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美容師あるある15選!思わず頷きたくなる経験をシチュエーション別で紹介

業界の「あるある」話は同業者の間で雑談のネタになるだけでなく、転職希望者が業界の実態や雰囲気を知るためのヒントにもなります。

本記事では、美容師が日々の業務や生活の中で感じたり、悩んだりしている「あるある」をシチュエーション別に15例、紹介します。
美容師としての生活や職場の雰囲気、業務上のちょっとした悩みごとなどを知りたい方はぜひご覧ください。

【勤務前】美容師あるある3選

美容室の開店前の様子

美容師の「あるある」は、勤務前からはじまっています。

サロンで勤務しているときにはおしゃれに、ばっちりきまっている美容師も、開店前だと気が抜けてしまっているのかもしれません。
勤務前によく見られる「あるある」は次の3つです。

  1. サロンでメイクをする
  2. ヘアセットもサロンで行う
  3. 朝食もサロンで食べる

1. サロンでメイクをする

美容師には、朝の出勤時にノーメイクで家を出てそのまま通勤し、サロンに来てからメイクをはじめるという人も多くいます。

業務開始前に行う練習などで忙しく、メイクの時間が取れないから、ということも理由のひとつですが、大きな鏡や明るい照明など設備が整ったサロンで身支度を整え、メイクをした方が美しく仕上がるうえ、便利だからという側面もあるようです。

2. ヘアセットもサロンで行う

メイクだけでなく、実はヘアセットも出勤後にサロンで行っているという美容師も多いようです。

簡単に髪をまとめただけだったり、あるいは寝ぐせを帽子で隠しただけだったりの状態で出勤し、開店前に丁寧にセットするという段取りです。
同僚の練習のために、ヘアアイロンなどを施してもらうこともあります。

こうしたことも面倒だと感じる美容師には、サロン内で帽子をかぶったままの人もいます。意外に思われる方も多いかもしれませんが、移動時に風などでセットが乱れることもあると思えば、合理的な方法なのかもしれません。

3. 朝食もサロンで食べる

「メイクやヘアセットをサロンで行うなら、その流れで朝食も」ということなのか、朝食をサロンで食べる美容師も多いようです。
自宅で朝食の準備や片づけをするより、通勤途中で朝食を購入しサロンで食べた方が楽ということなのかもしれません。

すべてのサロンで実施されているわけではありませんが、スタッフの健康面を気遣い、しっかりと食事を摂れるよう、朝食を用意しているサロンもあります。美容師の仕事は体力を使う一面もあるため、どんな形であっても朝食はしっかりと摂っておきたいものです。

【接客中】美容師あるある5選

美容師の女性が接客している様子

にこやかにヘアカットを行っている美容師であっても、内心ではお客様の言動に冷や汗をかいていることもめずらしくありません。続いては、接客中にしばしば美容師が遭遇する「あるある」を5つ紹介します。

  1. ご新規様の「お任せ」が困る
  2. お客様に渡す雑誌に迷う
  3. お客様からおすすめのシャンプーを聞かれる
  4. カット中・シャンプー中に頭を動かされる
  5. お客様の服装によっては施術のやりやすさが変わる

1. ご新規様の「お任せ」が困る

施術を受ける立場からすれば、「お任せ」というオーダーの仕方は便利かもしれませんが、担当する美容師からすると、緊張を感じてしまう言葉です。

腕の見せどころだと張り切れる反面、「万が一、お客様の好みにあわない髪型にしてしまったらどうしよう」という不安がつきまとうからです。
特に担当するのが新規のお客様(ご新規様)の場合、お客様の嗜好も髪質も手探りの状態で施術をはじめなければなりません。美容師の感じる不安はより一層強いものになるはずです。

新規のお客様から「お任せ」や「いい感じで」「適当に」などといった曖昧なオーダーを受けた場合のよくある対処法が、雑誌やSNSの画像など具体的なイメージを見せてもらうことです。
お客様の希望を少しでも具体的に把握できるようにと、美容師も工夫しています。

