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美容師はネイルをしても大丈夫!ネイルするメリットや注意点を解説

美容師のネイルはNGという印象が強いかもしれません。しかし最近では、美容師のネイルを許可するサロンが増えています。
ただし美容師がネイルをする際は、お客様に不快感を与えたり施術に影響が出たりしないよう、十分に配慮しなければなりません。

本記事では、美容師として働き始めた方に向けて、美容師のネイルを許可するサロンが増えた理由、ネイルデザインを選ぶ際の注意点、美容師がネイルをするメリットについて解説します。

美容師はネイルをしても大丈夫!

美容師のネイル

ひと昔前までは、美容師のネイルを問題視する声もありました。
しかし、ジェルネイルが登場したことにより、美容師のネイルを許可するサロンが増えています。
アシスタント美容師は、シャンプーの施術中にお客様を傷つけないよう爪を短く整えなければなりません。

また、サロンの雰囲気に合うデザインを考えることも大切です。
ヘアやファッションだけでなく、指先の身だしなみも行き届いた美容師は、お客様からの信頼も高くなるはずです。

昔はポリッシュネイルが主流でNGだった

もともと美容師のネイルをNGとするヘアサロンは数多くありました。
特に、美容室において派手なカラーのネイルは清潔感のない印象を与えやすいとされ、良い評価を得にくいものでした。
現在はジェルネイルが主流となっていますが、以前は液体状のポリッシュネイルが使われていたことも、多くのサロンが禁止していた理由のひとつです。

ポリッシュネイルの主成分は、ニトロセルロース樹脂やアクリル樹脂です。これらの成分でできたポリッシュネイルは、美容師が使用するパーマ液などの薬剤で溶ける可能性があります。
施術中に溶けたポリッシュネイルが、お客様の髪や肌、服に付着するトラブルを避けるために、ネイルをNGとしていたサロンが多かったようです。

また、手軽に使える一方で、衝撃により簡単に剥がれてしまう点もデメリットでした。

現在はネイルOKのサロンが多い

ジェルネイルの登場によって、美容師のネイルを許可するヘアサロンが増えています。ジェルネイルの成分は、ウレタン樹脂やアクリル樹脂などの合成樹脂、紫外線により硬化する光重合開始剤です。

樹脂が使用されている点はポリッシュネイルと同じですが、硬化したジェルネイルを落とすにはネイルファイル(爪やすり)や専用のリムーバーを使用しなければなりません。
このような性質により、簡単に剥がれたり溶けたりする心配がないため、ジェルネイルであればネイルをしても良いとするヘアサロンが増えています。

ただし、お客様の髪に引っ掛かるような派手な装飾は避けたほうが望ましいとされています。

美容師がネイルをする3つのメリット

美容師の女性

美容師として働くうえで、カットやカラーリングの技術だけでなく、おしゃれが好きなことやトレンドに敏感であることは重要な要素です。ネイルには、水や薬品に触れる時間が多い美容師の爪を守る役割もあります。また、サロンの形態によっては、自社の売り上げアップに貢献できる可能性もあります。

  1. 身だしなみを整えられる
  2. 爪を守ることができる
  3. トータルビューティサロンの場合、アピールにもなる

1. 身だしなみを整えられる

接客業は身だしなみが重要です。最近では、爪のお手入れも身だしなみの一部という考えが広まっています。接客中は、お客様の視界に美容師の手元が入りやすいため、爪をきれいにしておけばイメージアップに結びつくはずです。

水や薬剤に触れる時間が長い美容師は、手や爪が荒れやすいものの「美」を提供すると職業柄、指先のお手入れに配慮することも大切です。

2. 爪を保護できる

美容師の仕事は、手だけでなく爪にも負担がかかります。ネイルは、シャンプー剤やカラー剤、パーマ液による刺激から爪を保護するメリットもあります。爪は皮膚の角質が硬く変化したものです。

そのため、長時間水に触れていると弱くなり、二枚爪になったり割れてしまったりするなど、さまざまなトラブルが起こります。荒れた爪で施術を行えば、お客様の髪や肌を傷つけてしまうリスクが高まります。

