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ネイリストを副業にしよう!具体的な働き方やダブルワークのメリットを紹介

ネイリストを副業にしようと考えているものの、働き方や収入に不安がある人は多いのではないでしょうか。

ダブルワークにはさまざまなメリットがありますが、押さえておくべき注意点もあります。

この記事では、ネイリストを副業にする際の働き方やメリット、注意点を詳しく解説していきます。
これから副業でネイリストを始めようと考えている人は、ぜひ参考にしてください。

ネイリストを副業にするには?具体的な働き方4選

ネイリストの女性

ネイリストを副業にするうえでは、主に次の4通りの働き方があります。

  1. ネイルチップを販売する
  2. 出張ネイリストとして活動する
  3. 自宅サロンを開業する
  4. 休日だけネイルサロンに勤務する

それぞれの働き方のメリットと注意点を解説していきます。
自分にはどの働き方が合いそうか、イメージを膨らませてみてください。

1. ネイルチップを販売する

自分でネイルチップを販売する方法があります。
お客様の中には、「自分では手の込んだデザインにするのが難しい」「ネイルサロンへ通うのはコストが気になる」などと悩む人が少なくありません。
そこでオンラインショップやフリマアプリを通して自作のネイルチップを販売すれば、コストを抑えつつデザインの凝ったネイルチップを楽しみたい人の需要に応えられます。

メリット

  • プロだから作れるデザイン性の高いネイルチップには安定した需要を見込める
  • 自分のペースで活動できる
  • 初期コストを抑えやすい(設備代、材料費、梱包・配送費、サイト開設費など)

ただし、安定した収入を得られるとは限らない点に注意が必要です。
多くのライバルの中から自分の作品を選んでもらうためには、デザインに独自性を持たせたり、SNSで宣伝したりする工夫が欠かせません。

2. 出張ネイリストとして活動する

出張ネイリストとして活動する方法もあります。
SNSやオンラインショップを活用して集客し、希望者の元に出張してネイルを施す働き方です。
本業が休みの時のみ働くスタイルであれば、肉体的にも時間的にもそれほど大きな負担がかからない点が魅力です。

メリット

  • スキルと道具があれば働ける
  • 固定費が発生しないため初期コストを抑えやすい(材料費、移動交通費など)
  • 空いた時間のみ活動すれば負担が少ない

注意したいのは金銭トラブルです。
お客様との間でトラブルに発展した際には、基本的に一人で対処しなければなりません。
場合によっては悪評が立つ恐れもあるため、施術内容や料金については事前にはっきりとさせておきましょう。
口頭でやり取りするだけでなく、書面やメールなどの形で記録に残しておくことが大切です。

3. 自宅サロンを開業する

十分なスペースを確保できる場合は、自宅サロンを開業するのもひとつの手段です。
「自分のお店を持ってみたいけれど、店舗を借りて本格的に経営するのはハードルが高い」と感じる人に向いています。
SNSやオンラインショップで集客し、自宅までお客様に足を運んでもらう、というのが大まかな仕事の流れです。

メリット

  • 店舗を借りるより初期コストを抑えられる(設備代、材料費、自宅改装費、家具代など)
  • 移動の必要がない
  • 営業時間を自分で設定できる

ただし、自宅が賃貸マンションやアパートだと、事務所・店舗としての利用が禁止されている場合があります。
無断で自宅サロンを始めてしまうと契約違反になるため、利用規約は事前に管理会社や大家さんに確認しておきましょう。

また、自宅サロンの場合はセキュリティ面でもリスクがあるため、注意が必要です。

4. 休日だけネイルサロンに勤務する

体力に自信がある場合は、本業の休日を利用して別のネイルサロンで働く手もあります。
正社員や契約社員ではなくアルバイトであれば、シフトの融通が利きやすい点が魅力的です。また、業務委託という形で、余裕のある時だけシフトに入る方法もあります。

メリット

  • 雇用されることで、安定した収入を得られる
  • 他のサロンの運営方法や技術を学べる
  • 新たな人脈や顧客を獲得できる

もっとも、平日は本業に励んで、休日は別のネイルサロンで働くスタイルは、肉体的にかなりハードです。

また雇用契約の場合は、複数箇所で勤務していても通算され、労働基準法においても月45時間・年360時間の残業時間を超えてはならないと定められています。

身体を壊すリスクも考慮し、働きすぎには注意しましょう。

働き方改革の一環で副業解禁の流れは加速している

ネイリストの女性

そもそもネイリストに限らず、副業自体が可能なのか、疑問を抱えている人も多いのではないでしょうか。
確かに従来は副業を禁止する企業が少なくありませんでしたが、近年は考え方が変化しつつあります。

