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美容師が服装で気をつけるべきポイント8選|洋服代を抑えるコツやNGの服装も一挙紹介 【美容師監修】

美容師といえば、おしゃれなイメージをもつ人の多い職業です。
中には、個性的なおしゃれがよく似合っているスタイリストもいます。

いざ美容院で働くことになった場合、どのような服装をしていけばよいのか、頭を悩ませる方もいるのではないでしょうか?

そこでこの記事では、美容師の服選びで気を付けるべき点NGなファッション安くてもおしゃれに見せるコツ服装選びに悩んだときの対処法などについてご紹介します。
初めて美容院で働くことになった方や、おしゃれが苦手な美容師の方はぜひ参考にしてください。

美容師が仕事服のファッションにこだわるべき理由

女性美容師が施術している様子

多くの美容師は、自分自身の服装に気を配り、おしゃれに見えるように努力しています。
お客様をきれいにする美容師が身ぎれいな格好をしていないと、お客様からの信頼や期待を得られにくくなる懸念があるためです。

お客様の中には「カットしてもらうならおしゃれなスタイリストに」と考えている人もいます。ファッションにこだわることは、スタイリストにとって大切な「指名」にもつながっていくのです。

おしゃれが苦手・自分に合う服が分からないといった美容師の方は、毎日の服選びに苦労するかもしれませんが、お客様からの信頼や話題の種になることもあるため、仕事の際にはファッションも意識しましょう

美容師の仕事服選びで気を付けるポイント8選

美容師にとって仕事服は単なるファッションを楽しむだけのものではなく、お客様から信頼を得るために気を配るべきものです。そのため仕事服は、自分が好きな服装であるだけでなく、仕事に適した服装である必要があります。

美容師の仕事服選びのポイントは、以下の8つです。

  1. 清潔感がある服装・見た目を意識する
  2. 動きやすい服装を心掛ける
  3. サロンの雰囲気・コンセプトマッチを考える
  4. ヘアスタイルを意識した服装にする
  5. トレンドフィットしたアイテムを身につける
  6. 汚れが目立ちにくく洗濯しやすい素材を意識する
  7. アクセサリーは施術の邪魔にならないようにする
  8. 立ち仕事なので靴選びに注意

1つずつ、詳しく解説します。

1.清潔感がある服装・見た目を意識する

仕事服として第一に意識するべきは清潔感です。
お客様はきれいになるために来店しているのですから、清潔感に欠けた美容師に施術されては、不安を感じてしまいます。

シンプルで自然な色を取り入れる

清潔感を出すためには、シンプルで自然な色味のファッションが向いています。
美容師のファッションとして人気の色は以下のとおりです。

  • :清潔感・透明感があり、同時にかっこよさを感じさせる
  • 淡色:清潔な印象を与える
  • 黒・ネイビー:落ち着きがあり、汚れが目立ちにくい

なかでも白は多くの美容師に選ばれるカラーです。汚れが目立ちやすい面もありますが、漂白すれば汚れが落ちやすいため、使い勝手の面でも優れているといえます。

ただし、サロンの雰囲気に合わない服装では、逆に浮いて見えてしまいます。店内の雰囲気や周りの従業員の服装との調和も大切にしましょう。

髭やメイク、小物使いに注意

清潔感のある服装は、どうしてもシンプルになりがちです。そのようなときは、髭や小物使いで差別化を図るのも有効です。

おしゃれの一環として、髭を生やしている人もいるでしょう。中には、帽子をかぶっている美容師もいます。もちろん勤務先で禁止されていなければどちらもOKです。
ただし、第一印象で清潔感がないと判断されるような、整えられていない髭やカラー剤で汚れた帽子などは避けましょう

また、華美すぎず服装に合ったメイクを心掛けることもポイントです。

2.動きやすい服装を心掛ける

美容師が服装を選ぶ際には、動きやすさに配慮しましょう。具体的に想定される状況と望ましい服装の条件は以下のとおりです。

  • 水やお湯を使用する作業が多いため、腕まくりをしやすい服装
  • カットやシャンプーのときに、腕周りの布がお客様の顔や頭にあたらないよう、腕から布がたるまない服装
  • 機材や器具に引っかかったり、つまずいたりしないよう歩きやすい服装(ボトムス)
  • カットした髪が靴の中に入らないよう、履き口をひもなどでしっかりと縛れる靴