また、カラー剤で爪が染まってしまうのを回避できるのもメリットです。ジェルネイルで爪を覆うことにより、爪が水や薬剤に晒される時間を減らせば、爪のトラブルも防止しやすくなります。

3. トータルビューティサロンの場合、アピールにもなる

最近では、美容室にネイルサロンやエステサロンを併設したトータルビューティサロンも増えています。トータルビューティサロンの場合、美容師が魅力的なネイルをしていれば、ネイルサロンの宣伝・アピールにつながるかもしれません。

美容師のネイルを見てお客様が興味を持ち、集客へとつながれば、広告宣伝費のコスト削減が実現します。

美容師がネイルをする時に気をつけるべきポイント

美容師の女性

身だしなみや爪の保護に加え、広告の観点からも有用な美容師のネイルですが、美容師の仕事に支障がないよう配慮することも大切です。

  • 長くしすぎない
  • 尖らせない
  • 派手にしすぎない
  • サロンの雰囲気にマッチしたデザインにする
  • 落ちやすいポリッシュネイルは使用しない

長くしすぎない

ポリッシュネイルが主流となっていた以前とは違い、最近ではさまざまなデザインのネイルが楽しめるようになっています。ネイルチップだけでなく、ジェルによる長さ出しを好む方も少なくありません。

しかし、美容師の仕事では、長すぎるネイルがお客様に不快感を与える可能性があります。
また、アシスタント美容師のネイルが長すぎる場合、シャンプー時にお客様の頭皮を傷つけてしまうかもしれません。

美容師国家試験の実技では、清潔保持の観点から、爪の先端を1㎜以下に切りそろえる必要があるとしています。
これに倣い、1mm以内を目安に整えておけば、さまざまなリスク回避につながるはずです。

なお、主にアシスタントがシャンプーを担当するヘアサロンでは、長めのネイルをしているスタイリストも存在します。
しかし、カットやカラー、ブローの施術を行う際も長い爪がお客様に当たれば怪我を負わせるリスクがあります。

美容師の爪が長いこと自体に不快感を示すお客様も存在するため、アシスタント・スタイリストを問わず、ネイルの長さには十分配慮するようにしましょう。

尖らせない

ネイルをする際は、長さだけでなく、形にも注意しなければなりません。ネイルの形にはさまざまな種類があり、中には爪の角を直角にしたスクエア型、先端を細長く尖らせたスティレットといったデザインも存在します。

しかし、先が尖ったデザインは、お客様の頭皮や肌を傷つけるリスクがあります。スクエアオフやラウンドなど、先の尖っていないデザインを選択するようにしましょう。

派手にしすぎない

先述したように、施術中はお客様の視界に美容師の手元が入りやすくなっています。派手なネイルが視界を横切ることに、不快感を抱くお客様もいるかもしれません。
さまざまなお客様と接する美容師には、ナチュラルなデザインにしたりカラーは2色までに抑えたりするなど、派手すぎないデザインが向いています。

また、凹凸があるラインストーンや立体的な装飾は作業の邪魔になりやすく、お客様に怪我をさせてしまうリスクがあります。
トラブルを防止するためにも、派手な装飾は避けるようにしましょう。

サロンの雰囲気にマッチしたデザインにする

お店の雰囲気に合ったネイルデザインにすることも大切です。
施術を受けている間、お客様はサロン全体の雰囲気とあわせて、美容師の服装や髪型、ネイル、置いてある小物など細かいところまで見ています。

カフェのような落ち着いた内装のヘアサロンで働く美容師が、キラキラとした派手なネイルをしていると違和感を覚えるかもしれません。

たとえば、高級感のあるサロンなら、深みのあるダークカラーを採用したり、カジュアルな雰囲気のサロンなら明るくポップなデザインにしたりするなど、サロンのコンセプトや雰囲気に合うデザインを意識しましょう。

落ちやすいポリッシュネイルは使用しない

冒頭で解説したとおり、ポリッシュネイルは剥がれたり溶けたりしやすいのがデメリットです。万が一、溶けたネイルがお客様の衣服に付着すれば、トラブルに発展します。このような事態を避けるために、ポリッシュネイルは使わないようにしましょう。