2. お客様に渡す雑誌に迷う

施術を行うスタイリングチェアに案内するまでの間、お待たせするお客様に渡す雑誌選びも美容師が苦労する「あるある」です。

最近ではタブレットで読めるようになっているところもあるようですが、一般的にサロンにはさまざまな雑誌が置かれており、その中から全体的な雰囲気や年齢層などを考慮して、お客様と相性のよさそうな雑誌を読んでもらいます

「雑誌なんて何でもいいでしょ」という方もいるかもしれませんが、例えば、まだ年若いお客様に年配のご婦人向けの雑誌を渡したら、「私って老けて見えるの?」と気分を害してしまうかもしれません。

何気なく差し出されたように見える雑誌も、実は熟考に熟考を重ねたうえでの選択なのです。

3. お客様からおすすめのシャンプーを聞かれる

美容師はお客様から「おすすめのシャンプーは何かありませんか?」といった質問をよく受けます。
サロンにも複数種類のシャンプーが用意されていますが、市販の商品も含めると、その数は膨大になります。

また、サロンで扱っているシャンプーは良質なものであることが多く、その特徴を熟知している美容師は自信をもってすすめることができますが、お客様側からは「売上を上げるための営業トーク」ではないかと思われかねません。こうした事情から「おすすめのシャンプーは何かありますか?」という質問も美容師が困ってしまう「あるある」のひとつです。

4. カット中・シャンプー中に頭を動かされる

カットをしているときやシャンプーをしているときにお客様が頭を動かし、施術しにくくなってしまうことも、美容師の接客中「あるある」のひとつです。例えば、会話をしながらカットをしていると、お客様が相槌を打つために頭を動かしてしまい、ヒヤッとした経験をもつ美容師は数多くいます。

シャンプーの最中に気を遣って頭を持ち上げてくれるお客様もいますが、実際には力を抜いて、頭をシャンプー台に預けてくれた方が楽に洗えます。とはいえ、どちらの場合もお客様は悪気があってやっているわけではありません。担当する美容師としては注意もしにくく、そのまま施術を続けることがほとんどです。

5. お客様の服装によっては施術のやりやすさが変わる

意外に思うかもしれませんが、お客様の服装は美容師の施術のしやすさに大きく影響を与えます

例えばヘアカラーをする際は、お客様が汚れの目立ちやすい白シャツを着ていると、万が一にも薬剤がシャツを汚すことがないように気を遣うものです。

白シャツ以外の服装でも、フード付きのパーカーやハイネックの服を着ているお客様は、ケープ(クロス)を付けにくく、また襟足付近の施術がしにくくなるため、やはり気を遣います。

【働き方】美容師あるある4選

施術をしている女性の手元

次の美容師「あるある」では、働き方に関することを紹介します。
職業柄、致し方ないこととはいえ、少しでも軽減できると楽になるのに、と思わせることばかりです。

  1. 手荒れと腰痛に悩まされる
  2. 見た目よりも機能性重視で楽な靴を履くようになる
  3. お客様のパーマ・カラー待ちの時間に休憩する
  4. 爪がカラーで染まる(黒くなる)

1. 手荒れと腰痛に悩まされる

美容師にとって手荒れ腰痛は避けることのできない、職業病ともいえるものです。

温水を含む水はもちろん、カラーやパーマなどの薬剤を頻繁に扱うため、慢性的な手荒れに悩んでいる美容師は少なくありません
水を使ったうえに、ドライヤーの熱風などに晒されることが多いのも手荒れを助長する原因です。

さらに長時間、立ちながら仕事をしなければならないうえ、施術中は前傾姿勢になることも多く、腰には大きな負担がかかります。手荒れと腰痛は美容師の職業柄「あるある」の筆頭に挙げられます。

2. 見た目よりも機能性重視で楽な靴を履くようになる

立ち仕事が多いことから、足に痛みやむくみなどを抱えている美容師は数多くいます。まだ仕事に慣れていない新人であれば、特に足の疲れに悩まされることが多くあります。

仕事中はどうしても足に負担がかかってしまうという事情から、美容師には見た目よりも機能性を重視した楽な靴を好む傾向が強いようです。
たとえ勤務中はおしゃれな靴を履いていたとしても、プライベートの時間には、スニーカーなどの極力、負担のかからない、楽な靴に履き替える人は少なくありません。

