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美容師は何歳からなることができる?何歳まで働けるかと合わせてキャリアプランを解説

美容師になるためには、美容師養成施設を卒業し国家資格を取得する必要があります。

一度国家資格を取得すれば、更新の必要はなく、永久に資格を保有することが可能です。
自分自身が、美容師を引退するまで続けることはできますが、実際にいくつぐらいまで続けられるのか、不安に感じる人もいるでしょう。

そこでこの記事では、美容師には何歳からなれるのか、また長く働くためにどのようなキャリアプランが考えられるのか、などについてご紹介します。

美容師になろうか悩んでいる人、美容師になった後のキャリアについて不安な人はぜひ参考にしてください。

美容師になれるのは何歳から?

美容師資格の勉強をする学生

美容師になるためのルートは、高校を卒業後2年間厚生労働大臣または都道府県知事指定の美容師養成施設へ通い、卒業後に美容師免許を取得するのが一般的です。

そのため、多くの方は20~21歳で国家資格を取得します。
しかし中には、さらに早く美容師資格を取得できるルートがあります。

最短17歳から美容師になることができる

中学卒業の時点で、美容師になることを決めている人もいます。
少しでも早く憧れの職業に就きたくて「何歳から美容師になれる?」との疑問を抱いている方は、1年でも早く美容師になりたいのではないでしょうか?

もし最短で目指すなら、高校へ進学せずに美容師を目指すことも可能です。

美容師になるためには、美容師養成施設を卒業しなければなりませんが、多くの養成施設は「高等学校卒業以上」を入学資格としています。
しかし施設の中には、中卒でも試験に合格すれば入学できる施設があり、問題なく卒業できれば、生まれ月によっては17歳で美容師免許の取得が可能です。

ただし中卒で美容師養成施設に入った場合、高校卒業資格が得られない可能性があります。

高校卒業資格もしくは、高校卒業と同程度の資格が欲しい場合「ダブルスクール」もしくは「高等専修学校(専修学校高等課程)」に入学する方法があります。
中卒で美容師資格を目指すことに興味がある方は、以下で詳しくご紹介しています。
「美容師資格を取れる高校とは?高卒資格と美容師資格を取れる学校をご紹介。【美容師監修】」

美容師国家試験を受験するのに必要な条件

美容師になるためには、美容師国家資格に合格しなければなりません。
美容師の国家試験を受験するためには、受験資格を満たす必要があります。

受験資格は美容師養成学校で、以下の課程を修了した人です。
(平成10年以降に美容師養成施設に入学した人の場合)

必要な年数

昼間課程

2年以上

夜間課程

2年以上

通信課程

3年以上

参考:公益財団法人理容師美容師試験研修センター

このように美容師国家試験は、美容師法で定められた美容師養成学校の指定された課程を修了することで受験資格を得られます。
美容師国家試験の受験に年齢制限はなく、何歳で美容師養成学校を卒業するかがポイントです。

何歳まで美容師として働くことができる?

美容師の女性

多くの企業では60歳、もしくは65歳の定年制を導入しています。
そのため、ある一定の年齢になったら、会社を辞める、もしくは会社側に再雇用してもらいもうしばらく働くことになります。

では「手に職」といわれる美容師は、美容師免許取得後何歳まで働けるのでしょうか?

美容師国家資格に年齢制限はない

美容師の国家資格を取得するのに、年齢制限はありません。
そのため、受験資格である美容師養成学校を卒業していれば、何歳でも受験できます。
つまり、大学を卒業した後や一般企業に就職した後でも、養成学校に入学し決められた課程を修了すれば、美容師になることも可能ということです。

ただし、平成10年3月31日より前に養成学校へ入学した場合は、平成14年3月31日までに1年以上の実地習練を修了していなければ、受験資格がありません。
なお、平成10年3月31日より前に養成学校へ入学した方の場合に必要な課程は、現在の課程と異なるため、詳しくは公益財団法人理容師美容師試験研修センターのホームページでご確認ください。

また、美容師の定年が法律で定められているわけではないため、何歳になっても現役で仕事ができます。
60歳までで引退することも、65歳を超えても現役でい続けることも自由だということです。

「40代定年説」とは?

美容師には「40代定年説」があるといわれることがあります。
「40代までしか美容師でいられない」というものです。
なぜ、そのような噂が流れるのでしょうか?

