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脱毛サロンで働くエステティシャンの仕事内容は?必要な資格ややりがい・大変なことを解説
近年、美容サロンの中でも注目されているのが「脱毛サロン」です。
男女問わず脱毛に関する関心は高まっており、その流れで脱毛サロンに勤務することにも興味をもっている人もいるのではないでしょうか?
ご自身が施術することによってお客様をキレイにしてあげられたら、やりがいや達成感を得られそうですよね。
そこでこの記事では、脱毛サロンに勤務するエステティシャンについて、おすすめの資格や仕事内容・大変なこと・やりがいなどについてご紹介します。
そもそも脱毛サロンとは?
そもそも脱毛サロンとは、どのような場所でしょうか?
まずは、脱毛サロンとは具体的にどのような場所なのか、詳しく解説します。
脱毛サロンとは?
脱毛サロンとは、エステティシャンが美容脱毛の施術を行う美容サロンのことをいいます。
エステティシャンというと、エステサロンをイメージする人も多いでしょう。
脱毛サロンは、フェイシャルエステやボディケアエステといったエステサロンの一種となります。
美容脱毛と医療脱毛の違い
脱毛には、美容脱毛のほかに「医療脱毛」があります。
大きな違いは、医療脱毛は医療行為であり、医師のいないところでは行えないということです。
ほかにも、次のような違いがあります。
ただし、効果の感じ方には個人差があることをあらかじめ理解しておきましょう。
【美容脱毛と医療脱毛の違い】
美容脱毛 | 医療脱毛 | |
---|---|---|
施術者 | エステティシャン | 医師や看護師 |
脱毛効果 | 効果は一時的で減毛・抑毛効果が期待できる施術方法 | 美容脱毛と比べ自己処理の頻度を減らす効果が期待できる |
美容脱毛を行う脱毛サロンでは、施術後の美肌ケアに力を入れるサロンも多く、フェイシャルエステができるコースや、ホームケアセットが付いてくるコースなどを設定しているサロンもあります。
脱毛エステティシャンとして働くには資格は必要?
医療脱毛は、医師や看護師などの資格保有者でなければ施術できません。
では、美容脱毛の場合、無資格でも仕事はできるのでしょうか?
資格がなくても脱毛エステティシャンとして働ける
脱毛エステティシャンに特別な資格は必要ありません。
美容脱毛で使用する機械は、基本的に誰でも扱うことができます。
入社後、サロン内で扱い方をレクチャーされた後は無資格でお客様の施術ができ、法的にも問題ありません。
脱毛エステティシャンの民間資格
とはいえ、何の資格もないと、お客様は不安になるかもしれません。
肌や毛周期・脱毛マシンなど脱毛に関する知識があった方が、安心してもらえるでしょう。
脱毛エステティシャンに国家資格はありませんが、次のような一般社団法人日本脱毛安全普及協会(JESA)の行っている民間資格「脱毛士検定」があります。
- 3級脱毛士
- 2級認定脱毛士
- 上級脱毛士
1つずつ、概要や難易度などを確認しましょう。
3級脱毛士
3級脱毛士は、一般社団法人日本脱毛安全普及協会の協会認定講師が実施する、3級脱毛士取得講座を受講することで取得できます。
3級脱毛士取得講座はZoomでオンライン開催となっています。
講座の受講には脱毛士検定対策テキスト(各級共通)が必要なため、受講前に購入しましょう。
【3級脱毛士概要】
受講費 | 6,200円(税込) |
---|---|
実務経験 | 不要 |
ディプロマ | 更新不要 |
3級脱毛士は実務経験が必要ないため、だれでも取得できます。
講座受講後は、ホームページから申請するとディプロマ(認定証)を2,750円(税込)で受け取れます。
なお、2級認定脱毛士や上級脱毛士資格の取得を目指す場合、3級脱毛士の取得は必須ではありません。
2級認定脱毛士
2級認定脱毛士の試験は年3回WEBで実施されます。
取得方法は、Zoomで脱毛士検定対策講座を受講後、試験を受ける方法と、独学で試験を受ける方法の2種類があります。
検定は、脱毛士検定対策テキスト(各級共通)から出題されるため、どちらの方法で勉強する場合も購入しましょう。
【2級認定脱毛士概要】
検定料 | 6,000円(税込) |
---|---|
実務経験 | 6カ月以上 |
合格基準 | 80%以上 |
試験内容 | 筆記試験90分 |
ディプロマ | ・会員制度(準会員)に登録 |
ここでいう実務経験6カ月とは、以下のことを指します。
- エステティック(脱毛・フェイシャル・ボディ)・美容/理容・按摩・整骨などで実務経験6カ月以上
- 美容メーカーに就職している
- 美容学校に在籍しているもしくは卒業している
なお、講座を受講する場合は、別途6,200円(税込)が必要です。
上級脱毛士
上級脱毛士の試験も、2級認定脱毛士と同日、WEBで行われます。
上級脱毛士の試験は、2級認定脱毛士資格取得者でなければ受験できません。
筆記試験は選択問題と記述問題が50問程度出題され、テキストにも例題が記載されています。
【上級脱毛士概要】
検定料 | 15,000円(税込) |
---|---|
実務経験 | 24カ月以上 |
合格基準 | 80%以上 |
試験内容 | 1次試験:筆記試験(90分) |
ディプロマ (認定証) | ・会員制度(準会員)に登録 |
上級脱毛士の実務経験も内容は2級認定脱毛士と同様です。
資格を持っていると就職・転職で有利になる?
