公開日:
エステティシャンに適したメイクは?好印象な見た目の作り方
エステティシャンという仕事に携わる方にとって、外見の美しさに磨きをかけることはとても大切です。特に、メイクは外見の印象を大きく左右するため、エステティシャンにふさわしいメイク法について知ることは重要です。
この記事では、エステティシャンにふさわしいメイクのポイントと実際のメイクアップ方法、化粧品の選び方を解説します。
好印象を与える素敵なメイクで、お客様の憧れとなる存在を目指しましょう。
エステティシャンに適したメイクとは?
エステティシャンにとって、プロフェッショナルな雰囲気を演出するためのメイクはとても重要です。適切なメイクは、仕事に対するプロ意識をお客様に示すことにもつながるため、信頼を得ることやサロン全体のブランドイメージの向上に結びつきます。
「この人のようになりたい」とお客様が目標としてくれる存在になるために、以下の3つのポイントを押さえたメイクを意識しましょう。
清潔感や素肌感がある
エステティシャンは、清潔感や素肌感がある自然なメイクが望ましいとされています。ナチュラル感のあるメイクなら「素肌がきれい」といった印象を与えられるため、サロンの商品やサービスに説得力が生まれるはずです。
「きれいな肌になりたい」という思いを持って来店してくれるお客様に対して、エステティシャンの肌を身近な目標としてもらえれば、次回の来店のモチベーションにつながりやすくなります。清潔感のあるメイクは、多くの人に好かれやすいのもポイントです。
逆に、厚塗り感があるメイクや派手な色を使ったポイントメイクなど、不自然に見えるメイクは望ましくありません。肌悩みをうまくカバーしつつ、自然に美しく見えること、知的で上品な印象を与えるメイクを意識することが大切です。
汗などで崩れにくい
エステティシャンの仕事は、カウンセリングや施術などに長時間の時間を要することが多く、お客様対応中はメイク直しの時間が取れません。そのため、時間が経っても崩れにくいメイクを意識しましょう。施術内容によっては、スチームを浴びたり汗をかいたりすることもあるので、化粧品は崩れにくいタイプを選んでおくと安心です。
化粧下地は化粧崩れ防止効果のあるもの、アイライナーやマスカラなどはウォータープルーフタイプがおすすめです。アイプチやつけまつ毛など、汗や蒸気で取れやすいメイクは避けるようにしましょう。また、化粧崩れ防止には、仕上げ用フェイスパウダーの使用も効果的です。
サロンの雰囲気に合っている
勤務先のサロンの雰囲気に合わせたメイクをすることも重要です。サロンのイメージに合うメイクをしていれば、統一感が出てよりプロフェッショナルな雰囲気を演出できます。サロンのコンセプトや、提供しているサービスや商品などによって、メイクの指定がある場合もあります。どのようなメイクを求められるのか、あらかじめチェックしておきましょう。
フェイシャルエステが中心のサロン
フェイシャルエステサロンでは、特に素肌の美しさを強調するメイクが理想的です。ベースメイクでは、くすみやシミを自然にカバーしながら、肌のトーンを整えて色ツヤ良く仕上げるようにしましょう。
まつ毛エクステも行っているサロンなら、メニューにあわせてエクステの魅力が際立つようなアイメイクにポイントを置くのもいいかもしれません。例えば、クリアマスカラでツヤをプラスしたり、あえてアイラインを控えめにしたりなどして、エクステの美しい仕上がりを際立たせることで、サロンで提供しているメニューをさりげなくアピールできます。
ボディトリートメントが中心のサロン
ボディトリートメントが中心になっているサロンでは、室温を高めに設定して施術を行なうこともあります。高めの室温環境で崩れにくいメイクを作るには、ベースメイクを厚塗りしないのがポイントです。化粧崩れ防止効果のある化粧下地や、ファンデーションの密着度を高めるフェイスパウダーなどの使用がおすすめです。
リラクゼーション目的のサロンの場合、濃いメイクはサロンの雰囲気に合わない可能性があります。きちんとしたフルメイクをする場合でも、ナチュラルな仕上がりを意識すれば、リラックス感のある空間との統一感が生まれます。
脱毛専門のサロン
