柔道整復師

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柔道整復師は難しい?国家試験の難易度や合格率、取得するメリットを紹介

医療従事者の資格のひとつに「柔道整復師」があります。

柔道整復師に興味があり、試験難易度や合格率、取得したあとの働き方などが気になる人もいるのではないでしょうか。
この記事では、柔道整復師の試験柔道整復師の働き方について、わかりやすく解説します。

国家試験「柔道整復師」は難しい?難易度・合格率を紹介

試験勉強をしている男性の様子

国家資格である柔道整復師の資格試験は、ほかの国家資格に比べれば比較的、取得難易度は低いとされています
たとえば、令和5年度に実施された第32回試験の合格率は全体で66.4%となっており、約3人に2人は合格している計算です。

ただし、柔道整復師の資格試験そのものは、過去より難易度が上がっているといえます

第1回の柔道整復師の資格試験が実施されたのは平成4年のことですが、当時は受験者1,066人に対して963人が合格しており、合格率は約90%ありました。
しかし、現在では約60%にまで下がっています。また、令和4年度の第31回試験のように、合格率が50%を切ってしまい、例年に比べて極端に低い合格率となる年も見られます。

このため、合格するには油断せずしっかりとした勉強が必要なことがわかります。

▼過去5年の合格者数・合格率の推移

  • 第28回(令和元年度):受験者数 5,270 名、合格者数 3,401 名(合格率:64.5%)
  • 第29回(令和2年度):受験者数 4,561 名、合格者数 3,011 名(合格率:66.0%)
  • 第30回(令和3年度):受験者数 4,359 名、合格者数 2,740 名(合格率:62.9%)
  • 第31回(令和4年度):受験者数 4,521 名、合格者数 2,244 名(合格率:49.6%)
  • 第32回(令和5年度):受験者数 5,027 名、合格者数 3,337 名(合格率:66.4%) 

※引用:厚生労働省「第28回柔道整復師国家試験の合格発表について 」
※引用:厚生労働省「第29回柔道整復師国家試験の合格発表について 」
※引用:厚生労働省「第30回柔道整復師国家試験の合格発表について 」
※引用:厚生労働省「第31回柔道整復師国家試験の合格発表について 」
※引用:厚生労働省「第32回柔道整復師国家試験の合格発表について 」

【難易度比較】類似する職業の国家試験合格率

柔道整復師は医療従事者に必要な国家資格のひとつであり、類似する職業に就く場合も国家試験の合格が必要になります。
そこで、柔道整復師と似た特徴を持つ職業を3つピックアップし、それぞれの国家試験の合格率を比較しました。

あん摩マッサージ指圧師

あん摩マッサージ指圧師は、指圧やマッサージによって筋肉の緊張をほぐし、血行を促進することで、身体の疲れやストレスの軽減、健康の維持や回復をサポートします。生活習慣のアドバイスや健康に関する相談に応じるのも、仕事のひとつです。

あん摩マッサージ指圧師の国家試験合格率は柔道整復師よりも高く、約84%あります。
しかし、受験者数は柔道整復師よりもはるかに少なく、令和5年度は受験者数1,109人と、柔道整復師の約5分の1です。

▼過去5年の合格者数・合格率の推移

  • 第28回(令和元年度):受験者数 1,432 人、合格者数 1,213 人(合格率:84.7%)
  • 第29回(令和2年度):受験者数 1,295 人、合格者数 1,089 人(合格率:84.1%)
  • 第30回(令和3年度):受験者数 1,278 人、合格者数 1,082 人(合格率:84.7%)
  • 第31回(令和4年度):受験者数 1,296 人、合格者数 1,148 人(合格率:88.6%)
  • 第32回(令和5年度):受験者数 1,109 人、合格者数 932 人(合格率:84.0%)

※引用:公益財団法人東洋療法研修試験財団「過去の受験者数 」

はり師

人体のツボにはり(鍼)を刺し治療する人のことを、はり師と呼びます。はり師も医療従事者として国家資格が必要な仕事です。

はり師の国家試験は例年4,000人前後が受験しており、あん摩マッサージ指圧師よりも多く、柔道整復師と比べるとやや少なめの人数です。
合格率は例年70%前後と、柔道整復師より若干高めの数値になっています。

▼過去5年の合格者数・合格率の推移

  • 第28回(令和元年度):受験者数 4,431 人、合格者数 3,263 人(合格率:73.6%)
  • 第29回(令和2年度):受験者数 3,853 人、合格者数 2,698 人(合格率:70.0%)
  • 第30回(令和3年度):受験者数 3,982 人、合格者数 2,956 人(合格率:74.2%)
  • 第31回(令和4年度):受験者数 4,084 人、合格者数 2,877 人(合格率:70.4%)
  • 第32回(令和5年度):受験者数 4,176 人、合格者数 2,892 人(合格率:69.3%)