3. お客様のパーマ・カラー待ちの時間に休憩する

お客様対応で気を遣い、手荒れや腰痛に悩み、少しでも足の痛みやむくみを抑えたいと思っている美容師にとって、お客様のパーマ待ち、カラー待ちの時間は貴重な休憩時間です

薬剤が浸透するまでの間、時間にすれば10分から15分程度かもしれませんが、椅子に座ったり、軽食を摂ったりできる待ち時間は、美容師にとっては癒やしのひとときです。
とはいえ、サロンが混雑していれば、お客様対応に入らなければならないこともあり、せっかくの休憩時間がなくなってしまうこともあります。

4. 爪がカラーで染まる(黒くなる)

爪がカラーで変色してしまうことも美容師の職業柄「あるある」のひとつです。

お客様の髪を染める際、シャンプー中にマッサージをしながらカラー剤を乳化させる作業があり、このときに手がカラー剤に直接触れるため、その色が爪に浸透して黒っぽくなってしまうのです。

【プライベート】美容師あるある3選

最後の「あるある」は美容師のプライベート中のことから3つを紹介します。
仕事中だけでなく、プライベートの時間であっても美容師としての在り方が切り離せないのは、一種の職業病だといえるのかもしれません。

  1. 通行人の髪型・ヘアスタイルが気になる
  2. 食べるのがとにかく早くなる
  3. 普段から施術の練習をしている

1. 通行人の髪型・ヘアスタイルが気になる

毎日のように、さまざまなタイプの髪を扱っている専門家であることから、街中を歩いていてもすれ違う人の髪やヘアスタイルが気になってしまう美容師は多くいます

もちろん勉強になることも少なくありませんが、四六時中頭から仕事が抜けない状態であり、職業病だといわれても仕方のないことかもしれません。

2. 食べるのが早くなる

サロンが混んでくると、昼食休憩をゆっくり摂れないことが多いため、食事を手早くすませる癖が付いてしまいます

こうした日頃の癖からか、特に急ぐ必要のないプライベートな時間でもつい早食いをしてしまうという人は多くいます。

3. 普段から施術の練習をしている

美容師は空いている時間に施術の練習やイメージトレーニングをしていることがよくあります。
テレビを見ながら、カットの方法を考えていることもあれば、空いているサロンで同僚やカットモデルを相手に練習をすることもあります。

あるいは、休日に同僚と連れ立って美容師が対象の講習に参加することもあります。特に新人であれば、早く一人前になれるようにこうした技術向上に時間を割いている人もいるようです。

まとめ

4つのシーンに分けて、美容師に起こりがちな「あるある」を紹介しました。

思わぬ意外性に笑ってしまうようなエピソードもあれば、手荒れや腰痛の悩みなど、美容師という仕事の大変さを感じさせるエピソードもあります。
こうした「あるある」を知ったことで、美容師に対する印象が変わったという方もいるかもしれません。

もちろんこれらのエピソードだけで美容師という職業がわかるわけではありません。
ヘアカットやヘアカラーなどで、お客様一人ひとりの美しさを演出する美容師は素晴らしい仕事です。

他人の髪を思わず気にしてしまったり、休日でもカットの練習に時間を割いたりというエピソードがあったのも、美容師の仕事にやりがいや魅力があるからこそです。

美容師の仕事のやりがいや魅力については下記の記事で詳しく紹介しています。美容師の仕事に関心がある方は、こちらの記事もぜひ参考にしてください。
▷「美容師のやりがいとは?仕事の魅力、やりがいを感じるとき11選を紹介」

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監修者岡田 真太郎

美容師

学校法人 国際共立学園 国際理容美容専門学校 美容科 教務

国際共立学園は創立69年の伝統ある学園で、職人の技術偏重主義に決して偏ることなく、あらゆる職業を通して、豊かな人間性を併せ持った職業人育成を目指している。『夢をかなえる 人づくり』を教育のテーマに、これまでの教育実績をさらに進化させ、社会に貢献できる人材を育成している。

執筆者masuda