公開日:
ヨガインストラクターになるには資格は必要?知っておきたい仕事内容や働き方も解説【専門家監修】
ヨガスタジオや自宅でヨガを経験するなかでヨガインストラクターという職種に憧れを持つ方は多いのではないでしょうか。
この記事では、実際にヨガインストラクターを目指すにあたり、知っておきたい未経験からの道筋や資格取得の必要性、仕事の内容や給料・年収などをメリット、デメリットもあわせて解説します。
ヨガインストラクターになるには?資格は必要?
「ヨガや体を動かすことが好き」
「体も心も健やかでいられる心地よい習慣を周りの人にも伝えたい」
健康への意識が高まる今、ヨガインストラクターに興味を持つ方が増えてきました。
では実際にヨガインストラクターの職種に就くにはどんな手順や経験が必要なのでしょうか。まずは最初に知っておきたいヨガインストラクターの資格について解説していきます。
そもそもヨガインストラクターとは?
ヨガインストラクターとは、ヨガのレッスンを通してヨガのポーズや呼吸法などをレクチャーする仕事です。レッスンは主にヨガスタジオやスポーツジム、オンライン上などで行います。生徒さんのレベルに沿ってレッスンの内容を企画することもヨガインストラクターの仕事です。
実はヨガインストラクターに資格取得は必須ではない
ヨガインストラクターになるために資格取得は必須ではありません。国内外の団体が認定する民間資格がありますが、レッスンでの経験や実績に基づいて安全にヨガを指導できる場合は、資格を持たない状態からでもヨガインストラクターになることができます。
資格を取得するメリットは?
必須ではないものの、資格取得をおすすめします。ヨガの知識や技術など、一定のスキルを証明できることは就職の大きなメリットになります。また、生徒からの信頼を得られることも大切です。これからヨガインストラクターを目指すなら資格取得を検討してみてください。
ヨガインストラクターのおすすめ資格4選|それぞれの取得方法も解説
現在国内で取得できる代表的な4つの資格を、団体ごとにご紹介します。
資格によって必要な期間や費用、付随するオプションも様々。取得方法は、スクールに通学して対面指導を受けるパターンが主流ですが、通学時間をカットして働きながら取得しやすい通信講座が用意された資格もあります。理想の将来像や生活スタイルに合わせて、自分に合う資格を選んでください。
1.NPO法人日本ヨガ連盟
NPO法人日本ヨガ連盟認定「日本ヨガ連盟認定ヨガインストラクター」は、ヨガの知識や技術にプラスして、高齢化社会への対応など講師の活動の場を広げることにもフォーカスした資格です。養成講座終了後、資格取得試験を経て認定されます。養成講座にはマタニティ、ハンディサポート、メンタルヘルスサポートなど幅広いオプションが用意され、それらの学びの経験も認定資格に付与されます。
- 認定資格の一例:日本ヨガ連盟認定ヨガインストラクター
- 取得方法:ヨガインストクター養成講座を受講後、取得試験に合格
2.全日本ヨガ協会(AJYA)
「AJYA認定ヨガインストラクター3級マスター」は、座学と実技の基本の習得を認定する資格です。体系的な知識に留まらず、豊かなセンス、作り上げる力を育むことが重視されています。同協会に認定されたスクールや教室でヨガインストラクターを担当できる2級アドバンス、独立開業や「全米ヨガアライアンス認定RYT200」取得を可能にする1級シニアなど、段階的な資格が用意されています。
- 認定資格の一例:AJYA認定ヨガインストラクター3級マスター
- 取得方法:資格認定カリキュラム終了後、認定試験に合格
3.一般社団法人日本ヨガインストラクター協会(JYIA)
「JYIA資格養成マスター(3級)+アドバンス(2級)」など、資格取得の拠点が全国に展開されています。初心者からプロへの転身を2週間で可能にする短期集中コースや、解剖学への理解の向上など、学びたい分野に特化したカリキュラムを選ぶことができます。協会内でのオーディションから正社員、フリーインストラクターとして働くためのバックアップを得られるシステムもあります。