とくに、アシスタントのうちは動きやすい服装にも気を配りたいものです。アシスタントは、一人のお客様だけについて接客するわけではなく複数のお客様のシャンプーやヘアカラー・店内の掃除などせわしなく動き回っています。

仕事の質を高めるためにも機能性を重視して服装を選びましょう。

3.サロンの雰囲気・コンセプトマッチを考える

美容師はオリジナリティのある服装ではなく、サロンの雰囲気などに合った服装を求められることがあります。TPOに合わせた服装を意識しなければ、お客様からの信頼も得られません。

若者ファッションの流行最先端をいくエリアにあるサロンなら、流行を押さえたファッションが求められます。下町の商店街の中にある美容室ではシンプルで飽きのこないカジュアルな服装などが支持されやすいでしょう。

なかには、客層やサロンがイメージしている雰囲気、店舗の立地などにマッチした服装で統一するために、ファッションのルールを設定しているサロンもあります。そのような場合は、ルールに従ったうえで、自分なりのおしゃれを見つける必要があります

4.ヘアスタイルを意識した服装にする

自分自身のヘアスタイルに合った服装にすることもポイントのひとつです。
ファッションは、服だけでなく靴や小物、髪型などトータルで見せるもの。バランスがとれて統一感のあるファッションは、全体的におしゃれに見えます

ここでは、女性向きのバランスを取りやすい、髪型と服装の組み合わせの例をご紹介します。

髪型

合わせやすい服装

ロングヘア

髪をまとめる

  • ガーリーファッション
  • ボーダー×ジーンズなどスタンダードなファッション
  • ハイネックやタートルネック

髪をまとめない

  • 明るい色のワンピース
  • メンズライクなファッション

ショート・ボブヘア

前髪あり

  • ノーカラーアイテム
  • ハイネックやタートルネック
  • ガーリーファッション

前髪なし

  • クールなストリートスタイル
  • カジュアルコーデ

ロングヘアの場合、髪の見た目の重さをカバーする軽やかな服装がおすすめです。

ショートやボブヘアは顔周りがすっきりする分、ハイネックやタートルネックなど重く見える服装も軽やかに着こなせます。さらに、アクセントのある服装が似合うため、ピアスや帽子など小物使いもしやすいです。

また、身長の高さや髪型によっても、全体のバランスは変わります。例えば低身長の方がロングスカートを履く場合は、ショートカットの方がバランスよく見えます。
ロングヘアの方は、まとめ髪にするとよいでしょう。

5.トレンドフィットしたアイテムを身につける

SNSや雑誌などでリサーチして、ある程度ファッションにもトレンドを取り入れたいものです。服装にトレンドを取り入れていると、ファッションに敏感なお客様は「この人なら髪型のトレンドにも詳しいに違いない」と信頼を得られる可能性も高くなります

ただし、トレンドを追いすぎて自分自身に似合っていない、仕事に支障が出る、サロンの雰囲気に合っていないといったことがあっては問題です。
美容師として無理のない範囲で、小物やカラー・デザインなどでトレンドを取り入れてみましょう。

6.汚れが目立ちにくく洗濯しやすい素材を意識する

カラーの薬剤で服が汚れるのは、美容師にとって日常的なものです。だからといって、汚れるたびに着替えている時間はありません。

汚れが目立ちにくい黒やネイビーなどを選ぶ、汚れても簡単に洗濯できる服装を選ぶなどの対策が必要です。ポリエステル製の衣服は汚れを落としやすく、美容師の服装として使い勝手が優れています。

逆にフリース素材やニット製品などは一度付いたシミが落ちにくく、仕事の際は気をつけなければなりません。

汚れが目立ちやすい服装の日などは、エプロンを着用してもよいでしょう

7.アクセサリーは施術の邪魔にならないようにする

アクセサリーでおしゃれをする場合は、施術の邪魔にならないものを選びましょう

長すぎるネックレスはシャンプーなどの際に、お客様に当たってしまう可能性があります。同様に、ごつごつした指輪やブレスレットもお客様に当たったり、髪に引っかかったりすることがあるため避けた方が無難です。

