濃くしすぎない
  7. アクセサリーは付けすぎない
  8. 靴の底は高すぎず動きやすいものを選ぶ
  9. 露出が多くなりすぎないよう注意する
  10. おしゃれな服装を常に意識する

1.ともかく清潔感を意識する

第一に重要なのは、何と言っても清潔感があることです。理容師のスタイルはサロンごとに特徴がありますが、どの店舗においても清潔感は欠かせません。
理容師はお客様に直接触れて施術をするため、お客様を不快に感じさせないように、クリーンできちんとした服装をすることが前提条件です。

清潔感の有無は、お客様からの印象を大きく左右します。お客様に「気持ち良く施術を受けられた」と感じてもらうには、小ぎれいできちんとした服装をしている必要があります。
一度お客様目線で、服にシワや汚れがないか、襟や袖口に黄ばみはないかなどチェックしてみましょう。

勤務中の服としておすすめなのは、抗菌防臭加工が施された生地を使用したものです。臭いの元となる菌の増殖を抑制して、嫌な臭いが発生するのを抑えてくれます。

勤務中にきちんと洗濯されたきれいな洋服を着用すれば、理容師自身も気持ち良くさわやかな気分で働けます。

2.お店のコンセプトと合っているかを確認する

着用するスタイルが、お店のコンセプトと合っていることも大切です。
理容師が働くお店は、若者向けのカジュアルな雰囲気のサロンもあれば、ミドル・シニア層を主な対象とした高級感のあるサロンもあります。

サロンの雰囲気を作る要素はインテリアやBGMなどさまざまですが、先に取り上げた通り、理容師の服装もそのひとつです。
店舗のコンセプトと理容師の服装が合っていないとちぐはぐな印象を与えてしまい、せっかくの統一された雰囲気が台無しになってしまいます。

自分の好きな格好をするのも良いですが、まずはプロとして仕事場との相性を考慮することは大切です。

3.施術の邪魔にならないデザインにする

理容師は立ち仕事で手先を細かく使う作業をするため、動きやすく施術の邪魔になりにくい服装を選びましょう。

たとえば、袖口にボリュームがあると、シェービングやシャンプー、カラーリングのときに邪魔になってしまうかもしれません。
汚れも付きやすく、お客様の顔周りを施術するときに洋服が顔に当たってしまう恐れもあるので避けましょう。

ボトムスはストレッチ性のあるパンツなら動きやすく、かがんだ姿勢も取りやすいのでおすすめです。吸汗・速乾性が高い素材を選べば、汗をかいても不快に感じることなく働けます。

4.機能性が高く清潔感を保ちやすい素材で選ぶ

服に髪の毛が多くくっ付いていると、お客様に不潔な印象を与えかねません。制電糸が織り込まれた素材なら不快な静電気をシャットアウトでき、毛がくっつきにくいのでおすすめです。

このほか、理容師のファッションにおすすめの素材はポリエステル素材です。
ポリエステルは耐久性にすぐれていて、色落ちしにくくシワになりにくいという特長があります。洗濯にも強く、縮みや型崩れしにくく、乾きも早いのでこまめに洗濯してきれいな状態を保てます。

5.大きすぎる服は避ける

理容師が大きめの服を着ていると、施術中に意図せずお客様に触れてしまう可能性があります。床を引きずるような長すぎるズボンも、だらしのない印象で清潔感がないので避けましょう。
長い袖口や裾は汚れがたまりやすいため、衛生面から考えると避けるのが無難です。

近年はオーバーサイズのゆったりとした服装がトレンドになることもありますが、理容師の服装としては適していません。
トレンドを取り入れるのは悪くありませんが、清潔感と衛生面を優先させましょう。

6.服の色は濃くしすぎない

理容師の男性

理容師として働いていると、カラーリング剤やパーマ剤などで服が汚れがちです。汚れても目立たないように黒や紺などの濃い服を選びたくなるかもしれませんが、施術を考えるとおすすめではありません。
汚れが目立つ服のほうが、薬剤が付いたときにすぐに判別でき、衛生的な状態を保てます。

