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美容師のやりがいとは?仕事の魅力、やりがいを感じるとき11選を紹介

身近な存在であり、目指す人も多い職業のひとつに「美容師」があります。

しかし、美容師の仕事にはどのようなやりがいがあるのか、気になる人もいるのではないでしょうか。
この記事では、美容師のやりがいについて詳しく解説します。美容師を目指すか悩んでいる人は、ぜひ参考にしてください。

美容師のやりがいや魅力はお客様の喜びを直に感じられるところ

やりがいを感じながら働いている美容師の様子

美容師の仕事について、ときとして過酷で大変なことも多いというイメージを持つ人もいるかもしれません。
しかし同時に、美容師はヘアカットやメイクなどの技術を駆使して自分のセンスを最大限に発揮できる、華やかな仕事でもあります。

美容師が仕事のやりがいや魅力を感じるときといえば、お客様の美に対する希望を理解したうえで、悩みを解消し、期待以上の成果を実現したときです。

お客様が鏡を見て新たな自分の姿に感激してくれる姿は、美容師にとって最大の報酬といっても過言ではありません。 

美容師の仕事内容

美容師の施術は誰もが受けたことがあるはずですが、具体的にどのような仕事内容なのでしょうか。

美容師の仕事は、髪や肌に触れることから、国家資格を持つ人でなければ携われません。また、美容師法に基づいた施術をおこなう必要があります。
以下では、美容師の主な仕事内容について、一般的な流れに沿って解説します。

ヒアリングとカウンセリング

お客様と対面し、まずおこなうのがヒアリングカウンセリングです。
どのような施術を希望しているのか、オーダーに沿って施術をするために、お客様の要望をヒアリングします。たとえば、「この雑誌のモデルと同じ髪型にしてほしい」「夏なのでさっぱりとした髪型にしたい」などです。

また、美容師の仕事は、お客様の希望通りの施術をおこなうだけではありません。
お客様がより美しくなれるよう、お客様の潜在的なニーズを汲み取る必要があります。このとき重要となるのが、カウンセリングです。

たとえば、「髪がうまくまとまらない」「髪質が細くてよく絡まる」などの悩みに対しては、普段どのようなヘアケアをしているのかをお客様から聞き出したり、美容師の観点から最適なヘアケアを提案したりします。

このように、カウンセリングではコミュニケーションを通じて、お客様が無意識に抱える悩みや問題をも見つけ出します。ヒアリングとカウンセリングは、お客様の満足度の高いヘアスタイルを実現するうえでの基本です。

施術

ヒアリングとカウンセリングを終えたら、要望にあわせて施術していきます。施術の内容は、大きく分けて次の通りです。

シャンプーとブロー

髪や頭皮の健康を保つため、あるいは仕上がりをよくするために、ヘアカットの前後にシャンプーやブローをおこないます。

美容師にとってシャンプーやブローの技術は、アシスタント時代から時間をかけて磨き上げていくものです
美容院(サロン)によってはシャンプーとブローの試験を設けていて、合格して初めてお客様へ施術できるようになるケースもあります。

シャンプーやブローは美容師の技術のなかでも基礎にあたるため、時間をかけて多くの練習が必要です。

カット

美容師のメインの仕事といえばカットです
一般的に、美容師免許を取得し就職しただけでは、まだカットはできません。アシスタントとして下積みを経て、カット練習を重ねスタイリストになることで、カットを担当できるようになります。

カット技術はお客様にとって、美容師の腕がもっともわかりやすい部分でもあります。そのため、カット技術を磨くことは、指名客を増やすことに直結します

また、カットには雑誌の写真など指針となるヘアスタイルや、お客様の要望を実現できる技術力、全体のバランスを見たうえでの調整技術なども必要になります。
技術力には上限がないため、常に練習をする姿勢が大切です。最新スタイルや流行のスタイルへの対応など、常に最先端を把握することも欠かせません。

パーマ

デジタルパーマや水パーマなどさまざまなパーマ技法を習得し、お客様の髪の状況、髪質などにあわせて施術するのも美容師の仕事です。

特にパーマは、カットと異なり失敗すると修正ができない面もあり、確かな技術力が必要になります
パーマに失敗すると髪を傷めたり、イメージと異なる仕上がりになったり、あるいはすぐにパーマが取れてしまうなど、さまざまな問題が発生します。薬剤、あるいは放置時間が1分違うだけでも仕上がりが変わるため、経験を積まなければなりません。

パーマは、アシスタントでは施術ができず、経験を積んだスタイリストが担当します。
※薬剤選定やロッド選定、パーマのかかり具合など最終チェックはスタイリストが担当するがアシスタントもパーマ技術を担当する場合があります