- 認定資格の一例:JYIA資格養成マスター(3級)&アドバンス(2級)
- 取得方法:スタジオでの対面受講を終了(オンライン併用可)
4.全米ヨガアライアンス
「全米ヨガアライアンス認定RYT(Registered Yoga Teacher:登録ヨガティーチャー)200」は1990年代に設立された世界最大規模のヨガ団体が認定する国際資格です。国外団体だけに過去には相応のハードルを持つ資格でしたが、現在は国内でトレーニングを行える認定校やオンラインで受講できるプログラムが増えてチャレンジしやすい環境になりました。資格の知名度はもちろん、国外に活動の場を広げられる可能性も魅力です。
- 認定資格の一例:全米ヨガアライアンス認定RYT200
- 取得方法:協会認定スクールでプログラムを終了
ヨガインストラクターの働き方のスタイル
ヨガインストラクターの働き方として、スタジオに雇用されて働くパターンと、フリーランスとして教室を持ち働くパターンがあります。どちらの働き方にも一長一短ありますので、個性を活かしながら柔軟にキャリアを築いていけるとよいでしょう。それぞれの働き方の特徴を解説していきます。
ヨガスタジオに正社員・パートとして雇用される
ヨガスタジオやフィットネスジムに雇用される働き方は、一定の給与、時給を見込めて生活に安定感が得られます。先輩講師のアドバイスが間近にあることもメリットです。レッスンのスタイルや人間関係の相性を不安に感じる場合は、実際に生徒としてクラスに参加してみるなど事前にリサーチしておくとよいでしょう。
収入の変動が不安、先輩や同僚とのコミュニケーションを大切にしたい人は正社員・パートで働きはじめることをおすすめします。
フリーランスのヨガインストラクターとして働く
フリーランスとしての働き方は、自分のリズムでヨガを伝えることができるのが大きな特徴の一つです。ヨガスタジオからの業務委託、自宅やオンラインでのレッスンなど指導する環境も選べます。活動の自由度が高い一方、個人の実力が問われます。技術や知識はもちろん生徒さんからの信頼を高める努力も大切です。
伝えたいヨガのスタイルが定まっている、自分の個性を追求したい人はフリーランスとして働きはじめることをおすすめします。
ヨガインストラクターの給与・年収はどれくらい?
ヨガインストラクターの平均月収や平均年収はどれくらいなのでしょうか。正社員、フリーランス、それぞれの働き方を比較して解説します。
正社員の場合の給与相場
インストラクター全般の正社員の平均年収は、約353万円、月収は約29万円(※)とされているようです。ヨガインストラクターの給与もおおむね同じくらいだと考えられます。
また、勤務先の地域や経験により開きがある職種です。
※引用:求人ボックス給料ナビ「インストラクターの仕事の平均年収は353万円/平均時給は1,095円!給料ナビで詳しく紹介」
フリーランスの場合の給与相場
レッスンを委託される場合、1コマ60〜90分で3,000〜5,000円が相場です。1日に2コマ行えば、月に約20万円の収入が見込めます。複数のヨガスタジオを掛け持ちする、独自のレッスンを企画して主催するなど、受け持つレッスンの数を増やしていけば収入を高めていくことができます。
ヨガインストラクターの具体的な仕事内容は?
レッスンの時間以外にカリキュラムの制作やフロント業務、清掃などの雑務を行うのもヨガインストラクターの仕事です。ここではインストラクターの仕事内容の一部を紹介します。
ヨガのレッスン、カウンセリング
レッスンを行うには、参加する生徒の経験や年齢層に対応するカリキュラムの制作が必要です。正しいポーズで導くことはもちろんですが、ポーズの修正やカウンセリングなど、生徒一人ひとりへの細やかな配慮、丁寧な対話を行なっていきます。
フロント業務、メンテナンスなど雑務
心地よく清らかなレッスン環境を保つため、スタジオ内の清掃や備品の管理など日々のメンテナンスは大切な業務です。ヨガスタジオに勤務する場合は、レッスンの間の時間にフロント対応や物販業務、事務作業などの雑務を担当することもあります。
ヨガインストラクターの魅力ややりがいは?