※引用:公益財団法人東洋療法研修試験財団「過去の受験者数 」

きゅう師

はり師がはり(鍼)を用いて治療するのに対し、きゅう師は「もぐさ」と呼ばれるヨモギ由来の精製物を皮膚のうえで燃やし、お灸による温熱刺激で治療します
はり師ときゅう師は、どちらもツボを熟知し、刺激して治療するため内容が似通っており、どちらの国家資格も取得する人が多く見られます。

そのため、きゅう師の国家試験における受験者数や合格率も、比較的はり師の国家試験と似ています。受験者数は例年4,000人前後、合格率も例年70%前後です。

▼過去5年の合格者数・合格率の推移

  • 第28回(令和元年度):受験者数 4,308 人、合格者数 3,201 人(合格率:74.3%)
  • 第29回(令和2年度):受験者数 3,797 人、合格者数 2,740 人(合格率:72.2%)
  • 第30回(令和3年度):受験者数 3,892 人、合格者数 2,963 人(合格率:76.1%)
  • 第31回(令和4年度):受験者数 4,010 人、合格者数 2,875 人(合格率:71.7%)
  • 第32回(令和5年度):受験者数 4,111 人、合格者数 2,887 人(合格率:70.2%)

※引用:公益財団法人東洋療法研修試験財団「過去の受験者数 」

そもそも柔道整復師とは

柔道整復師の男性が施術をしている様子

あん摩マッサージ指圧師やはり師など、柔道整復師と似たような施術をする職業はいくつかあります。
そこで、そもそも柔道整復師とはどのような職業なのかをおさらいしておきましょう。 

柔道整復師とは、国家資格である柔道整復師を有し柔道整復術を施す人指します。あん摩マッサージ指圧師・はり師・きゅう師は肩こりなどの不調を和らげることを目的とした施術を行うのに対し、柔道整復師は、骨折や脱臼、捻挫や打撲、挫傷といったケガに対する治療を行います。 

あん摩マッサージ師・はり師・きゅう師と柔道整復師の業務範囲は、以下の法律によって規定されています。 

※引用:e-Gov法令検索「あん摩マツサージ指圧師、はり師、きゆう師等に関する法律」
※引用:e-Gov法令検索「柔道整復師法」

柔道整復師が行う施術は、マッサージとは異なり、医療行為に該当します。ただし、柔道整復師は手術や投薬を行うことはできません。伝統医学に基づいた手技を駆使し、自然治癒を促す施術を行うのが特徴です。

第十六条 柔道整復師は、外科手術を行ない、又は薬品を投与し、若しくはその指示をする等の行為をしてはならない。

引用:e-GoV 「柔道整復師法(外科手術、薬品投与等の禁止)」

整骨院や接骨院、あるいは「ほねつぎ」という看板を出している院には、柔道整復師の資格を有する者が在籍しています。

また柔道整復師は、医師ではないため診断書を書くことはできません。さらに、医師の同意なしでの骨折や脱臼の治療は、応急手当を除いて禁止されています。
※医師の同意があれば応急手当後の通院は可能

第十七条 柔道整復師は、医師の同意を得た場合のほか、脱臼又は骨折の患部に施術をしてはならない。ただし、応急手当をする場合は、この限りでない。

引用:e-GoV 「柔道整復師法(施術の制限)」

柔道整復師のできること

柔道整復師は、骨折、捻挫、挫傷、打撲、脱臼などのケガに対して、柔道整復術と呼ばれる専門的な治療を行います。

この治療は、整復法、固定法、後療法(手技療法・運動療法・物理療法)を行い、運動器(骨・関節・筋・腱・靱帯など)の損傷に対して、人間の持つ自然治癒力を最大限に生かす環境を作り機能を回復させるのが主な目的です。

また、整復法だけでなく、固定法による治療も柔道整復師でなければできません。たとえば骨折や脱臼に対して、治療箇所をギプスや包帯などにより正確に固定することで、早期かつ適切な回復を促します。(捻挫や挫傷に対してはテーピングをすることも多く早期回復を促します)

そのほかに、ケガの回復や痛みの緩和を目的とした手技療法も可能です。筋肉の緊張をほぐし、血行を促進することで、身体の回復をサポートします。
一般的な疲労回復のためのもみほぐしはあん摩マッサージ指圧師の業務範囲であり、前述したケガの治療を目的とした施術を行うのは柔道整復師の独占業務です。