脱毛専門サロンでは、特に清潔感を意識したメイクが好まれます。ベースメイクは毛穴カバー下地を使い、毛穴の凸凹を自然に隠しながらつるんとした陶器肌に仕上げるのが理想です。ハイライトやシェーディングを入れるなどして、立体的かつ健康的な肌を目指し、眉は元の眉毛の自然な毛流れを活かしながら、足りないところを描き足して自然に整えるようにしましょう。
【エステティシャンのメイク術1】ベースメイク
エステティシャンとして働き始めたばかりの方や、これから採用面接に臨むという方に向けて、具体的なテクニックを紹介します。ステップごとに詳しく解説するので、さっそく実践してみましょう。特にベースメイクはエステティシャンに求められる素肌感を演出するのに重要なポイントなので、しっかり作り込むことが大切です。
1. スキンケアをしっかり行う
メイクをする前は、スキンケアを念入りに行うことが大切です。スキンケアの工程で保湿化粧水を使い肌をしっかりうるおいで満たし、日中の乾燥崩れを防止しましょう。
化粧水を塗ったあとは、水分が逃げないように乳液で蓋をすることも忘れないようにしましょう。肌の表面の余分な油分は、軽くティッシュで押さえるようにして取り除きます。
皮脂崩れをしやすいタイプの方は、スキンケアの仕上げに収れん化粧水を使うことで、肌を引き締めつつベタつきを防止できます。
2. 日焼け止めを塗る
一日中サロンで過ごすことが多いエステティシャンですが、紫外線は窓ガラス越しでも侵入してきます。そのため、日焼け止めも忘れずに塗るようにしましょう。室内で過ごす日も日焼け止めを塗っておくことで紫外線ダメージから肌を保護できます。日焼け止め指数は、それほど高いものは必要ありません。PA++、SPF20程度のもので十分です。
3. 化粧下地で肌を整える
化粧下地は、肌悩みを自然にカバーするのに欠かせないアイテムです。脂性肌で化粧崩れが気になる方は、皮脂吸着成分配合など化粧崩れ防止効果のあるものを選ぶようにしましょう。乾燥肌の方は、セラミドやコラーゲンなどが配合された保湿効果のあるものがおすすめです。
4. ファンデーションを塗る
ファンデーションは、基本的には脂性肌ならパウダー、乾燥肌ならリキッドタイプを選ぶのがおすすめです。しっかり作り込みたいときは、カバー力が高いクリームタイプを選びましょう。ファンデーションを塗る際は、薄付きを意識するのがポイントです。
顔の中心から外側に向かってファンデーションを伸ばし、フェイスラインは薄く仕上げてください。リキッドファンデーションはパフを使って伸ばすことで、余分な油分を吸収してくれます。パフを使う際に、軽くたたき込むようにして伸ばすと、肌との密着が高まって崩れにくくなります。
なお、パウダーファンデーションを使用する際、ブラシで塗ると厚塗りを回避できるため、より自然に仕上がります。
5. フェイスパウダーで仕上げる
リキッドファンデーションやクリームファンデーションの仕上げには、フェイスパウダーを使います。フェイスパウダーには、ベタつく油分を吸収してさらさらな肌をキープする効果があります。テカリやメイク崩れを防止できるので、長時間メイク直しができないエステティシャンはぜひ取り入れるようにしましょう。
フェイスパウダーには、粉タイプのルースパウダーと、固形タイプのプレストパウダーの2種類があります。ふんわりとした軽い仕上がりが好みならルースパウダー、カバー力を求めるならプレストパウダーがおすすめです。
【エステティシャンのメイク術2】ポイントメイク
次に、アイメイクやアイブロウ、チーク、リップなどのポイントメイク術を紹介します。ポイントメイクの場合も、崩れにくく自然に美しく見えることを意識することが大切です。お客様からの信頼がアップするメイクを目指しましょう。
アイメイク
アイメイクを崩れにくくするためにコットンや綿棒でまぶたの油分を取り除きます。次に、まぶたにアイシャドウベースを塗ります。アイシャドウは、エステティシャンにふさわしい清潔感を保ちながら自然に目力をアップできるベージュ系が無難です。一度に塗ろうとせず、少しずつ薄く塗り重ねることで色ムラを防げます。
アイラインは、ペンシルとリキッドの2種類のアイライナーを使い分け、自然に目力をアップするのがコツです。まずペンシルライナーでまつ毛の隙間を埋め、次にリキッドライナーで目尻のラインを自然に引きます。エステティシャンとして自然な清潔感を出すために、跳ね上げや太すぎるアイラインは避けましょう。