もしもアクセサリーを付けるのであれば、短くシンプルなネックレスやピアス・イヤリングなど、仕事に支障が出ないようなアイテムにしましょう。

8.立ち仕事なので靴選びに注意

基本的に立ちっぱなしの仕事である美容師は、靴選びにも気を配りましょう

一般的に、美容師が履く靴として理想的なのは、スニーカーのような歩きやすい靴です。ただし、服同様にカラー剤で汚れる心配があるため、汚れが不安なときはあらかじめ防水スプレーを塗布しておくとよいでしょう。

ヒールの高すぎる靴は長時間立ちっぱなしの仕事には不向きです。デザイン性やサロンの方向性の兼ね合いでヒールのある靴を履く必要がある際は、高さが3~5cmの低めのタイプのものを選べば、負担を抑えられます。

美容師の服装でNGなファッションとは

スタイリングを行っている男性美容師

美容師は、仕事柄身につけるべきではない服装もあります。これらは、清潔感に欠ける、仕事をするうえで不便など、デメリットの多いファッションです。

高いヒールやサンダル

おしゃれは足元からといわれるほど、靴選びは重要です。特別な事情がない限り避けたいのは、高いヒールの靴とサンダルです。

何時間も立ちっぱなしの美容師は、高いヒールの靴を履いていると疲れやすくなりますし、転倒のリスクもあります。ヒールのある靴を履くのであれば、高すぎるものは避け3センチ程度に抑えるとよいでしょう

また、選ぶ際にはピンヒールよりもヒール部分の太いもの、足首にストラップの付いているものなどを選ぶと負担が軽減されます。

サンダルは足に直接カラーの薬剤が掛かってしまったり、落ちた髪の毛が入り込んだりしがちです。何より、お客様にだらしない印象を与え、イメージダウンにつながる可能性があります。

機能性・イメージを損なわないために、高いヒールの靴とサンダルは避けましょう。

ミニスカートやショートパンツ

ミニスカートやショートパンツなど、肌の露出が多い服装は避けた方がよいでしょう。シャンプーや清掃で前かがみになる際など、下着が見えてしまう恐れがあります。
同様に、作業中に脇が見えてしまうノースリーブや胸元の開いた服装なども、避けた方が無難です。

露出度の高い服装は、エアコンで体を冷やしてしまう可能性もあります。体が冷えると、だるさを感じやすくなったり、お腹を下してしまったりと体にもよくありません。

アクセサリーのつけすぎ

アクセサリーもおしゃれに見せるアイテムの1つですが、つけすぎるのは避けましょう。華美すぎるアクセサリーは、清潔感を奪ってしまい、中には不快に感じるお客様もいらっしゃるかもしれません

ネックレスはシャンプーの際にお客様の顔にかかってしまう恐れがあるため、シンプルで長くないものを選びます。ブレスレットや指輪もお客様の髪に引っかかってしまう可能性があります。

小さな気配りですが、お客様に気持ちよく帰っていただくためにも大切です。

サロンのテイストを無視した服装

職場の雰囲気に合った服装を選ぶことも重要です。
おしゃれ・かわいいと感じる服装は、人によってさまざまです。

極端な話、モード系が好きな人もいれば、ロリータファッションが好きな人もいます。しかし美容室の多くは、一般的に受容されやすいナチュラルテイストな服装を好みます。

必ずしも、好きな服=仕事服ではないことを理解し、職場の雰囲気に合った服装を心掛けましょう

美容師が洋服代を安く抑えるためのポイント

美容師は職業柄、衣服が汚れやすい傾向にあります。そのため、買い替えやすいよう費用を抑えておしゃれに見せることも必要です。

また、常連のお客様にもいつも違う服装をしていると思ってもらえるように、バリエーションも豊富にしておきたいもの。
美容師が洋服代を抑えてもおしゃれに見せるためのポイントを3つご紹介します。

ファストファッションを取り入れる

ファッションの一部にファストファッションを取り入れると、全体の費用を抑えられます

美容師の中でも、とくにアシスタントのうちは給料もスタイリストほどもらえるわけではなく、ファッションにお金をかけられません。
ファストファッションは、比較的安価にトレンドを押さえることができる、美容師にとってのマストアイテム。またネット通販でファストファッションを取り入れてもよいですね。

全身ファストファッションで固めるのではなく、小物や服装の一部にファストファッションでトレンドを取り入れることで、多くのお客様に支持されやすいおしゃれもできるでしょう。