一般的な整体師との違い

柔道整復師と整体師は似た職種に思われがちですが、実際には明確な違いがあります。
柔道整復師は国家資格を持ち、骨折や脱臼の応急処置と捻挫・挫傷・打撲などの治療を目的とした医療行為が許可されています。

一方、整体師の資格は民間資格であり、国家資格ではありません。整体師はリラクゼーションや疲労回復を目的とした手技などを提供しますが、医療行為とはみなされず、治療を目的とした施術は行うことができません

このように、柔道整復師と整体師は、似て非なる職種であり、それぞれの役割と許可されている施術の範囲には大きな違いがあります。

柔道整復師になるには?流れを解説

施術を行う柔道整復師の女性

柔道整復師は国家資格であり、取得するためには長期間の学習が必要です。また、試験に合格したあとは手続きをしなければなりません。

そこで、柔道整復師になるにはどうしたらよいのか、具体的な流れを順番に解説します。柔道整復師になる流れは次のとおりです。

  1. 柔道整復師の養成学校で専門の勉強をする
  2. 柔道整復師の国家試験を受験する
  3. 合格後に免許申請を行う

1. 柔道整復師の養成学校で専門の勉強をする

柔道整復師の受験資格を得るためには、文部科学大臣や都道府県知事が指定した学校で学び、卒業する必要があります

柔道整復師の学習が可能な学校は大きく分けて、専門学校と大学の2つです。
カリキュラムのある学校は限られているため、自分の目的や勉強に捻出できる時間を考慮して、専門学校にするか大学にするか選びましょう。以下、それぞれの特徴を解説します。

専門学校

柔道整復に特化して学びたいなら専門学校がおすすめです。専門学校では、座学だけでなく実技もじっくりと時間をかけて学びます。なかには柔道整復師の試験合格率100%を達成した学校もあり、国家資格合格に足る実力を身につけるには最適な選択肢といえます。

夜間授業にも対応している学校もあるため、社会人で昼間は働きながら合格を目指したい人にもおすすめです。一般的な専門学校は3年制であり、学費も4年制の大学と比べると、学費が安くなる場合も多いです。

また、柔道整復を学べる大学に比べて、専門学校のほうが全国的に数が多く、選択肢が豊富なのもメリットです。柔道整復師に特化した専門学校は東京、大阪を中心に宮城、静岡、愛知、岡山など全国に約90校もあります。

大学

柔道整復師養成施設として認可を受けている大学も全国に15校前後あるため、通える範囲にあるのなら大学を選ぶのも有効です。

大学は専門学校と異なり、一般教養をはじめ柔道整復以外の分野についても幅広く学べるのが大きな違いといえます。また、卒業すると学位(学士)を得られるため、もしすぐに柔道整復師として働かない場合でも一般企業に就職しやすく、潰しがきくのがメリットです。

一方で、4年制であることから専門学校よりも費用がかかりやすく、学習時間が長くなるのは大学のデメリットといえます。

ただし、なかには3年制の短期大学もあります。柔道整復師の受験資格を得るための条件は「3年以上の学習」であるため、3年制の大学を選んでも受験が可能です。できるだけ短い時間で受験資格を得たい人や、学費を抑えつつ大学に通いたい人は、3年制の大学を選びましょう。

2. 柔道整復師の国家試験を受験する

柔道整復師になるには、柔道整復師法に基づき柔道整復師国家試験の受験と合格が必要です。試験のスケジュールや資格、具体的な内容など試験の概要を解説します。

試験日・試験実施場所

柔道整復師試験への出願は、毎年12月~翌年1月の上旬に行います。実際の試験日は毎年3月上旬です。令和6年は3月3日の日曜日に実施されました。
午前、午後とそれぞれ約2時間半の配分になっているため、実際の試験時間だけで合計5時間かかることになります。

また、試験会場は全国10か所のみで、北海道、宮城県、東京都、石川県、愛知県、大阪府、広島県、香川県、福岡県、沖縄県の10都道府県で実施されます。住んでいるエリアによっては長距離の移動が必要です。

合格発表は3月下旬に会場もしくは、厚生労働省および公営財団法人柔道整復研修試験財団のホームページ上で行われるため、3週間ほど待つことになります。
※引用:公益財団法人柔道整復研修試験財団「柔道整復師国家試験の実施 」

受験資格

柔道整復師国家試験を受験するには、各都道府県知事または文部科学省が指定する専門学校や大学で、最低3年間のカリキュラムを修得する必要があります
さらに、指定の学校を卒業見込み、もしくはすでに卒業していなくてはなりません。

