エステティシャン

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エステティシャンの離職率は高い?辞める理由や辞めたいときの対処法を解説

エステティシャンは美容の知識や接客技術を活かせる点が魅力の職業ですが、実は離職率が高い職種でもあります。収入面の不安や長時間労働、人間関係などの理由により、離職や転職を検討する人が少なくありません。

本記事では、エステティシャンの離職率や主な退職理由を紹介します。また、「辞めたい」と思ったときに冷静に考えるための対処法や、転職を決意した際にすべきことについてもまとめました。ぜひ今後のキャリアの参考にしてください。

エステティシャンの離職率は70.4%

アジアンテイストのインテリアやベッドが置かれたエステサロンの個室

離職率

2021年

69.3%

2022年

69.4%

2023年

68.9%

2024年

70.6%

2025年

70.4%

株式会社リクルートが運営するホットペッパービューティーアカデミーのコラム「3割が直近1年で転職。「仕事とプライベートの両立」が新たなカギに?」によると、エステティシャンの直近の離職率は70.4%でした。過去5年間では69~70%で横ばいに推移しており、実態としては、およそ10人に7人が離職を経験しています。

エステティシャンが退職を選択する主な理由は、「収入面の不安」や「労働環境」、「職場の雰囲気」などです。詳しくは後ほど解説します。

また、ホットペッパービューティーアカデミーがまとめた「美容サロン就業実態調査2025」によると、近年の推移の中でも2025年の結果では、エステティシャンのうち、学校卒業し社会人として初めて就業した職場に在籍した期間が3年未満の人は、全体の52.4%にのぼっています。
※引用:ホットペッパービューティーアカデミー「3割が直近1年で転職。「仕事とプライベートの両立」が新たなカギに?」
※引用:ホットペッパービューティーアカデミー「美容サロン就業実態調査2025年」

エステティシャンのよくある辞める理由とは?

椅子に座り、テーブルに肘をついて頭を抱える女性

エステティシャンとしてサロンに就職しても、現場では理想と現実のギャップに悩む人が少なくありません。離職の背景には、収入や勤務時間、人間関係など、さまざまな要因があります。ここでは、ホットペッパービューティーアカデミーがまとめた「美容サロン就業実態調査2025」をもとに、エステティシャンが仕事を辞める主な4つの理由を紹介します。

  • 収入面に関して不安があったため
  • 休みを取りづらい点や勤務時間が長いため
  • 人間関係や職場の雰囲気が合わないと感じたため
  • 仕事の内容がハードだったから

収入面に関して不安があったため

エステティシャンの離職理由の24.0%を占めるのが、「収入面への不安」です。エステティシャンには、専門的な技術に加えて1日に何件もの施術をこなす体力や、お客様と良好な関係を築くためのコミュニケーションスキルが求められます。そのため、仕事内容がハードな割に見合った給与を受け取れないと感じる人は、決して少なくありません。

また、ノルマや歩合制を採用しているサロンに勤めている場合、成果によって収入が変動しやすい点もエステティシャンとして働くうえでの不安要素です。努力をしても評価に反映されにくく、給与が安定しないという状況では、金銭的な不安が転職を考えるきっかけになるケースがあります。

エステティシャンの収入や給与体系については以下の記事で詳しく解説しています。あわせて参考にしてください。
▷「エステティシャンの給料・年収はどれくらい?雇用形態別の給与や年収を上げる方法も解説

休みを取りづらい点や勤務時間が長いため

仕事を辞めた経験があるエステティシャンのうち、「休みの取りにくさ」や「勤務時間の長さ」を離職理由にあげた人は19.7%にのぼります。 エステサロンは一般的な企業が休みとなる日に予約が集中しやすく、土日祝日はまず休めないなど、希望通りの休みを取りづらい傾向にあります。加えて、準備や片付け、スタッフ同士のミーティング、練習といった施術以外の業務も多いため、勤務時間が長くなりがちです。

長時間労働や不規則なシフトが続けば、心身の疲れが蓄積するだけでなく、プライベートの時間も確保しづらくなります。プライベートを犠牲にしながら働き続けることに限界を感じた人が、離職を決意してしまうこともあります。

人間関係や職場の雰囲気が合わないと感じたため

職場との相性や人間関係が理由で辞める人も多く、離職理由のうち46.7%を占めています。サロンの円滑な運営には、スタッフ同士の連携が必要です。しかし、上下関係が厳しかったり、仕事に対する価値観が違う同僚がいたりすると、一緒に働くこと自体が大きなストレスになりかねません。

また、ノルマへのプレッシャーが強く空気が常にピリピリしているなど、職場の雰囲気が合わないことも離職理由になり得ます。こういった人間関係や職場の雰囲気に関する悩みは、自分の努力だけでは改善が難しいことも、離職を決断する人が多い要因のひとつです。

このほか、顧客との関係がうまくいかず、理不尽なクレームを受けるなどのトラブルが原因で退職を選択するケースもあります。

仕事の内容がハードだったから

「ハードな仕事内容」を理由に辞めた人は17.4%にのぼります。エステティシャンの仕事は、長時間にわたってお客様の施術をする立ち仕事が中心のため、どうしても身体的な負担が大きくなります。