経団連加盟企業1509社を対象にした「副業・兼業に関するアンケート調査結果」によると、70.6%の企業がおおむね副業・兼業を認めています。
内訳を見てみると、認めている企業が53.1%、認める予定の企業が17.5%です。

※引用:一般社団法人 日本経済団体連合会「副業・兼業に関するアンケート調査結果」(2022年10月11日)

副業への注目が高まっているのは、時代背景もありますが、コロナ禍による働き方の多様化や、社会のIT化なども影響しています。
一例として挙げられるのが、リモートワークの浸透によるライフスタイルの変化です。出社(通勤)時間が減り、反対にスキマ時間が増えた結果、オンラインサービスの利用者が増えました。
それにより、スマホひとつあれば仕事ができる副業自体の参入ハードルも下がったと考えられます。

ネイリストを副業としたダブルワークのメリットとは

副業ネイリストとしてダブルワークに励むことには、次のようなメリットがあります。

  • 収入が増える
  • 本業以外のスキルや経験を磨ける
  • スキマ時間を有効活用できる
  • 低リスクでチャレンジできる

それぞれのメリットを詳しく解説していきます。

収入が増える

収入が増えるのは、副業の最も大きなメリットといっても過言ではありません。
転職や昇給でも収入アップは目指せますが、会社の状況によってはすぐには実現できない可能性があります。
副業であれば、転職や昇給よりも手っ取り早く収入アップを目指しやすい点が魅力的です。

また、副業には労働時間規制の影響を受けにくいという利点もあります。
本業として雇用される場合は、働き方改革の一環として時間外労働の上限規制が見直され、特別な事情がない限り月45時間・年360時間の残業時間を超えてはならない取り決めになりました。
一方、個人で開業または業務委託契約としての副業はこの規制の対象外であるため、より柔軟に働くことができます。

※引用:厚生労働省「時間外労働の上限規制」

働く環境が整備されたのは喜ばしい一方で、以前のように残業ができず、収入が減ってしまうケースも少なくありません。
本業の収入が落ちている場合は特に、副業による収入アップが大きなメリットです。

本業以外のスキル・経験を磨ける

副業には、本業以外のスキルを磨けるメリットもあります。
本業がまったく別の業種の人が、副業でネイリストをする場合、新しいスキルの習得につながります。
また、本業とはまた違った新鮮な気持ちで働ける点も魅力的です。

すでにネイリストとして働いている人も、副業をすることで新しい発見ができる可能性があります。
たとえば休日を利用して別のネイルサロンで働く場合、本業とは異なる客層への接客方法や、その店舗独自のサービスについて学ぶ機会があるはずです。

また、自宅サロンを開業する場合は、事業運営やお金の管理、事務手続きなどについて学べます。
本業がまったく別の業種である場合、すでにネイリストとして働いている場合、いずれにしても新しいスキル・経験を磨けるのが副業のメリットです。

スキマ時間を有効活用できる

スキマ時間を有効活用することで、空いた時間を収入に変えられるのもメリットです。
副業でネイリストをする際の活動時間は、毎日のちょっとした空き時間や休日が中心です。
そうした時間に副業をして有意義に過ごせば、「ダラダラしてばかりで休日を無駄にしてしまっている」「あまり役に立たないことに時間を使ってしまった」といった失敗を避けられます。

また、趣味でネイルチップを作成している人にとっては、さらなるモチベーションアップにつながります。何にモチベーションを見出すかは人それぞれですが、自分の作品を買ってもらえるのは誰にとっても嬉しいはずです。

低リスクでチャレンジできる

気軽に始めやすいのも副業のメリットです。転職には、現職より収入が減る可能性や、新しい職場での働き方に合わないといったリスクがあります。その点、副業であれば現職を続けながらチャレンジできるため、転職ほど大きなリスクを考慮する必要がありません。