アイメイクが完成したら、崩れ防止にひと手間かけるのがおすすめです。二重のラインを綿棒で軽くなぞって、余分な油分やアイシャドウを拭きとります。次に、まぶたの中心にフェイスパウダーを軽くのせたら完成です。マスカラは、これらの工程がすべて終わったあとで塗ります。
アイブロウ
眉メイクを始める前に、まず眉毛やその周りについている油分をきれいなスポンジで拭い、フェイスパウダーを薄くなじませます。眉マスカラを塗ったあと、ペンシルで眉毛をふんわり描いていくときれいに仕上がります。
眉毛が薄い方は、眉マスカラとペンシルの間に淡い色味のアイブロウパウダーを使いましょう。眉毛を描くときは、細すぎ・太すぎにならないよう注意します。眉山をしっかり作り、アーチ眉に仕上げれば知的な雰囲気を演出できます。
チーク
チークには、パウダー・クリーム・リキッドの3種類があります。チーク初心者なら、なじませやすく色味を調整しやすいパウダーチークがおすすめです。ツヤ感のあるクリームチークを選べば、血色感だけでなく肌のツヤもアップできます。リキッドチークは、みずみずしく透明感のある仕上がりが特徴です。
チークを塗るときは、素肌感を出すために厚塗りを避けるのがポイントです。クリームやリキッドタイプのチークを使う場合は、ベースメイクのフェイスパウダーを使う前に塗ります。
リップ
リップは顔の印象を大きく左右するので、色選びが重要です。
エステティシャンとして、サロンの場にふさわしい派手すぎない色を選ぶのがポイントです。肌なじみの良いピンクベージュやコーラルなど、自然な色でさりげなく血色感をプラスしましょう。自分のパーソナルカラ―を把握しているなら、ブルーベース・イエローベースなど、ベースとなる肌色に似合う色から選ぶと違和感なく仕上がります。
落ちにくいリップの塗り方には、少しのコツが必要です。まず、保湿力のあるリップクリームで下地を作り、リップライナーで唇全体を塗りつぶします。次にリップを唇に塗り、ティッシュで軽く押さえてオフします。最後にもう一度リップを重ねたら完成です。ぜひ、実践してみてください。
素肌感を演出!肌悩みの上手なカバーテクニック
肌トラブルがあり、素肌をきれいに見せるのが難しい場合もメイクである程度カバーできます。肌の悩みをカバーするためのメイクテクニックも覚えておきましょう。
毛穴の開き:部分用下地を取り入れる
毛穴の開きが目立つ場合は、補正効果のある化粧下地を使って肌の凸凹をカバーし、なめらかに仕上げましょう。小鼻やTゾーンなど、毛穴が気になるところにポイント使いするのがおすすめです。肌のトラブルを隠そうとファンデーションを厚く塗ってしまうと、かえって毛穴が目立ちやすくなってしまうので、薄く伸ばすよう意識しましょう。
毛穴悩みは、カバーすることだけにこだわらず、スキンケアを見直すことも大切です。1日の終わりには、どんなに疲れていても必ずメイクを落としましょう。クレンジングの前、肌に蒸しタオルを当てて毛穴を開くと詰まった汚れが落ちやすくなります。
赤み・くすみ:コントロールカラーを仕込む
コントロールカラーは、色を使うことで肌悩みをカバーするベースメイクアイテムです。たとえば、肌の赤みが気になる方は、反対色のグリーンのコントロールカラーを使えば赤みを抑えられます。黄ぐすみが気になる方には、透明感をプラスするパープルがおすすめです。
赤みとくすみの両方が気になる場合、肌を明るく見せつつ透明感を引き出せるイエローのコントロールカラーを部分使いすると効果的です。コントロールカラーは、日焼け止めや化粧下地を塗ったあと、ファンデーションの前に使用します。コントロールカラーで肌悩みをカバーしておくと、そのあとに塗るファンデーションの厚塗りを避けられます。
目の下のクマ:コンシーラーで自然にカバー
目の下のクマは、ファンデーションを重ねるよりもコンシーラーでカバーした方が自然です。
血行不良が原因の青クマをカバーしたい場合はオレンジ系、色素沈着が原因の茶クマをカバーしたいときはイエロー系のコンシーラーを選びましょう。
