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ヨガインストラクターの年収はどれくらい?働き方別の給料の違い、収入を上げる方法を紹介
近年、人気のヨガ教室ですが、そのインストラクターの年収はどれくらいなのでしょうか。
この記事では、ヨガインストラクターを目指す方へ向けて、ヨガインストラクターの平均年収と働き方別の収入について解説します。さらにヨガインストラクターとしてより年収を上げる方法について紹介します。
ヨガインストラクターの平均年収は約383.8万円
厚生労働省の職業情報提供サイト(日本版O-NET)によると、ヨガインストラクター(ヨガ指導員)は、エアロビクスダンスインストラクターやスポーツクラブ指導員などと共に「スポーツインストラクター」に分類されます。
同サイトによるとヨガインストラクターを含めたスポーツインストラクター(平均年齢36.9歳)の平均年収は383.8万円(※)で、月収に換算すると約32万円です。
※引用:厚生労働省「職業情報提供サイト(スポーツインストラクター)」
なお、このデータは同省の「令和4年賃金構造基厚生労働省「職業情報提供サイト(スポーツインストラクター)」本統計調査」(※)をベースに作成されています。賃金構造基本統計調査でもヨガインストラクターは、先ほどと同様にほかの職種と共に「教育,学習支援業」 の「個人教師」に分類されます。
そのため、ヨガインストラクター単体の平均年収を正確に示すものではない点に注意が必要です。また、後ほど詳しく解説しますが、雇用形態によって年収に大きく差が出ることも考慮しながら、統計データを確認するのがおすすめです。
※引用:厚生労働省「令和4年賃金構造基本統計調査業種別主な職種早見表」
※引用:厚生労働省「令和4年賃金構造基本統計調査」
地域別の月収
地域別に見た場合、ヨガインストラクターの年収にどれだけ違いが出るのでしょうか。
これに関しても、ヨガインストラクター単独のデータではありませんが、ホットペッパービューティーワークには、ヨガインストラクターを含む「インストラクター・トレーナー」の地域別平均月給が掲載されています。このデータによる地域別のインストラクター・トレーナーの平均月収及び平均年収は以下の通りです。
地域 | 平均月収(正社員) | 引用元(※) |
---|---|---|
北海道 | 22.6万円 | |
東北 | 23.3万円 | |
関東 | 22.9万円 | |
北信越 | 23.4万円 | |
東海 | 23.1万円 | |
関西 | 23.5万円 | |
中国 | 23.1万円 | |
四国 | - | データなし |
九州・沖縄 | 23.0万円 |
※2024年4月24日時点のデータ
※随時更新されているため、最新情報は各都道府県別ページから平均データをご確認ください。
【働き方別】ヨガインストラクターの年収・給料・収入
地域別以上に収入を大きく左右するのが、正社員やアルバイト・パート、フリーランスといった働き方の違いです。そこで以下では、働き方別にヨガインストラクターの収入を紹介します。
正社員の場合
先述の通り、厚生労働省の「令和4年賃金構造基本統計調査」では、ヨガインストラクターは「個人教師」に分類されます。この調査によると企業規模10人以上の場合、「個人教師」の「きまって支給する現金給与額」は月26万8,800円で、年収に換算すると約323万円です。これは、基本給以外に職務手当や通勤手当などの各種手当、残業代を含めた金額です。また、所得税や社会保険料などを控除する前の金額であり、手取り額ではありません。
正社員として働く魅力は、収入や身分が安定しやすいことが挙げられます。正社員にはボーナスが支給されるケースも多く、その場合にはより高い年収を得られます。
なお、「令和4年賃金構造基本統計調査」によると、企業規模10人以上の場合、「個人教師」のボーナス(年間賞与その他特別給与額)は37万500円です。さらに正社員なら勤続年数や年齢、キャリアを重ねるにつれて、若い世代の育成やマネジメントなどを任されることで、昇給する可能性が高いです。
※引用:厚生労働省「令和4年賃金構造基本統計調査」
※引用:厚生労働省「令和4年賃金構造基本統計調査(Excelファイル「職種(小分類)、性別きまって支給する現金給与額、所定内給与額及び年間賞与その他特別給与額(産業計)(役職者を除く)」)」
アルバイト・パートの場合
厚生労働省の「令和4年賃金構造基本統計調査」によると、企業規模10人以上の企業で「個人教師」としてアルバイト・パートをしている方(短時間労働者)の平均時給(1時間当たり所定内給与額)は1,558円です。
同調査によると1カ月の「実労働日数」は10.1日、「1日当たり所定内実労働時間数」は3.6時間のため、「1,558円×3.6時間×10.1日×12カ月」で、年収に換算すると約68万円になります。
※引用:厚生労働省「令和4年賃金構造基本統計調査」
※引用:厚生労働省「令和4年賃金構造基本統計調査(Excelファイル「短時間労働者の職種(小分類)別1時間当たり所定内給与額及び年間賞与その他特別給与額(産業計)」)」
個人レッスン・フリーランス(業務委託)の場合
独立してフリーランスとしてヨガインストラクターの業務委託を受ける場合は、1レッスンごとに報酬をもらう形になります。
業務委託の場合の大まかな相場は、1レッスン(60分)当たり3,000~5,000円です。
仮に単価5,000円で個人レッスンを1日3回行った場合、日収は1万5,000円、月に20日稼働したとすると月収は30万円で、年収に換算すると360万円になります。