資格を持っていると就職や転職の際に有利に働く可能性があります。
資格があると、一定の知識が身についているとの証明になるでしょう。
採用側としても、即戦力となる人材は、入社後の教育に欠ける時間を短縮できるため、採用には前向きになります。
また、上級脱毛士のいるサロンは認定サロンとして認定証を発行してもらうこともできるため、店内の見やすい場所に飾っておくと、お客様からの信頼も得やすくなるメリットもあるでしょう。
未経験だと脱毛サロンで働くのは難しい?
有資格者の方が脱毛サロンで有利になるとはいえ、まったくの未経験では採用されないわけではありません。
中には、スタッフのおよそ8割が未経験者の脱毛サロンもあります。
チェーン展開する脱毛サロンなどはとくに、入社後に手厚い研修期間を設けている場合があります。
未経験の職種に飛び込むのが不安な場合は、研修制度が充実している脱毛サロンや、チェーン展開している脱毛サロンなどを選ぶとよいでしょう。
未経験でも採用されるためには、会社にとってメリットがある人材であると思ってもらうのが大切です。
「前職で接客をしていたため、コミュニケーション能力は自信がある」「脱毛ではないが、美容業界で働いていた」など、自身のウリになる部分を見つけましょう。
脱毛サロンスタッフの仕事内容は?
実際に脱毛サロンに行った経験のある人は、サロンスタッフの仕事内容も何となく理解できるかもしれません。
しかし、お客様のいないときに何をしているのか分からない人も多いでしょう。
脱毛サロンスタッフの主な仕事内容は、次の4つです。
- カウンセリング
- 脱毛の施術
- アフターフォロー
- その他サロンワーク
カウンセリング
新規のお客様に対して、カウンセリングを行います。
プランの内容は当然のこと、脱毛機器の説明や脱毛の仕組みなどを理解していただいたうえで、施術に移ります。
お客様に契約していただけるかは、説明の仕方や態度などカウンセリングの影響が大きいでしょう。
安心して脱毛できるよう、疑問や不安なことがあればうかがい、その場で解決します。
脱毛の施術
カウンセリングでご納得いただいた後は、脱毛を開始します。
脱毛に強い痛みを感じるお客様もいらっしゃるため、脱毛機器の強さには十分注意しながら施術しなければなりません。
脱毛前は、お客様に脱毛箇所を剃毛してきていただくことが一般的ですが、手の届かない部分や剃り残しの部分などは、その場で剃毛することもあります。
脱毛の施術後は、患部に残ったジェルの拭き取りも行います。
アフターフォロー
脱毛後は、アフターフォローも欠かせません。
脱毛後は、肌が乾燥状態にあるため、保湿は必須です。
中には、スキンケア用品を自社開発して使用している脱毛サロンもあります。
お客様にも自宅でのケア方法をレクチャーし、肌トラブルにならないよう努めます。
最後にお会計や次回の予約をしていただき、お見送りをして終了です。
その他サロンワーク
脱毛サロンのフロント業務も仕事の1つです。
来店されたお客様へのご案内や電話対応、新規のお客様へのご説明などがあります。
スムーズに行わなければ次の業務に支障が出てしまうため、お客様への笑顔は忘れず、効率のよい対応が求められます。
また、店舗の運営に必要な清掃・消毒や備品の管理、会計業務なども分担して行います。
脱毛エステティシャンの大変なこと
脱毛エステティシャンになりたいと思って入社しても、思わぬ苦労もあります。
入社前から把握しておけば、それほど慌てることもありません。
脱毛エステティシャンが感じやすい苦労する点や大変な点を4つご紹介します。
サロン業務が多岐にわたり忙しい
思った以上に脱毛サロンでの業務内容が多く、お客様への脱毛やフロント業務、バックヤードでの業務など多岐にわたり、忙しくなりがちです。