試験日は3月初旬のため、新卒扱いで試験を受ける場合は、卒業に必要な単位を修得し終わっていることが前提です。

なお、指定の学校を卒業していても、柔道整復師法によって定められている欠格事由に該当していると、受験資格を得られません。欠格事由は次のとおりです。 

  • 罰金刑以上の前科がある
  • 麻薬をはじめとした違法薬物の中毒者
  • 柔道整復師としての就業が困難な心身障がい者
  • その他、柔道整復の業務に関して犯罪・不正行為を行った者

※引用:e-GOV「柔道整復師法(第二章第四条欠格事由) 」

試験内容

試験は筆記試験のみで、マークシート方式です。実際の問題数は年によって変化するため受けてみるまでわかりませんが、例年約250問が出題されています。
内訳は必修問題が約50問、その他の一般問題が約200問です。

合格するためには、必修問題では50問中40問以上の正解(80%以上)、その他の一般問題は200問中120問以上の正解(60%以上)をそれぞれ得ることが求められます。

出題科目は解剖学、生理学、運動学、病理学概論、衛生学・公衆衛生学、一般臨床医学、外科学概論、整形外科学、リハビリテーション医学、柔道整復理論、関係法規と多岐にわたります。

受験料

令和6年度実施分の柔道整復師国家試験の受験手数料は、令和5年分よりも値上がりしており、23,900円がかかります。今後の受験では、さらに値上がりする可能性もないとは言い切れないため、受験の際は正式な受験要項を確認のうえ、指定の口座に振り込みましょう。

3. 合格後に免許申請を行う

3月下旬の合格発表により合格が判明したら、厚生労働省の柔道整復師名簿に登録する必要があります

また、柔道整復師としての免許申請も必要ですが、柔道整復師名簿の登録を行うと、柔道整復研修試験財団が代わって免許申請をしてくれます。
名簿への新規登録の申請のみ行えばよい仕組みです。 

名簿への登録が完了し、免許が公布されると、有資格者として業務に携われるようになります。
※引用:公益財団法人柔道整復研修試験財団「柔道整復師免許証の登録事務 」

【補足】不合格だった場合はどうする?

柔道整復師の試験結果が不合格だった場合、柔道整復師になるには次回以降に再受験を目指すしかありません

養成学校や大学など、指定の学校を卒業していれば受験資格は生涯維持されます。
ただし、受験者の扱いとしては新卒ではなく既卒受験者となるため、新卒に比べて合格率が著しく下がる傾向にある点は注意が必要です。

たとえば、第32回(令和5年度)の国家試験において、新卒の合格率は84.0%でしたが、既卒の合格率は35.9%と半分以下に落ち込みます。
※引用:公益財団法人柔道整復研修試験財団「柔道整復師国家試験の実施  」

試験そのものの難易度は新卒も既卒も変わりません。しかし、既卒になると働きながら勉強して再受験を選ぶ人も多くおり、勉強の時間を捻出しにくくなります
また、学校で勉強しているときと違って、試験を受ける仲間同士の交流がないため、勉強への熱意を保ちにくいのも合格率が低い理由です。

不合格になってしまったら、次の受験までは国試浪人となり、独学で勉強を続けるか、柔道整復師の予備校に通うなどして備える必要があります。できるだけ早く合格できるよう、対策を怠らないようにしましょう。 

柔道整復師の資格を取得する3つのメリット

柔道整復師のカルテ

医療従事者としての国家資格は、いくつかの種類があります。
そのなかでも、あえて柔道整復師の資格を取得することで、次の3つのメリットを得られます。

  1. ニーズが高く働き先が多い
  2. 給料が安定している
  3. 独立開業できる

1.ニーズが高く働き先が多い

柔道整復師は、接骨院だけでなく病院からスポーツジムまで多くの需要があり、就職先には困りません。医師や薬剤師など同じ医療従事者の国家資格と比較しても、活躍できる職場の種類はかなり多いといえます

国家資格であるため、柔道整復師としての施術は資格を持っている人しかできず、人手不足が続いている状態です。

また、高齢化社会で健康管理や治療のニーズは今後、ますます高まると予想されます。手術や投薬といった医師や薬剤師が行う業務以外に、筋力維持やリハビリに役立つ柔道整復師ならではの治療方法にも注目が集まっています。

具体的な就職先については後述しますので、就職先に悩んでいる人は参考にしてください。

2.給料が安定している

医療従事者であるため、柔道整復師の給料は比較的安定しているといえます。柔道整復師の平均年収は443.3万円(※)で、ほかの医療従事者の給料と比べても平均的です。
※引用:厚生労働省「職業情報提供サイト job tag 」