王道の着回しが利くアイテムを持っておく

王道の着回ししやすいアイテムを持っておくのもポイントです。

例えば黒のボトムは、比較的どのようなトップスにも合わせやすい王道アイテムです。ほかにも白やブルーなどベーシックカラーのシャツも、ボトムへイン・アウトどちらでも着られます。

さりげなく服装にアクセントを加えたいときには、小物の使用がおすすめです。主張しすぎない小物は、清潔感があり、手軽に使い回しできます。

これらの「困ったときはコレ」というアイテムをいくつか持っておくと、新たに服や小物を購入する際もそれに合わせたアイテムを購入すればよいため、何を買えばよいか悩まずに済みます。

古着のアイテムを取り入れる

少し個性を出したいときは、古着のアイテムを取り入れるとよいでしょう。

古着であれば、ほかの人とかぶることも少なく、自分らしいおしゃれを楽しめます。ヴィンテージ物は、少し値段の張るものもありますが、素材のよいものも多く長く使っていけるため、結果的にコスパのよいアイテムです。

古着といっても、古着屋にこだわる必要はありません。ほかにも、フリマアプリやフリマサイトを上手に使っておしゃれを楽しむことも可能です。

古着は、自由に個性を出せる点は非常に便利ですが、中には個性的すぎるアイテムや、サロンの雰囲気にそぐわないアイテムもあります。そのようなファッションは、プライベートで着用しましょう。

どんな洋服を買えばよいか分からない場合の対処法

シャンプーをしている美容師の女性

美容師にとって、個性を出しながらも、多くの人に好感をもってもらえるようなファッションが理想です。しかし、どのような服装がよいのか悩んでしまう方もいるのではないでしょうか。

服選びに悩んでしまった場合は、何か参考にできるものを見つけて真似すると、徐々に自分なりにアレンジできるようになります。

有名美容師のSNSアカウントをチェック

有名美容師のSNSアカウントをチェックしてみましょう。自分自身の勤務先のイメージに合う有名美容師を見つけ、フォローしましょう。さらにその有名美容師がフォローしている美容師がいれば、同様にチェックします。

最新の投稿だけでなく過去にさかのぼって見ることで、さまざまなファッションを学べますし、勤務先のイメージに近いため、すぐに真似できます

ただし、過去の投稿にはトレンドの過ぎたファッションもあるため、注意しましょう。普段使うSNSアカウントとは別に、トレンドをチェックするために専用アカウントを作っておくと便利です。

美容院のターゲット層に合わせたファッション雑誌をチェック

勤務先のターゲット層に合わせたファッション雑誌をチェックしてもよいでしょう。忙しく時間のないときは、文字を読まずにファッションをチェックするだけでもトレンドをつかめます。

近年は、電子書籍の読み放題サービスでも、多くの雑誌を見られるようになりました。大きな雑誌を広げる必要もなく、移動中やちょっとした隙間時間など好きなときにチェックできるためおすすめです。

ファッションアプリでトレンドをチェック

近年増えているファッションアプリも、参考になります。さまざまなカテゴリーに分けて検索ができるファッションアプリでは「美容師」と検索してトレンドのファッションをチェックすることも可能です。

ほかにも、手持ちの服を登録すると、AIスタイリストが着回しコーディネートを提案してくれるファッションアプリもあります。いつも同じような着こなしになってしまう人におすすめです。

まとめ

美容師は技術だけでなく、本人のファッションも集客に影響します。
そのため、清潔感がありサロンの雰囲気になじんだ服装を心掛けながらも、お客様におしゃれだと思っていただけるような個性も出していく必要があります。

アシスタントやスタイリストになりたての頃は、トップスタイリストと比べ収入も少なく、ファッションにそれほど多くの費用をかけられません。
ファストファッションや古着を取り入れる、着回しの利くアイテムを持っておくなど工夫して、おしゃれに気を配りましょう

プロフィール画像

監修者齊藤 彩子

美容師

学校法人 国際共立学園 国際理容美容専門学校 美容科学科長

国際共立学園は創立69年の伝統ある学園で、職人の技術偏重主義に決して偏ることなく、あらゆる職業を通して、豊かな人間性を併せ持った職業人育成を目指している。『夢をかなえる 人づくり』を教育のテーマに、これまでの教育実績をさらに進化させ、社会に貢献できる人材を育成している。

執筆者山本 鮎美