とくに未経験の人や入社したての人は覚えることが多く、頭がパンクしてしまいそうにも。
慣れるまでは、負担に感じる人もいるでしょう。
体力的な負担が大きい
体力的にハードな点も、脱毛エステティシャンの大変なこととして挙げられます。
脱毛エステティシャンは、脱毛の施術中は基本的に立ちっぱなしです。
中腰の姿勢で長時間施術する場合もあります。
脱毛機器が重く、最初のうちは腕が疲れて筋肉痛になる人もいるでしょう。
職場の人間関係に悩むことがある
脱毛サロンのスタッフの多くは女性です。
スタッフが全員女性といったことも珍しくありません。
同性ばかりの職場では、上下関係や噂話・陰口などで頭を悩ませることもあるようです。
もちろん同性ばかりの職場だけでなく、どのような職場でも同じようなことは起こりえます。
スタッフ同士が、お互いに気遣いし、雰囲気のよいサロン作りをしていく必要があるでしょう。
クレームなどお客様対応が大変な場面がある
脱毛効果などに対するクレーム対応も、大変だと感じさせる要因の1つです。
脱毛は高価なコースも多く、その割に脱毛効果が思ったように感じられない、行きたいときに予約がとれないといった場合、お客様からクレームが入る傾向があります。
しかし、クレームが入るとサロンの信頼は下がり、クレーム対応したスタッフのモチベーションも下がってしまう可能性があります。
クレームにならないよう、お客様とのコミュニケーションを密にとる、事前のカウンセリングを入念に行うなどの対策も必要です。
脱毛エステティシャンのやりがいや魅力
脱毛エステティシャンは、確かに忙しく人間関係やクレーム対応などに悩むこともあるでしょう。
しかし、脱毛エステティシャンを続けることで得られるやりがいや魅力もあります。
脱毛以外にも幅広い知識・スキルが身につく
脱毛サロンで働いていると、脱毛だけでなく、美容全般に関する知識が身につきます。
脱毛後のスキンケアの方法や、美容のための生活習慣などは多くの生活シーンで実践できるものです。
また、仕事を通して接客マナーやコミュニケーション能力なども身につくでしょう。
お客様がキレイになるお手伝いが身近でできる
やはり最大のやりがいは、お客様がキレイになるお手伝いができることでしょう。
お客様は「こうなりたい」とイメージをもって脱毛サロンに来店されます。
そのイメージどおりに仕上がり喜んでいただけたときには、やっててよかったと感じられるでしょう。
自分自身もキレイになるきっかけがある
脱毛サロンでは、スタッフの技術向上のために互いに施術し合うことがあります。
また、自分自身で脱毛機器を操作して脱毛することもあるかもしれません。
ほかにも、サロン内で販売しているケア用品を社員価格で購入できるのも魅力の1つ。
美に関する意識を高くもったお客様と接することで、自然と自分自身も美に対して強い興味を抱くようになるでしょう。
まとめ
脱毛サロンで働くエステティシャンに、必要な国家資格はありません。
そのため、無資格でも大手のチェーン店や充実した研修を行っているサロンなどで採用してもらえることもあるでしょう。
とはいえ2級認定脱毛士や上級脱毛士といった資格を取得すると、転職や就職に有利に働く場合もあります。
自身のスキルアップのために取得するのはおすすめです。
脱毛サロンのエステティシャンは大変ではあるけれど、お客様が美しくなるところを間近で見られるやりがいある仕事です。
興味のある方は、目指してみてはいかがでしょうか。
監修者:白崎順子
エステティシャン
株式会社ピュアラボーテ(代表取締役)
美容師からスタートし病をきっかけにエステの道へ。2010年サロンを開業。1年後には満席サロンへ。現在はエステスクールを開講し全国に500名以上の生徒を持つ。