40代定年説が流れるのは、美容師の平均年齢も関係していると考えられます。

厚生労働省の「令和5年賃金構造基本統計調査」によると、理容師・美容師の男女合わせた平均年齢は32.2歳です。
この年齢は、調査内すべての職業の中で最も若い年齢です。

なお、同じ美容関連の職業であるエステティシャンやネイリスト(美容サービス・浴場従事者)の平均年齢も34歳と非常に若いことから、美容関連全般で平均年齢が若いことが推測できます。

また、次のようなデータもあります。

【1施設当たりの常時雇用者の平均年齢構成割合】

年代

性別

割合

30歳未満

男性

29.4%

女性

41.6%

30~39歳

男性

15.5%

女性

25.7%

40~49歳

男性

4.1%

女性

10.2%

50歳以上

男性

0.0%

女性

8.2%

不詳

男性

51.0%

女性

14.3%

厚生労働省 美容業結果の概要常時雇用者の性別年齢

1店舗当たりの常時雇用者(正社員)として働く美容師の平均年齢は、男女ともに30歳未満が最多です。
40代以上にいたっては、男性は4.1%しかおらず、これが「40代定年説」がささやかれる理由の1つと言えそうです。

美容師の平均年齢が若い理由

美容師の平均年齢が若い理由は、労働環境が影響していると考えられます。
美容師は年を重ねるにつれて、次のような理由から現役を退く人が出てきます。

  • 立ちっぱなしの仕事が体力的にハードになる
  • 若手ばかりの店舗で働きにくさを感じる
  • お客様の年齢層が若すぎて、指名をもらいにくい
  • 一定のキャリアを積んだ後に独立を考える美容師が多い

ご自身の事情や理想の働き方によってキャリアの選択肢は異なるものの、美容師として10年程度の選択肢を積むとその後のキャリアの選択肢が広がると考えられます。

もちろん、結婚や出産などをきっかけに退職をする方もいますが、管理職に就いたり独立をしたり、美容関連の仕事でキャリアアップをする方も少なくないようです。
美容関連の仕事に年齢制限がないことは事実であるため、「40歳定年説がいわれているから40歳からは別の仕事を探さなくてはならない」と悲観的に考える必要はないでしょう。

働きやすい環境で美容師を続ける方法

現役で長く働き続けるためには、自身に合った働き方を見つけ、無理のないペースでの働き方が理想です。

体力の衰えなどを感じ始める40代は、自身のキャリアを見直す人も多くなります。
その結果、バリバリ働き続ける人がいる一方で、自分のペースで働く方法を模索する人もいるようです。

また美容師は、スタイリストとして働く以外にもさまざまな働き方を選択できます。

いずれにせよ、若いうちだけでなく長く美容師として活躍するには、技術を磨くことやトレンドに対して敏感であり続けることなどが不可欠な要素です。
さらに、キャリアアップをするためには、マネジメントや経営などの知識・スキルが必要とされるでしょう。

美容師として長く働くためのキャリアプランとは?

美容師の女性

平均年齢の低い美容師業界ですが、中には長く働いている方も大勢います。
そのように、長く働いていくためには美容室のスタイリストとしてではなく、新たなキャリアプランをたてることも考えなければなりません。

美容師のキャリアプランとして考えられるのは、次の4つです。

  • マネージャーや店長など役職者として働く
  • フリーランスの美容師として働く
  • オーナーとして働く
  • 訪問美容師・福祉美容師として働く

1つずつ、詳しく解説します。

マネージャーや店長など役職者として働く

キャリアの1つとして、美容室に留まり、マネージャーや店長などの役職ある立場になることが挙げられます。

マネージャーや店長になると、直接お客様の施術をすることは少なくなり、新人研修や美容室の管理・運営に力を注ぐようになります。

また、若いお客様の多い美容室では、年を重ねると指名されにくくなり歩合給が下がる可能性もあります。
マネージャーや店長であれば、役職手当が付くため、収入も安定しやすいでしょう。
何歳から管理職になれるのかは美容室の規定や状況・スキル・意欲などによって異なりますが、目安は10年前後と考えられます。

フリーランスの美容師として働く

美容師は「業務委託」としてフリーランスで働く方法もあります。

業務委託とは、美容室から依頼を受けて来店されるお客様に施術をすることです。
社員やアルバイトの美容師は勤務先の美容室から固定給などの形で報酬を受け取りますが、フリーランスの美容師は基本的には完全歩合制で働きます。