コンシーラーを塗るときは、まず一番クマが濃い黒目の下あたりにコンシーラーをのせ、周囲をぽんぽんと指でぼかしていきます。スポンジやコンシーラーブラシを使ってなじませる方法もあります。目の下全体に塗ると厚ぼったくなってしまうため、なるべくグラデーションを作るように自然に伸ばすのがポイントです。
目の際にコンシーラーが溜まらないよう、上下まぶたのどちらも目の際は避けて伸ばしましょう。また、コンシーラーを目頭側から目尻側に向かって伸ばすと、自然な仕上がりになりヨレを防ぐことにもつながります。目尻側から塗ると、クマが濃くない部分が厚塗りになってしまいます。
ニキビ・吹き出物:お助けアイテムをフル活用
ニキビやニキビ跡が気になるときは、コンシーラーやコントロールカラー、化粧下地をうまく使うと目立たなくなります。ニキビの赤みが気になるなら、グリーン系やイエロー系のコントロールカラーやコンシーラーで部分的にカバーしましょう。補色となる色で肌色を均一に整えると、自然にカバーできるため、お肌の赤みが気にならなくなります。
ニキビ跡の凸凹をカバーしたいなら、質感補正タイプの化粧下地を薄く伸ばしてみてください。光を散乱させるソフトフォーカスパウダーなどの粉体が含まれたものなら、肌の凸凹も自然にカバーできます。
ファンデーションは、油分の少ないパウダータイプがおすすめです。刺激を避けるため、肌をこすらず、やさしく押さえるようにして塗布します。ファンデーションでカバーしきれない部分は、コンシーラーをポイント使いして赤みや凸凹をカバーします。
メイクが崩れる:仕上げにフィクサーを追加
勤務中にどうしてもメイクが崩れてしまうといった悩みには、メイクの持ちを良くするフィクサー(メイクキープミスト)を使うのがおすすめです。フィクサーは、メイクを肌に定着させ、保湿効果によって皮脂が過剰に分泌されるのを防ぐ効果があります。フィクサーは、メイクの仕上げで顔全体に吹きかけて使用します。顔から15cmほど離して、円を描くようにスプレーするのがポイントです。
スプレーしたあとは、フィクサーが肌に定着するまで肌に触れないようにしましょう。メイクの仕上げとして使うほか、フィクサーをベースメイクの前に使う手もあります。スキンケアのあと、化粧下地の前に仕込むことでファンデーションの密着度が上がります。顔に直接スプレーするのが苦手な人は、スポンジやブラシなどに吹きかけて使用することも可能です。
エステティシャンにふさわしい化粧品の選び方は?
エステティシャンが仕事用の化粧品を選ぶ際、意識すべきポイントのひとつとして、自分の肌質に合っていることが挙げられます。エステティシャンは勤務時間の長さからメイクした状態で過ごす時間も長くなりがちです。自分の肌質に合ったアイテムを選んでいれば、肌への負担を低減できます。こまめに化粧直しができない場合を想定して、ウォータープルーフやティントなど、崩れにくいアイテムを選ぶことも大切です。
また、年齢によっても化粧品選びのポイントは変わります。年齢が上がることでこれまでとは違う肌悩みが出てきたら、肌悩みをカバーできるアイテムやエイジングケアの化粧品を選ぶのがおすすめです。さらに、お客様との距離が近いエステティシャンは、化粧品の香りに対する配慮も必要です。化粧品の香りが気になってリラックスできないお客様もいるため、香りの強いアイテムは避けるようにしましょう。
まとめ
エステティシャンの仕事は、お客様の美を引き出すお手伝いをすることです。美容のプロとして「素肌がきれい」といった印象をお客様に与えられれば、信頼感を得られます。お客様の美をサポートするのはもちろん、好感度の高いナチュラルなメイクで自分の美を追求することも大切です。
素肌感のあるメイクは、エステティシャンとしてのプロ意識を示すことにもつながります。自分の肌質や年齢に合ったアイテムを選び、サロンの雰囲気に合わせた清潔感のあるメイクを意識しましょう。
エステティシャンとして働いている方だけでなく、これからエステティシャンの採用面接に臨む方も、この記事で紹介したメイクアップ術をぜひ参考にしてみてください。
監修者:草野 由美子
JESMA 日本エステティックサロン経営学院 学院長
専門学校の講師、サロン経営者を経て、医療・美容系サロン経営コンサルタントとして活動中。近年は、小規模サロンのオーナー教育に力を注ぎ、JESMA 日本エステティックサロン経営学院を開校。