ただし、就職先がほかの医療従事者に比べると格段に多いため、就職先次第ではキャリアアップ制度による昇給が期待できるのも、柔道整復師ならではのメリットといえます。 

さらに高い収入を目指すのであれば、後述する独立開業を検討するのも有効な方法です。

3.独立開業できる

柔道整復師は独立開業するケースも多く見られます。
特に、柔道整復師は医師や歯科医師と並んで患者の治療に健康保険を適用できる場合がある、保険適用施設の開業権があるのが大きな強みです。

保険適用ができると、患者の費用の一部を国が負担するため、患者が治療を依頼しやすくなります。集客が容易になるため、独立開業しても収入につながりやすいのが魅力です。

また、柔道整復師には勤務医などと違い定年がありません。自分の理想の整骨院・接骨院を開業すれば、経営手腕も発揮しながら生涯、柔道整復師として治療に携われます。

柔道整復師の主な就職先柔道整復師の働き方

柔道整復師の就職先は多岐にわたります。最終的に独立開業を目指す場合でも、まずは関連施設で働き経験を積む人も多く見られます。
柔道整復師における就職先の具体例として、以下のようなものが挙げられます。

  • 整骨院・接骨院
  • 整形外科
  • スポーツジム
  • 介護・福祉施設

整骨院・接骨院

柔道整復師の就職先として、もっとも多いのは整骨院や接骨院です。
雇用形態は正社員からアルバイトまで選べるため、多様な働き方ができます。柔道整復師の求人数は多く、かつ人手不足の状態のため、資格さえあれば就職は難しくありません。

ただし、施設によって設備の整い具合や業務の忙しさ、あるいは給料、待遇などには差があります
1人でも多くの患者の治療に携わり柔道整復師として技術を磨いていきたい、キャリアアップ制度のある施設で昇給を目指したいなど、自分の目的をよく整理して就職先を見つけましょう。

整形外科

柔道整復師は打撲・捻挫・挫傷などのケガに対して治療を行えるため、整形外科で働く選択肢もあります。
整形外科には医師が在籍しているため、柔道整復師は医師のサポートとして、骨折や脱臼の治療やリハビリなどを行います

整形外科はほかの施設に比べると患者数が多く、技術を磨きやすいのがメリットです。

スポーツジム

医療施設以外に、スポーツジムで働くことも可能です。
柔道整復師はテーピング技術や応急処置などのスキルを持っているため、スポーツジムでの運動中にケガをした人がいた場合に、速やかに対処できます

また、スポーツジムに通うお客様に対する健康上のアドバイスも、仕事のひとつです。お客様ごとに症状をヒアリングし、適切な運動ができるようにトレーニングメニューの作成や身体づくりをサポートします。なかには一般人だけでなく、アスリートやスポーツ選手のトレーナーとして活躍する柔道整復師もいます

介護・福祉施設

介護、福祉施設からの需要も非常に高いです。介護、福祉施設は機能訓練指導員の配置が義務づけられており、柔道整復師は講習を受けると機能訓練指導員になれます
このため、機能訓練指導員としての柔道整復師は求人数が多く、就職先を選びやすいでしょう。

機能訓練指導員は主にリハビリのサポートや、手技療法などの施術を行う仕事です。高齢者の患者が多いため、スキルアップを目指すのにも適しています。

また、機能訓練指導員として5年以上働き実務経験を積むと、ケアマネージャーの受験資格も得られるため、将来的なキャリアアップにも役立ちます。

まとめ

柔道整復師は国家資格であり、資格を得ると整骨院や接骨院、スポーツジムなど幅広い職場で働けます
需要も高く、就職先に困ることは少ないはずです。

治療を目的とした施術を行えるだけでなく、独立開業した際に健康保険が使える(適用範囲は限られている)施設にできることも魅力です。

一方で、試験については特に既卒の場合、難易度が高く、学生時代からしっかりと知識や技術を身につけていくことが近道です。柔道整復師としてどのような働き方をしたいのかよく検討し、資格取得に向けて動き出しましょう。

プロフィール画像

監修者谷口友一(果門秀明)

柔道整復師

たにぐち接骨院 、一般社団法人 日本柔道整復師会

身体の外側からのアプローチだけでは本当の健康・真の健康には届かないことに痛感し、『超健康』を目指す体質改善プログラムを提供中。
東洋整体・ホルモンバランス調整法・骨盤調整・トレーニング・EMS・腸活ファスティング・食事指導などをパーソナルに組み合わせて作っている。

執筆者月置かりん