努力次第で多くの収入が得られる一方で、全く依頼を受けられず無収入になるリスクもある働き方です。

さらに、フリーランスの美容師の働き方の一つとして「面貸し」という仕組みもあります。
面貸しの場合、美容室の一角を借りて、SNSや口コミなどを利用し自分自身で集客したお客様の施術を行います。
集客や施術は美容師が自分で行いますが、場所を借りられるため、設備を持っていない美容師でも施術をすることが可能です。
面貸しで施術を行う場合、美容師は美容室に設備などの使用料を支払う必要があります。

フリーランスの美容師は、美容室に勤務する場合と比べて自分のペースで仕事を進められ、体力的にも無理なく働けます。

オーナーとして働く

美容室のオーナーとして働く方法もあります。
自分1人で経営する場合は、現役で美容師をしながら店舗経営業務も進めます。
負担は増えますが、営業日を自分自身で自由に設定できるため、ワークライフバランスを考えた働き方が可能です。

美容師を複数名雇用し、ある程度規模の大きい店舗を経営する場合は、施術よりも店舗経営の方に力を注ぐことも多くなるでしょう。
立ちっぱなしのスタイリスト業務ではなく裏方として働くため、身体にかかる負担は軽減できます。

美容室を経営することは、店舗運営の手腕が問われる仕事です。
しかし、うまく軌道に乗って顧客数・店舗数も増やしていければ、スタイリスト時代を大幅に超える収入を得られる可能性があります。

30歳前後で独立する人が多い

美容室のオーナーとなる人が増えるのが、30代以降です。

厚生労働省の生活衛生関係営業経営実態についての美容業結果の概要によると、30歳未満の経営者は全体の0.4%しかいないにもかかわらず、30~39歳では4.2%と、10倍以上に増えています。
また、60代や70歳以上の人も35%以上いることから、年を重ねても美容業界で仕事ができることを証明しています。

【経営者の年齢別施設数の構成割合(単位:%)】

年齢

構成割合

30歳未満

0.4%

30~39歳

4.2%

40~49歳

16.4%

50~59歳

41.1%

60~69歳

28.1%

70歳以上

8.5%

不詳

1.3%

参考:厚生労働省の生活衛生関係営業経営実態についての美容業結果の概要

30代は美容師経験が10年を超え、知識・経験も十分身に付くとともに、開業資金もある程度貯まったような頃。
初期費用がかかることや集客できるか分からないリスクはあるものの、長く働きたいと考える人にとっては、選択肢の1つとなりそうです。

訪問美容師・福祉美容師として働く

ほかにも、店舗を必要としない方法に「訪問美容師や福祉美容師」として働く方法もあります。

訪問美容師や福祉容師とは、体の不自由な方や高齢者など、美容室へ出向くことが困難な方を対象に、介護施設やご自宅などで施術を行う美容師のことです。

これらの仕事は、特別に資格を取る必要はありませんが、ある程度介護に関する知識や、美容室に来店されるお客様以上に気を配った施術が求められます。

経験の浅い若手美容師よりも、さまざまなお客様と接する経験を積んできた熟練の美容師の仕事だともいえるでしょう。
高齢化社会にともない、これらの需要は今後ますます高まっていくことが考えられます。

まとめ

「何歳から美容師になれるのか?」の質問に対する回答は「17歳から」です。
指定の美容師養成学校を卒業し国家試験に合格することで、美容師国家資格を取得できます。

多くの養成学校は、高校卒業者を対象としていますが、中には中学卒業後から入学できる学校もあります。
高校を中退して美容師を目指したい方や、高校へは進学せずに早く資格取得したい方は、検討してみてください。

また、若くから美容師として活躍している方の場合は、10年程度の経験を積んだ30歳あたりから、管理職へのスキルアップや独立なども現実的になります。
美容師資格自体が失効することはないため、フリーランスの美容師や美容室のオーナーになるなど工夫次第で長く働くことも可能です。

美容師になりたいと考えている方は、何歳で美容師資格を取得したいのか?何歳まで働くのか?など将来設計を立てながら、資格取得を目指すとよいでしょう。

プロフィール画像

監修者齊藤 彩子

美容師

学校法人 国際共立学園 国際理容美容専門学校 美容科学科長

国際共立学園は創立69年の伝統ある学園で、職人の技術偏重主義に決して偏ることなく、あらゆる職業を通して、豊かな人間性を併せ持った職業人育成を目指している。『夢をかなえる 人づくり』を教育のテーマに、これまでの教育実績をさらに進化させ、社会に貢献できる人材を育成している。

執筆者山本 鮎美