資格や働き方について、給与や仕事の内容について紹介してきましたが、ヨガインストラクターのやりがいについても考えてみましょう。ヨガインストラクターの魅力6つを紹介します。
1. 生徒の笑顔や感謝に触れられる
生徒の目標に寄り添い、たくさんの笑顔を感じることができます。健康的に穏やかな心を育む、ヨガインストラクターは日々「ありがとう」の言葉に出会える職種です。同じ呼吸のもと、共有する感謝の心はかけがえのないエッセンスになります。
2. 向上心を保って充実感を得られる
奥深い歴史を持つヨガの文化には、日々の向上心をサポートする充実感が溢れています。ヨガに魅了されてヨガインストラクターになったなら、レッスンの場はもちろん日常の暮らしのなかでも心地よくヨガの探求、実践を続けていけるでしょう。
3. 大好きなヨガの魅力を伝えられる
様々な生徒さんと接していくなかで、インストラクター自身の想いは世の中に伝達されていきます。大切に積み重ねた経験は唯一無二のもの。大好きなことを大好きだと伝え続けられる、そんなやりがいはなかなか見つけられるものではありません。
4. レベルに見合った収入が得られる
ヨガを伝えるスキル、実践者としてのスキルの向上と相対して収入アップが望めます。ヨガインストラクターは日々、生徒さんのリアクションを通して現状のレベルを実感でき、自分にとってバランスの取れた環境を主体的に選んでいくことができます。
5. ライフスタイルに応じて続けられる
幅広い世代や地域に求められるヨガインストラクターは、人生の様々なステージに柔軟に対応できます。結婚、転居、出産など、変化を続けるライフスタイルでキャリアチェンジを経たとしても、過去の経験を生かして働き続けることができます。
6. ヨガへの需要が広がり将来性が高い
精神の安定、内面の充実や変化など、ヨガへの需要は知識や思想の面にも広がっています。
2023年に行われた民間のリサーチの推計では、年に1回以上ヨガを行う日本のヨガ人口は約1100万人です(※)。ヨガインストラクターは将来にも広く求められます。
※引用:CLASSY「6月21日は国際ヨガデー。日本人のヨガ動向の最新調査結果発表! 日本のヨガ人口(年1回以上)は1,100万人でジョギングを上回る勢い!国民の10人に1人がヨガ実践者」
ヨガインストラクターに向いている人は、成長に喜びを感じられる人
ヨガインストラクターは資格なしでも働ける職業ですが、民間資格の取得をおすすめします。資格取得に向き合って身につけられる知識と技術は、就職やその後のキャリアを支えてくれる大切なエッセンスです。
ここで紹介した4つの団体が認定する民間資格をはじめ、目指したいヨガのスタイルに合わせて様々な資格を選ぶことが大切です。オンラインを併用するなど、限られた時間のなかで効率的に取り組める資格もあります。
正社員やパートとして、フリーランスとして、ヨガインストラクターは自分にあった働き方を選べる職業です。ヨガスタジオやジムをはじめ活動のシーンも幅広く、自分自身の個性を生かしたカリキュラムを制作できます。
生徒の成長、自分の成長を日々感じられる喜びを想像してみてください。好きなことを仕事にする、憧れの世界に一歩踏み込む、資格を強みにすればなおさら、そのモチベーションに応える働き方がきっと見つかります。
監修者:長岡智津子
ヨガスタジオ経営者
Feel株式会社(代表取締役)
日本体育大学を卒業後国立競技場トレーニングルーム勤務し、2017年「Feel株式会社」設立。
35年以上健康に携わる指導(健康増進体操・ソシアルダンス・ポールウォーキングなど)を1週間に200人以上指導。
楽しく・美しく体を動かすことをモットーに性別・年齢を問わず、多くのメニューで心身の健康増進と生きがいづくりのプログラムを提供。