ただし、仕事内容によっては交通費などの諸経費が含まれないケースもあるので、経費分を差し引くと実収入よりも低くなる点に注意が必要です。
またはヨガインストラクターとして人気となり、個人でスタジオを開いた場合には、自身のレッスン単価を業務委託時よりも高めに設定できます。もちろん、スタジオの賃料など経費も増えますが、自分以外にもインストラクターを雇うなどして集客し、稼働日数や時間を増やしていけば、収入を大きく上げることも可能です。
ヨガインストラクターとしてより年収を上げる5つの方法
ここでは、ヨガインストラクターとしてより年収を上げる方法を紹介します。
- 個人または少人数に対してプライベートレッスンを行う
- 派遣インストラクターとして活動する
- スタジオを開業する
- 親和性の高い分野で副業を行う
- 資格を取得してスキルアップを目指す
1.個人または少人数に対してプライベートレッスンを行う
収入を増やす第一の方法は、スタジオでのグループレッスンのほかに、特定の個人または少人数に向けたプライベートレッスンを行うことです。
プライベートレッスンでは、スタジオやお客さまの自宅などで、生徒一人一人のニーズに合わせて丁寧に指導を行います。こうした個別指導に対する需要は近年増えており、生徒が自身の友人や知人を新たな生徒として紹介することで、新規顧客獲得につながるケースも少なくありません。
2.派遣インストラクターとして活動する
地方自治体などが主催する出張講座に、外部講師として参加するのも一つの方法です。
昨今、講師の派遣事業が盛んになっているため、自分自身で仕事を探さなくても、実力があれば仲介業者から紹介してもらえます。大まかな報酬相場は、1回当たり1万~2万円程度です。
個人で直接依頼を受ける場合は、全額を自分の報酬にできる一方で、受付や経理業務などの煩雑な事務作業も自分だけで行わなければなりません。そのため、資金状況に余裕が出てきたらスタッフを雇い、自分は講師の仕事に専念できる体制を整えるのがおすすめです。
3.スタジオを開業する
先にも触れた通り、大きく収入を上げるために独立して自分でスタジオを開業することも検討の価値があります。
自分のスタジオを持てば、料金体系はもちろん、指導方針やコンセプトなども自由に決められるので、大きなやりがいを感じることにもつながります。その一方、スタジオを開業するとなると、開業場所の選定やスタッフの採用、マーケティングなど、経営者としての知識や手腕が問われます。
4.親和性の高い分野で副業を行う
ヨガを直接教える以外に、その知識を生かした副業活動をするのも有効な手段です。
具体的には、SNSでの情報発信やヨガに関するWeb記事の執筆などが挙げられます。Webライティングの場合、専門メディアなどで執筆することで、月数万円程度の収入が見込めます。ライティングのスキル次第では記事単価が上がる可能性もあります。記事執筆などを通して知名度が上がれば、本業に良い影響が出ることも期待できます。
5.資格を取得してスキルアップを目指す
収入アップを実現するには、ヨガインストラクターとしての知識やスキルを地道に磨き続けることも欠かせません。
例えば、近年ではホットヨガ、パワーヨガ、シニアヨガ、キッズヨガ、マタニティヨガなど、特定のニーズや顧客層を対象にしたレッスンも増えています。こうした多様なニーズに対応できるようにすることは、集客面でも大いに有効です。
また、ヨガインストラクターとして活動するために資格は必須ではありませんが、国内外で認知された資格を取得することで、自分が確かな指導スキルを持っていることをお客さまへアピールできます。ヨガに関する資格が取得できる主な団体は以下の通りです。
- 全米ヨガアライアンス協会
- 一般社団法人日本ヨガインストラクター協会 (JYIA)
- 一般社団法人全日本ヨガ連盟 (AJYA)
- 一般社団法人国際ボディメンテナンス協会 (IBMA)
ヨガインストラクターで年収1,000万は越えられる?
ここまで紹介したように、ヨガインストラクターとして年収を上げる方法はいくつかあります。
しかし、年収1,000万円以上を目指すとなると、独立して個人経営するのが主な道筋です。自分でスタジオを開業して運営することは大きな挑戦ですが、ビジネスが軌道に乗れば、収入の上限はなくなり、年収1,000万円を超えることも夢ではありません。
ただし、スタジオ経営に成功するには、単にヨガの指導スキルが高いだけでなく、経営戦略やマーケティング、顧客サービス、人材マネジメントなど、経営者としての多角的な手腕も求められます。
そのため、年収1,000万円を稼ぐヨガインストラクターになるためには、ヨガ以外の知識やスキルも磨いていくことが重要です。
まとめ
ヨガインストラクターの平均年収は約383.8万円ですが、正社員・アルバイト・フリーランスなど、働き方によって年収は大きく変わります。
そしてヨガインストラクターはプライベートレッスンや副業など、働き方を工夫することで年収を上げることが可能です。特に年収1,000万円以上稼ぐヨガインストラクターを目標にする場合は、ヨガ以外に経営者としての知識やスキルを学び、スタジオ開業を目指しましょう。
監修者:長岡智津子
ヨガスタジオ経営者
Feel株式会社(代表取締役)
日本体育大学を卒業後国立競技場トレーニングルーム勤務し、2017年「Feel株式会社」設立。
35年以上健康に携わる指導(健康増進体操・ソシアルダンス・ポールウォーキングなど)を1週間に200人以上指導。
楽しく・美しく体を動かすことをモットーに性別・年齢を問わず、多くのメニューで心身の健康増進と生きがいづくりのプログラムを提供。