アイデザイナー

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アイリスト(アイデザイナー)の給料はどれくらい?歩合制や手当、より年収をアップさせる方法を解説

美容関連の職業の中でも、近年需要が伸びているのが「アイリスト(アイデザイナー)」です。

アイリスト(アイデザイナー)はまつ毛エクステやまつ毛パーマを施すことが仕事です。定期的にお世話になり、その仕事に興味を持っている人もいるのではないでしょうか?

そこでこの記事では、アイリスト(アイデザイナー)の年収ボーナス事情などに加え、キャリアアップについてもご紹介します。
アイリスト(アイデザイナー)になろうかと考えている人や、美容師からの転職を検討中の方は、ぜひ参考にしてください。

※アイリストはアイデザイナーなどのようにさまざまな名前で呼ばれる職業ですが、本記事では、多くの方にとって馴染みがあると思われる「アイリスト」で統一して表記いたします。

アイリストの平均年収はどれくらい?雇用形態別に給料相場を解説

アイリストが施術をしている手元の様子

まつ毛エクステやまつ毛パーマを施すアイリストに従事するためには、美容師免許が必須です。
厚生労働省の令和4年賃金構造基本統計調査によると、美容師の正社員の年収はおよそ330万円。

では、アイリストの収入はいくらくらいになるのでしょうか?雇用形態別に確認してみましょう。

正社員の場合の平均年収

求人ボックス給料ナビによると、アイリストが正社員で働いた場合の平均年収は374万円(2024年5月8日時点)です。
月収で計算すると、ボーナスがない場合でおよそ31.7万円、ボーナスが4ヶ月分あるとするとおよそ23.3万円となります。

国税庁の令和4年分民間給与実態統計調査によると、給与所得者の平均給与額は458万円のため、全体の平均よりはやや少ない額です。
アイリストの年収の相場としては、美容師の年収とはほぼ同額です。

ただし、美容師とアイリストには、大きな違いがあります。
美容師は一人前になってお客様のカットができるようになるまでには、数年かかります。アシスタントのうちは、指名料が入らないことや、基本給がスタイリストよりも安く設定されていることが多いことから、それほど収入が見込めないことが現状です。

一方アイリストは、数ヶ月でお客様を担当できるため、早い段階である程度の収入が見込めます

早く第一線で活躍して収入を得たいと考える人にとっては、美容師よりも魅力ある仕事だといえるでしょう。

アイリストの歩合制とは?

アイリストを雇用するサロンの多くは、給料に歩合制を採用しています。
歩合制でも完全歩合制や、基本給+歩合給がありますが、完全歩合制は正社員ではなく業務委託契約を結んだうえで働くケースが多いようです。

正社員に多く見られるのは基本給+歩合給です。歩合給が少なかったとしても、基本給で最低限生活に困らない程度の給与が見込めます。
ただし、未経験でアイリストになる場合、最初の数ヶ月は見習い期間で施術ができないため、歩合給は期待できないでしょう。

パート・アルバイトの場合の時給

アイリストのパートやアルバイトの給料は、時給制です。求人ボックス給料ナビによると、平均時給は1,078円
地域別に見ると、関東地方の平均時給がもっとも高く1,066円、反対にもっとも低いのは九州・沖縄地方の940円、次いで北海道・東北の945円となっています。

経験者が、給与面で優遇されるサロンもあるようです。中には、時給1,400円以上の募集もあり、努力次第では高時給も目指せるでしょう。

サロンオーナーの収入

ある程度の経験やスキルが身についたら、サロンのオーナーとして働く方法もあります。
スタッフを雇わず一人でサロンを経営する場合は、経費を差し引いた残りが純利益となるため、経営をうまく軌道に乗せられれば、店舗スタッフとして働くよりも大きな収入が見込めるでしょう。

しかしオーナーとなるからには、アイリストのスキルだけでなく、顧客を開拓するコミュニケーションスキル営業力なども必要です。また、他店との差別化や集客方法など、オーナーとして考えなければならないことも数多くあります。

面貸しで働いた場合の収入

アイリストの働き方として、雇用契約の種類ではありませんが、「面貸し(めんかし)」という働き方もあります。
面貸しとは、サロンの空いた場所を借りて、自分のお客様に施術することで「ミラーレンタル」とも呼ばれます

予約が入ったときのみ働くため比較的自由が利き、ダブルワークも可能です。店舗を構える必要がなく、初期費用や維持費など多くの費用がかかるリスクを抑えられる点も魅力でしょう。

面貸しは、売上の一部をサロンに支払い、残りが収入となります。支払い方法は、借りた時間や日数分費用を支払う「時間制・月額制(日にち制)」や、売上の何割かを支払う「歩合制」があります。
サロンによって設定額が異なるため、細かな条件はサロン側と話し合う必要があるでしょう。

アイリストの福利厚生や手当

アイリストが働いている様子

正社員のアイリストとして働く場合、さまざまな福利厚生や手当をもらえる可能性があります。
サロンによって内容は異なるため、勤務先を選ぶ際の参考になるでしょう。

アイリストの福利厚生とは

アイリストの福利厚生として特徴的なのが、社員割引制度資格取得支援制度です。ほかにも、家賃補助や寮を完備しているケースも。
収入面に不安がある場合は、このような福利厚生のあるサロンを探すとよいでしょう。

また、中には独立支援制度を用意しているサロンもあります。

独立する際には、アイリストとしての知識だけでなく、経営のノウハウが必要です。独立支援制度のあるサロンでは、独立に役立つ知識を共有し、サポートを受けられることもあります