特に、これまで別の業界で働きながらもネイリストへの憧れを抱いていた人にとっては、副業として始める働き方が有力な選択肢になります。
現職で収入を維持しつつ、ネイリストが自分に合うのか合わないのかをじっくりと判断可能です。

副業をする時に知っておきたい注意点

ネイリストが副業をするときの注意点

収入面やスキル面でメリットがある副業ですが、押さえておくべき注意点も少なからず存在します。主な注意点は次の通りです。

  • 副業可能かを本業の職場で確認する
  • 初期コストを計算しておく
  • 税務署に開業届を提出する
  • 集客活動に時間を取られる
  • 休みなく働くことで負担がかかる
  • 確定申告が必要となる場合もある

副業をする際は、注意点にもきちんと目を向けることが大切です。
以下に紹介する内容を参考に、どのようなことに注意すべきか知っておきましょう。

副業可能かを本業の職場で確認する

社会全体で副業解禁の流れが加速しているとはいえ、すべての企業が解禁しているわけではありません。
店舗によっては就業規則で禁じているケースがあるため、副業可能かどうかは事前によく確認しておきましょう。
副業の所得は、確定申告によって本業の職場に通知されます。隠れてやっても判明するので、「バレなければ大丈夫だろう」という考えで副業を始めないようにしましょう。

なお、副業は労働基準法で禁止されているわけではありません。それでも副業を禁止する企業が存在するのは、以下のようなデメリットがあるためです。

  • 副業に時間と労力をかけすぎると、本業がおろそかになる
  • 働きすぎて健康面に悪影響を及ぼす可能性がある
  • 秘密保持義務や競業避止義務に反し、従業員が情報を社外に漏らす恐れがある

労働基準法では禁止されていないものの、副業可能かどうかは各企業の就業規則や個別の労働契約による、と理解しておきましょう。
副業を始める際は就業規則や個別の労働契約をよく確認し、わからない時は上司や担当者に相談することが大切です。

初期コストを計算しておく

始めるハードルの低さがネイリストの魅力ですが、初期コストは少なからずかかります。副業でネイリストを始める際にかかる主な費用は、以下の通りです。

  • 設備
  • 材料費
  • 梱包、配送費
  • サイト開設費
  • 移動交通費
  • 自宅改装費
  • 家具代
  • 講座受講費
  • 資格取得費

まったくの未経験の場合、ネイリスト関係の講座受講費や資格取得費用も必要になる可能性があります。働き方や経験の有無によって大きく変動するため、自分のケースではどれくらいの費用が必要になるのか事前に計算しておきましょう。

税務署に開業届を提出する

税務署から指示されるわけではないため、つい忘れがちですが、副業を始める際には開業1カ月以内に開業届を提出しましょう。
税制面や社会的信用面などで、さまざまなメリットがあります。提出先は居住地を所轄する税務署です。

開業届を提出するメリット

  • 青色申告で確定申告をすると最大65万円の控除を受けられる
  • 屋号名義の銀行口座を開設できる
  • 個人事業主としての証明になる
  • 青色申告の場合、赤字を最大3年間繰り越せる

なお、アルバイトとして別のネイルサロンで働く場合には、開業届を提出する必要はありません。副業でアルバイトをするケースでは、店舗からの所得は事業所得ではなく給与所得になります。

集客活動に時間を取られる

出張ネイリストとして活動する場合や、自宅でサロンを開く場合は、集客から始めなければなりません。
ネイルサロンで働く時とは異なり、自分で働く際にはお客様やリピーターの数が収入に大きく影響します。
集客活動に予想以上の時間を取られてしまうケースがある点に注意しましょう。

集客活動が思うように進まないと、かけた初期コストを回収できるだけの収入につながらないこともあります。副業でネイリストを始めたからといって、必ずしも収入の大幅アップになるとは限りません。安定した収入を得るためには、SNSやブログなど、さまざまな手法を活用して集客することが大切です。

休みなく働くことで負担がかかる

副業でネイリストをする際は、主に本業の出勤前や終了後、休日などの時間を使って活動します。
本来であれば休息にあてるはずの時間に働くことになるため、肉体的にも精神的にも負担が大きくなる点に注意しましょう。

「収入を増やしたい」「スキルを磨きたい」といった気持ちを持つのは悪いことではありませんが、収入アップもスキル向上も心身の健康あってのものです。働きすぎて体調を崩してしまっては、本業のパフォーマンスにも影響しかねません。
体調管理を徹底し、本業と副業のバランスを上手に取っていくことが肝心です。