また、黒や紺などの濃い服を着てしまうと、鏡越しにお客様の髪の長さをチェックしにくいというデメリットもあります。
自分のダークカラーの洋服とお客様の髪との境目が分かりづらいので、微妙なレングスやボリュームの調整に支障が出てしまうかもしれません。

7.アクセサリーは着けすぎない

理容師はおしゃれを意識することも大事ですが、アクセサリーの着けすぎは禁物です。大きな指輪やブレスレットを着用していると、お客様の髪に引っかかります。
またシェービングの際は、お客様の顔にアクセサリーがあたると安全に作業をすることができないので、外しておきましょう。特に指輪は、手先を使う作業の邪魔になりやすいので外しておきましょう。

施術の妨げにならないとしても、大きくて派手なアクセサリーをあまり良く思わないお客様も多くいます。理容師がサングラスを着用していると不真面目だととらえるお客様もいるので、特別な理由がなければ避けるのが無難です。

8.靴の底は高すぎず動きやすいものを選ぶ

理容師は長時間の立ち仕事なので、靴選びにも気を配る必要があります。靴の底やかかとが高い靴は、不安定で動きにくいので避けましょう。
足元が不安定だと、転倒して自分がケガをするばかりか、お客様にケガをさせてしまうことがあるかもしれません。軽量タイプでクッション性があり滑り止め加工がされた靴なら、足元が安定しやすく足の疲れも軽減できます。

夏はサンダルを履きたくなるかもしれませんが、サンダルは切った髪がインソールに入りやすいため不衛生です。足に髪の毛が付いて、チクチク痛みを感じることもあります。

9.露出が多くなりすぎないよう注意する

胸元が大きく開いたトップスやショートパンツなど、肌の露出が多い服装も避けましょう。
露出が多い格好は理容室の雰囲気に合わず、お店の品格を落としてしまう恐れがあります。

肌があらわになっていると、その分肌に薬品が付くリスクも高まります。
露出の多い服装はラフなイメージがあり、お客様に不快な思いをさせる恐れもあるので、勤務中は適度に肌を覆うのが鉄則です。

10.おしゃれな服装を常に意識する

理容師は美容師と同様、世の中の最新のトレンドに敏感でおしゃれであることが求められています。トレンドを取り入れた服装をしていれば、「上手に流行を取り入れた髪型にしてくれそう」「こんなおしゃれな人に施術してもらいたい」と思ってもらえます。

近年、理容室で注目を集めているのが、おしゃれで新しいスタイルの「バーバー」です。
クラシカルなヘアスタイルが人気になりつつあるのにともない、バリカンやシェービングの技術にすぐれたバーバーの存在が見直されています。
服装も含めておしゃれな雰囲気をうまくアピールすれば、店舗のブランディングにつながります。

まとめ

理容師が勤務中にどのような服装をするかは、集客や店舗のブランディングにも関わるためとても重要です。

理容師に求められているのは、清潔感があり動きやすく、おしゃれな服装です。肌の露出を抑え、誰から見ても好感度の高いクリーンな服装をすれば、お客様に「安心して施術を任せられる」と感じてもらえます。
お客様に与える印象を意識しながら服装選びをすることが、お客様へのおもてなしの一部とも言えます。

トレンドもうまく取り入れておしゃれな雰囲気を演出しつつ、理容師として自分のスタイルを確立しましょう。

プロフィール画像

監修者池田 昌央

理容師

学校法人 国際共立学園 国際理容美容専門学校 理容科学科長

国際共立学園は創立69年の伝統ある学園で、職人の技術偏重主義に決して偏ることなく、あらゆる職業を通して、豊かな人間性を併せ持った職業人育成を目指している。『夢をかなえる 人づくり』を教育のテーマに、これまでの教育実績をさらに進化させ、社会に貢献できる人材を育成している。

執筆者emi-k