美容師に人気のネイルデザイン

美容師のネイル

美容師がネイルをする際には、さまざまな配慮が求められます。
そのため、どのようなデザインにすれば良いのか分からなくなってしまうかもしれません。あらかじめ、ネイルサロンで美容師に人気のあるデザインを知っておくと安心です。

  • 凹凸のないデザイン
  • 角のないラウンド・オーバルデザイン
  • 爪先をカバーできる変形フレンチデザイン
  • 季節やファッションなどのトレンドを押さえたデザイン

凹凸のないデザイン

作業の邪魔にならない凹凸のないネイルデザインは、美容師に人気があります。
単色のほか、シンプルなラインを入れたり、ラメ入りのジェルを使ったりするデザインも好まれています。
パーツを加える時は、ホログラムや小さいストーンなどを選び、トップコートのカバーで凸凹がなくなるものを選ぶようにしましょう。

角のないラウンド・オーバルデザイン

お客様の肌を傷つけにくいラウンド型・オーバル型のデザインも人気です。
ラウンド型とは、爪の角は丸く、サイドはストレートに整えたデザインを指します。やわらかい雰囲気に仕上がり、ショートネイルでも取り入れやすいため、美容師に適したデザインのひとつです。

オーバル型は、サイドから全体に丸みをつけた卵型のデザインです。ラウンド型と比べてシャープで大人っぽい印象に仕上がり、指が長く見える効果も期待できます。

どちらも爪の角が丸いため、お客様の肌に当たった際に怪我をさせてしまうリスクを軽減できます。

爪先をカバーできる変形フレンチデザイン

美容師に人気のネイルデザインのひとつに、変形フレンチがあります。
フレンチネイルとは、ベースをクリアまたはナチュラルカラーにして、爪先部分をホワイトのカラーで縁取るデザインです。

変形フレンチは、爪先を違う色にしたり、縁取りの幅を変えたりするほか、縁取り部分を直線や斜めにするなど、従来のフレンチネイルをさまざまな色や形にアレンジしたデザインを指します。
美容師は、カラー剤などで爪が染まってしまうことも多いため、カラーの付着が目立ちにくいダークカラーの変形フレンチが人気です。

季節やファッションなどのトレンドを押さえたデザイン

美容師の仕事に就く方は、おしゃれやトレンドに敏感な人が多く、季節や流行りにあわせてファッションはもちろんネイルデザインまで変えるという方が少なくありません。
特にトータルビューティサロンでは、美容師のネイルが広告にもなるため、季節やトレンドに合ったカラーやデザインのネイルにするのもおすすめです。

たとえば、春はジューシーなピンクネイルをベースにアクセントでラメを加えてみたり、夏は涼しげな透明感あるアイスグレーにポイントでシルバーのラインを入れたりするなど、ショートネイルでも多彩なデザインが楽しめます。

まとめ

以前は多くのサロンで美容師のネイルは禁止とされてきましたが、ジェルネイルの登場やネイルサロンを利用する方が増えた昨今では、美容師のネイルを許可するサロンが増えています。

ただし、ポリッシュネイルは、扱う薬品によって溶けるケースがあるため、トラブルを防ぐためにも避けるようにしましょう。また、爪先を尖らせないなど、お客様の髪や肌を傷つけないための配慮も不可欠です。

どのようなネイルデザインが望ましいのか分からない場合には、今回紹介した「美容師に人気のネイルデザイン」を参考にしてみてください。また、サロンによってもルールは異なるため、ネイルをする前にオーナーや先輩スタッフに確認してみましょう。

プロフィール画像

監修者白渡 楓菜

美容師

学校法人 国際共立学園 国際理容美容専門学校

国際共立学園は創立69年の伝統ある学園で、職人の技術偏重主義に決して偏ることなく、あらゆる職業を通して、豊かな人間性を併せ持った職業人育成を目指している。『夢をかなえる 人づくり』を教育のテーマに、これまでの教育実績をさらに進化させ、社会に貢献できる人材を育成している。

執筆者yue26