確定申告が必要となる場合もある

会社の従業員として働いている人でも、次の条件に当てはまる場合は確定申告が必要です。条件に当てはまる人が確定申告をしなかった場合、将来的に延滞税・重加算税が課されるリスクがあります。

▼確定申告が必要となる場合
対象期間となる1月1日~12月31日まで

  1. 年間給与収入が2,000万円を超えている
  2. 給与・退職所得以外(副業)の所得が20万円を超えている
    ※引用:国税庁「確定申告が必要な方」

複数の収入源がある場合は、所得の合計額が基準になります。
たとえば、ネイルチップ販売の所得が10万円で、副業アルバイトの所得が15万円あるケースでは、合計額が20万円を超えています。
それぞれの所得が少なくても、合計額が20万円を超えていると確定申告が必要となる点に注意しましょう。

副業ネイリストを未経験から目指すには?

ネイリストの勉強をする女性

未経験から副業ネイリストを目指しているものの、スキルや経験がないことに不安を感じている人は多いと思います。
そのような時は、以下の方法を試してみるのがおすすめです。

ネイルスクールに通って技術を習得する

ネイルスクールに通って知識・技術を習得しておくと、スムーズに副業を始められます。独学で習得する方法もありますが、ネイル技術は自分の目で実際に見ないとわかりづらい点が多々あります。
スクールであれば直接見て学べるうえ、わからないことがあればすぐに講師に聞ける点がメリットです。

スクールに通うメリット

  • ネイル技術を直接見て学べる
  • わからないことを質問できる
  • 中には開業サポートをしているスクールがある

開業サポートをしているスクールであれば、内装の作り方や集客方法など、開業に関わるノウハウを教えてもらえます。
自宅サロンの開業を検討している人や、将来的に自分の店舗を持ちたい人におすすめです。

ただし、通学が必要になるのはネイルスクールのデメリットです。本業の休日などを利用して、スクールに通う時間を確保しなくてはならない点に注意しましょう。

通信講座で学び資格を取得する

ネイリストになるために必須の資格はありませんが、持っていると自分のスキルと経験の証明になります。
通信講座であればスクールのような通学の負担がなく、時間と場所を選ばずに学べます。

通信講座で資格取得を目指すメリット

  • スクールよりコストを抑えやすい
  • 時間と場所を選ばずに学べる
  • 資格があると信頼性向上につながる

資格取得という明確な目標があると、勉強のモチベーションアップにつながります。副業ネイリストに興味はあるものの、なかなか勉強のやる気が出ない人にも通信講座がおすすめです。

ネイリストにおすすめの資格や具体的な取得方法は、以下の記事で解説しています。未経験から副業ネイリストを目指している人はぜひ参考にしてください。

▷「【ネイリスト監修】ネイリストになるには?必要な資格の取得方法や仕事内容を徹底解説」

まとめ

副業ネイリストには主に、ネイルチップを販売する・出張ネイリストとして活動する・自宅サロンを開業する・休日だけネイルサロンに勤務する、という4つの働き方があります。それぞれにメリットがあるため、どの働き方が自分に合うか考えてみましょう。

一方で、いくつかの注意点もあります。
副業が可能か、開業届・確定申告が必要かをよく確認しておかないと、トラブルに発展する可能性があります。副業を始めるにあたっては、メリットだけでなく注意点にもきちんと目を向けることが大切です。

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監修者唐沢 真弓

ネイリスト

学校法人 国際共立学園 国際理容美容専門学校 ビューティアーティスト科教務

国際共立学園は創立69年の伝統ある学園で、職人の技術偏重主義に決して偏ることなく、あらゆる職業を通して、豊かな人間性を併せ持った職業人育成を目指している。『夢をかなえる 人づくり』を教育のテーマに、これまでの教育実績をさらに進化させ、社会に貢献できる人材を育成している。

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監修者秋田 繁樹

特定社会保険労務士

社会保険労務士法人 秋田国際人事総研

2004年に秋田社会保険労務士事務所として開業スタートアップをはじめ中小企業の就業規則の作成や労働トラブルの予防や解決のためアドバイスを行っています。

執筆者五嶋海斗