カラー

お客様の要望にあわせてカラーをおこなうのも、美容師の仕事です。
ヘアカラーはバリエーションが非常に多いため、ヘアカラーチャートを用いて仕上がり後のイメージを提案したり、説明したりするスキルが必要になります

また、カラー材の調合をおこない、お客様のヘアカラーを要望に可能な限り近づけるのも、重要な仕事です。

カラーもパーマ同様に、薬剤を使用するため技術力が必要です。スタイリストが担当します。
※カラーにおいても薬剤選定や最終チェックはスタイリストが担当するものの、塗布などの技術はアシスタントも担当する場合があります

セット

カットやパーマなどのあと、お客様の髪型をセットするのも、美容師の仕事です。
また、その場で実現できても自宅に帰ったあと、お客様が自分で再現できなければ意味がありません。再現できるように、セット方法やヘアケアの説明もおこないます

美容院(サロン)によっては、スタイリング剤を販売している場合もあるので、最後の段階で実際に商品を試しながら販促をおこなうケースもあります。

その他、美のトータルコーディネート

美容院(サロン)によっては、髪以外の部分についても施術できることがあります。

もともと美容師免許があれば、メイクやまつエクなども施術が可能になります(※)。そのため、カットやパーマといった髪に関する施術に加え、メイクやネイル、エステなども提供して、美のトータルコーディネートを提供するお店も少なくありません。 
※メイクは美容師免許が必要ではない場合もあります

また、美容師によっては美容師免許以外にも、ネイリスト検定やエステティシャンの資格など民間資格を+αで取得し、トータルビューティーサロンで活躍しているケースもあります

たとえば、トータルビューティーサロンではエステやネイルケア、眉カットやまつエクなどの施術をしたあと、カットやパーマ、ヘアセットなどで髪を整え、最後に衣装レンタルで着付けまでおこないます。七五三や成人式、結婚式など、人生の節目に依頼するお客様も多く見られます。

こうした多様な仕事に対応できるスキルを身につけることは、自分のキャリアを広げることにもつながります。 

美容師がやりがいや楽しさを感じるとき11選

施術をする美容師の女性

美容師はスキルアップが欠かせない職業でもあり、やりがいや楽しさを感じられるかが、長期的に美容師として活躍できるかを左右するともいえます。美容師がやりがいや楽しさを感じる瞬間としては、以下のようなシーンが挙げられます。

  1. お客様から感謝されたとき
  2. お客様の人生の節目に立ち会えたとき
  3. 色々なお客様との出会いで人生に豊かさを感じたとき
  4. 流行の最先端に触れているとき
  5. 自分で考案した手法などが理想通りの仕上がりになったとき
  6. 技術力の向上を感じたとき
  7. 実力が認められたとき
  8. 努力が実り給料がアップしたとき
  9. 独立開業したとき
  10. 美容師資格を生かして別業界でも活躍できたとき
  11. SNSなどで施術方法が注目を集めたとき

1.お客様から感謝されたとき

美容師として一番のやりがいを感じるときといえば、やはりお客様の美のお手伝いをして感謝されたときではないでしょうか。
お客様にとっても、鏡の前で、美しい姿になった自分に気付くこと、要望以上の仕上がりを実現してもらえることは大きな喜びです。

特に、美容師の仕事の中心であるヘアカットでは、自分のセンスがダイレクトに出るため、自分だけの仕事ができます。自分の頑張りに対してお客様からお礼があれば、幸せで嬉しい気分になれるでしょう。

直接的な感謝がなかったとしても、もし次の予約で指名をもらえれば、満足してもらえたのだろうと判断でき、やりがいを感じられます。

2.お客様の人生の節目に立ち会えたとき

七五三や成人式など、お客様の大切な節目でヘアメイクを手掛けることも、美容師にとって大きなやりがいの一つです。
入学式、卒業式、結婚式といった人生の重要なイベントに向けて、お客様がカットやカラー、スタイリングで訪れる際には、その一日が最高の日となるようサポートします。これらの瞬間に美容技術で寄与できることは、美容師の大きな誇りです。

さらに、地域に根ざした美容院(サロン)では、親子2代で通うケースもあり、美容師が七五三から成人式に至るまで、お客様の成長とともに様々なイベントでヘアメイクを担当することがあります。長年にわたり一貫して関わることで、単なる一期一会ではなく、お客様の一生を通じて美容面でサポートすることに、深いやりがいを感じる美容師も多いでしょう。

3.色々なお客様との出会いで人生に豊かさを感じたとき

美容室や理髪店には誰もが足を運ぶものであり、美容師は普段接点がないようなお客様とも出会う機会に恵まれています。特に、美容師は施術中にじっくり話をすることも多いため、美容師をしていなければ決して知り得なかったような、意外な世界に触れることもあります