アイリストの手当・ボーナス事情

アイリストには、さまざまな手当やボーナスがあります。手当やボーナスは、仕事をするうえでのモチベーション維持にもつながります。

アイリストの手当としてよく耳にするのが「指名手当」や「物販手当」です。
指名手当は、お客様がアイリストを指名する際に支払う指名料のあるサロンで受け取れる手当です。物販手当は、サロンで扱っている商品を販売した際に、売上の数%を受け取れます。

売上や集客に関係なく、毎月得られる「資格手当」がもらえるサロンもあります。
美容師資格はアイリストになるための必須条件ですが、そのほかにもアイリスト関連の民間資格が複数あります。一般社団法人日本まつ毛エクステンション認定機構(JECA)の「まつ毛エクステンション1級~3級」や「安全技術師」、一般社団法人日本ラッシュアーティスト協会の「資格認定5STAR技術評価試験」などです。

資格の種類によって手当の額も異なり、サロンによって手当がもらえる資格の種類も異なるため、就職・転職の際はチェックしてみましょう。

また、ボーナスのあるサロンもあります。一般的には年2回ですが、中には年6回賞与のあるサロンもあるようです。サロンによって金額や頻度が異なるため、こちらも勤務先を探す際の参考にしましょう。

アイリストがより収入をアップさせるための方法4選

アイリストが施術をしている様子

アイリストの給料は、努力次第で増やすことができます。収入アップのためにできることは、次の4つです。

  1. 資格を取得するなど、スキルアップを行う
  2. 店長などキャリアアップのイメージを持つ
  3. 独立開業する
  4. より条件のよいサロンに転職する

1つずつ、詳しく解説します。

1.資格を取得するなど、スキルアップを行う

資格の取得やスキルアップが収入アップにつながることもあります。

アイリストの収入は歩合給の有無で大きく変わります。
歩合給を増やすためには、リピーターを増やすことが重要です。リピーターになっていただくためには、技術力を磨きお客様に満足していただく必要があります。

またアイリスト業界は、常に新しい技術が生まれ、日々進歩しています。最新のトレンドや知識を活かすためにもその土台となる技術力が不可欠です。
そのため、アイリストは常に新しい技術を身につけ、最新の情報を知っておかなければなりません。

スキルプラス最新の知識があれば、お客様からの信頼も得られ、収入アップにもつながるでしょう。

2.店長などキャリアアップのイメージを持つ

経験を積み店長やマネージャーなど管理職になることで、役職手当がつくことも期待できます。

アイリストは女性が多く、結婚や産休で仕事を辞めたり長期の休みをとったりするケースがあり、キャリアアップのチャンスが多い環境です。早ければ2年ほどで店長へ昇進できることもあるようです。

もちろん店長になることで責任も重くなりますが、知識や経験が身に付くことでお客様の満足度も上がり、施術者として歩合給が増えることも期待できます。
収入アップを目指すのであれば、目標を明確にすることが重要です。

3.独立開業する

技術が身についたら、正社員でキャリアアップするだけでなく独立開業の道も開けます。次のようなサービスを行うことで、会社員時代を超える収入を得ることも夢ではありません。

アイラッシュ専門店でもよいですし、美容師資格を最大限活用して美容院を開業し、ヘアカットと合わせたサービスを展開することもできるでしょう。
ほかにも、 エステやネイルなどと合わせて、トータルビューティーサービスを提供することも可能です。

ゆくゆくは講師となってセミナーやイベント、スクールなどで活躍することも考えられます。

講師となるためには、例えば一般社団法人日本アイリスト協会認定の「JEA認定講師」の資格を取得する方法があります。JEA認定講師になると、試験の試験監督者やコンテストの審査員などの仕事もあり、新たな道が開けるでしょう。

4.より条件のよいサロンに転職する

よりよい条件のサロンに転職する方法もあります。

サロンによって、給料や歩合給の割合、福利厚生・手当などが異なります。待遇のよいサロンに転職すれば、同じスキルでも給与が上がることも考えられるでしょう。

アイリストの働く場所は、アイラッシュだけではありません。美容室やトータルビューティーサロンなどでも需要があります。

広い視野で転職先を探すことで、収入だけでなくスキルアップも叶えられる可能性もあるでしょう。

まとめ

求人ボックス給料ナビによると、アイリストが正社員で働いた場合の平均年収は374万円(2024年5月8日時点)です。
正社員で働く場合、給与は基本給+歩合給となることが多く、リピーターのお客様を増やすなど努力次第で収入を増やすこともできます。

サロンによっては、福利厚生や各種手当、ボーナスなどが充実していることもあり、就職や転職を考えている方は、参考にしてみるとよいでしょう。

アイリストは、美容師と比べお客様を担当させてもらえるまでの期間が短い職種です。
早くスキルアップしたい、収入アップしたいとお考えの方は、チャレンジしてみませんか?

プロフィール画像

監修者AYU

トップアイデザイナー

EIL GROUP(福岡今泉サロン責任者)

美容師免許を修得したのちアイラッシュサロン2店舗を経て【かわいい・かっこいいをもっと身近に…】をモットーに、良心価格×高技術で店舗展開しているトータルビューティーサロン「EIL GROUP」(合同会社LIBEX)のアイデザイナー兼福岡今泉サロン責任者に。
デザイン力やモチに定評を頂いており、親近感のある丁寧なカウンセリングで、お目元のみならずお客様のトータルビューティーを叶える。

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監修者秋田 繁樹

特定社会保険労務士

社会保険労務士法人 秋田国際人事総研

2004年に秋田社会保険労務士事務所として開業スタートアップをはじめ中小企業の就業規則の作成や労働トラブルの予防や解決のためアドバイスを行っています。

執筆者山本 鮎美