お客様との出会いを通じて、新しい知識や価値観を得られたとき、人生は豊かになり、やりがいを感じられるはずです。

4.流行の最先端に触れているとき

美容師は、ヘアスタイルやファッションなどの流行を敏感にキャッチすることが常に求められる仕事です。もともと流行を追うのが好きな人や、最新のアイテムを試すのが好きな人などは、流行の最先端に触れていると実感したときにやりがいを感じられます

また、美容院やサロンに積極的に通うのは、若い世代が多いのもポイントです。若い世代はトレンドやおしゃれに敏感で、若い世代が多く訪れるお店で働くと、流行に触れる機会も増えます。

おしゃれな人も多数目にするため、美容師としてのセンスが磨かれていきます。さらに、流行を上手に取り入れたヘアスタイルやファッションなど、引き出しが増えるのもやりがいにつながります。

5.自分で考案した手法などが理想通りの仕上がりになったとき

美容師はクリエイティブな仕事であり、技術的に難易度が高く自分にしかできないようなカット、アレンジ、カラーリングなどができることは充足感につながります

特に、既存の方法ではなく自分自身で編み出した手法や、自分で考案したヘアスタイルなどがお客様に受け入れられたとき、理想通りの仕上がりになったときなどは、強くやりがいを感じる人が多いでしょう。

6.技術力の向上を感じたとき

美容師として働くには、アシスタント時代から長い下積みが必要で、スタイリストになってからも常に技術を磨かなければなりません。
カットの技術、シャンプーやブローなどスキルアップの努力を怠らずに続けた結果、技術力の向上を感じるとやりがいにつながります

技術向上には上限がないため、お客様に喜んでもらうのを原動力に、さらにステップアップしていけるのも魅力です。特に、美容師の仕事は成果や努力が目に見えるため、お客様からの評価も得やすく、わかりやすい指標となります

また、練習だけでなく毎日の仕事でも技術力が磨かれるため、仕事が忙しく練習の時間がなかなか取れなかったとしても、徐々に技術が洗練されていくはずです。

7.実力が認められたとき

お客様からだけではなく、上司や先輩などから実力を認められるのも、やりがいにつながる大きな要素です。

たとえば、アシスタントからスタイリストに昇格したとき後輩の指導を任されたとき実力を認められて憧れの先輩の仕事の一部を任されたときなど、充足感につながります。

昇格や昇給、資格取得など、実力が認められたと目に見えるわかりやすいものがあれば、よりやりがいを感じられるのではないでしょうか。

8.努力が実り給料がアップしたとき

働いて食べていかなければならない以上、給料のアップは誰にとってもわかりやすいやりがいであり魅力です。

特に美容師は、固定給だけでなく歩合制を採用する場合が多く、指名を得るためにスキルやコミュニケーションを磨く努力をすれば、どんどん給料を上げていくことが可能です。

自分の技術やセンスがお金になるという実感が湧いたとき、あるいはほかの職業に就くよりも美容師のほうが稼げると感じたとき、大きなやりがいにつながります。

9.独立開業したとき

独立開業は、多くの美容師にとって夢でもあります。実績を積み、指名客も増えれば、独立開業は夢ではなく現実のものとなるでしょう。

独立開業すれば、お店のコンセプトや内装、料金、サービスなどすべて自分好みにできます。それまでは施術の技術やコミュニケーションなど、美容師としての手腕だけが評価対象でしたが、独立開業すれば経営手腕もお客様から評価されることになります。

自分の開いたお店が人に受け入れられたとき、雇用されて指名を受ける以上にやりがいを感じられるかもしれません。

10.美容師資格を生かして別業界でも活躍できたとき

美容師の資格によって別業界でも活躍できたとき、より多くのお客様から感謝を得られるため、やりがいを感じられます。

美容師免許があると、メイクやまつエクなど、カット以外の業務もおこなえるようになります。また、ネイリストや着付けなど、+αで資格や知識を得れば、美容に関するほかの業務にも対応できるため、幅広い活躍が可能です。

美容師は国家資格であり、取得するには専門学校などでの勉強が必要なため、ほかの職業に比べると潰しがきかないといわれることもあります。美容師からほかの業界でも活躍できれば、将来のキャリアプランの選択肢も増え、やりがいとともに安心感を得られるでしょう

11.SNSなどで施術方法が注目を集めたとき

現代ならではの美容師のやりがいといえば、SNSによる情報発信です。
最近は自分の得意な施術方法を生かし、 SNSで視聴者の悩みを解決する美容師も多くいます。SNSを通じて発信した情報が視聴者の注目を集め、また視聴者の悩みを解決するとき、やりがいを感じられます。

多くの美容師が発信するのは、自分の強みをもとにした情報です。たとえば、スタイリングを対外的に発信している美容師や、メンズ向け情報に特化した美容師などもいます。

SNSではリアルタイムで情報発信や視聴者とのやりとりができ、またフォロワー数や視聴数、広告収入といった目に見えるかたちで成果が出るため、やりがいにつながりやすいです。また、注目が集まり知名度が高まった結果、新たな仕事を獲得できるケースもあります。

美容師の仕事に向いている人

美容師が使用する道具

美容師の仕事にはさまざまなやりがいがありますが、人によって向き不向きがあります。将来、美容師として働こうか悩んでいる人に向けて、美容師の仕事に向いている人を解説します。
美容師の仕事に向いているのは、次のような人です。

  • お客様目線のコミュニケーションが取れる人
  • 美容やファッションなどの流行に敏感な人
  • 絶えずスキルアップを目指せる人
  • 体力・忍耐力に自信のある人

お客様目線のコミュニケーションが取れる人

美容師は接客業であるため、大前提としてコミュニケーション能力が必要です。
単純に人と会話ができるだけではなく、お客様目線のヒアリング・カウンセリングをおこなえる人でなくてはなりません。

また、初対面の人とでも気軽に話せることや、年の離れた人、価値観の違う人とでも笑顔で会話できる力も大切です。

コミュニケーションが苦手で話したくなさそうなお客様に対しては、察して黙々と仕事をするといった、空気を読む力も必要になってきます。お客様にあわせて、柔軟な対応や気配りができる力が求められます。

美容やファッションなどの流行に敏感な人

美容師の仕事では、常に美容やファッションのトレンドを取り入れていく姿勢が大切なため、もともと美容やファッションなどの流行に敏感な人は美容師に向いています

また、流行というだけあって、多くの人が同じヘアスタイルを希望することもあるかもしれません。
そのようなとき、ただ流行に沿ったヘアスタイルにするのではなく、どうすればお客様に似合うのか、柔軟に調整していく手腕やセンスも必要になります。 

美容師は、お客様に似合う美を提案する仕事でもあるので、自分自身が美容やファッションの手本となるくらいの気持ちでいることが理想的です。

絶えずスキルアップを目指せる人

美容師として大成するにはスキルアップが欠かせません。
何事も自分で目標を持ち、目標に向けてスキルアップを目指せる人が向いています。また、スキルを増やしていくことで、将来的な選択肢も増えます。

一方、指示されたことしかできない人は、アシスタントからスタイリスト、スタイリストからトップスタイリストとステップアップできずに苦労する可能性が考えられるので、注意が必要です。絶えず改善努力をしていく姿勢が重要になります。

体力・忍耐力に自信のある人

美容師として働くためには、体力や忍耐力といった、知識や技術以外の要素も必要です。

美容師は必然的に立ち仕事になり、お客様の身長にあわせて屈むことも多くあります。また、水仕事や薬剤の使用頻度が高いため、肌が荒れるケースもあり、定期的なケアや健康管理が必須です。

さらに、美容師は下積み時代が長い仕事でもあります。なろうと思ってすぐになれる職業ではなく、まずは国家資格を取得するために、養成施設や美容学校に通わなくてはなりません。

美容師として就職したあとも、まずはアシスタントから始まり、スタイリストになるためには平均3年が必要といわれます。美容師として第一線で活躍するためには長い時間がかかるので、下積みを耐え抜く体力と忍耐力を持つことが秘訣です。

まとめ

美容師は過酷な一面もありますが、それ以上にやりがいの多い仕事です。
技術職であり、自分のスキルがダイレクトにお客様の喜びにつながるため、美容が好きでスキルアップに積極的な人や、コミュニケーション力に長けた人であれば天職となるかもしれません。

美容師は国家資格でもあり、取得を決意してから実際に美容師として働けるまでには時間がかかります。美容師免許さえ持っていれば、メイクやまつエクなどほかの業務にも携われるため、美容師の仕事に興味があるのなら、まずは養成学校への入学を検討してみましょう。

プロフィール画像

監修者岡田 真太郎

美容師

学校法人 国際共立学園 国際理容美容専門学校 美容科 教務

国際共立学園は創立69年の伝統ある学園で、職人の技術偏重主義に決して偏ることなく、あらゆる職業を通して、豊かな人間性を併せ持った職業人育成を目指している。『夢をかなえる 人づくり』を教育のテーマに、これまでの教育実績をさらに進化させ、社会に貢献できる人材を育成している。

執筆者月置かりん