施術以外では、受付対応や売上管理、備品の補充といった事務的な仕事もこなさなければならず、業務量の多さに疲弊してしまう人が少なくありません。収入面や人間関係には不満がない場合でも、体力面や精神面で限界を感じ、離職を決意するケースがあります。
※引用:ホットペッパービューティーアカデミー「美容サロン就業実態調査2025年」

勢いでエステティシャンを辞めるのは要注意

通帳とボールペン、電卓

人間関係や労働環境の悩み、職場に対する不満、金銭面での不安などがあっても、勢いに任せて辞めるのは要注意です。次の就職先が決まっていない状態で離職すると、生活や将来のキャリアに悪影響を及ぼすリスクがあります。勢いで辞めることで発生する主なリスクは以下のとおりです。

  • 次の就職先がなかなか見つからずに離職期間が長引く
  • 貯金を切り崩す生活になる
  • 職歴にブランクが生じる
  • 焦って転職先を決めてしまい、再びミスマッチが起こる

このような失敗を避けるためには、辞めたい理由を冷静に整理し、本当に今辞めるべきなのかをきちんと見極めましょう。次の項目で紹介する「エステティシャンを辞めたいと感じた時の対処法」を参考にしながら、今後の方針を慎重に考えてみてください。

エステティシャンを辞めたいと感じた時の対処法

ボールペンを手に、書いた書類を読み返す女性

「辞めたい」と思ったときこそ感情的にならず、冷静に状況を見つめ直すことが大切です。まずは自分が何に悩んでいるのかを整理し、今の職場で改善できる可能性がないかを考えてみましょう。具体的な対処法としては、次のような方法が効果的です。

  • 不満や不安を書き出して整理する
  • 現在の職場で解決できないかを考える
  • 信頼できる第三者に相談し、客観的なアドバイスをもらう
  • 現在の職場で解決できない場合は、転職などで環境を変える

不満や不安を書き出して整理する

何となく辞めたいと感じているだけの状態では、何がつらいのかを自分自身でも理解できず、問題の本質が見えていません。冷静に対処するために、「業務のどのような場面でストレスを感じるのか」「何が不満なのか」など現状を書き出してみましょう。

人間関係が問題なのか、それとも労働環境に不満があるのかを整理することで、自分の悩みの構造や本質が見えてきます。問題を洗い出すと同時に、その解決策も考えてみると、辞める以外の選択肢が見つかる場合があります。

現在の職場で解決できないかを考える

離職を決意する前に、現在の職場でできることを試してみるのもひとつの方法です。例えば、待遇や労働環境への不満は、上司や同僚に相談することで改善されるかもしれません。 配置転換やシフトの調整、業務内容の見直しによって働きやすい環境になれば、離職をせずに済む可能性があります。

明確なビジョンがないまま勢いで辞めてしまうと、「次の就職先がなかなか見つからない」「前職のほうが働きやすかった」などと感じるケースが想定されます。すぐに辞めるのではなく、「改善の努力をしても状況が変わらない」と確認してから次のステップに進むほうが、後悔の少ない選択をしやすいはずです。

信頼できる第三者に相談し、客観的なアドバイスをもらう

辞めたい気持ちが強すぎると視野が狭くなりがちなため、冷静な判断ができなくなるケースが少なくありません。こういった場合は、家族や友人など、利害関係のない第三者に話を聞いてもらう方法が有効です。

現在の状況を詳しく説明することで、自分では気づかなかった問題点や解決策について、的確なアドバイスをもらえる可能性があります。また、自分の悩みを第三者に打ち明けることで、精神的なストレスが軽減されたり、考えがまとまったりして、今後の方針を立てやすくなるのもメリットです。

現在の職場で解決できない場合は、転職などで環境を変える

いくら努力をしても仕事の問題や悩みを解決できない場合は、転職が有力な選択肢になります。エステティシャンとして別のサロンで働く道だけでなく、異業種への転職も視野に入れながら検討しましょう。

キャリアを継続させるためのポイントは、人間関係や労働環境、待遇などが自分に合う環境を見つけることです。不満を感じながら現職に留まるより、自分の価値観や希望にマッチする職場に転職するほうがストレスなく仕事を続けやすくなります。

転職を決意したらやるべきこと

ノートパソコンを操作する手元

エステティシャンとしての経験を活かしつつ、転職後の職場で長く働くためには、計画的な準備が不可欠です。転職を決意した後も感情的な行動は避け、まずは自分に合った仕事や職場を冷静に検討しましょう。転職を決めた際にすべきことは次のとおりです。

  • 現在の経験を活かせる仕事を考える
  • 自己分析や企業分析を行い自分に合った職場を探す
  • 円満退職のために早めに離職することを伝える

現在の経験を活かせる仕事を考える

エステティシャンの仕事で培った接客スキルや専門知識は、幅広い職種で役立ちます。転職先の業務や労働環境にいち早く適応するためにも、自分の経験やスキルを活かせる仕事を考えてみましょう。

例えば、美容部員やアロマセラピストは、エステティシャンとの関連性が高い仕事です。そのほか、接客力や提案力が重視される販売職を目指す道も考えられます。このように自分の強みと結び付けて次の仕事を考えることで、今までのキャリアを無駄にすることなく、転職先でも活躍しやすくなります。

自己分析や企業分析を行い自分に合った職場を探す

仕事選びの軸がないまま転職先を決めてしまうと、次の職場でも再び似たような不満を抱えるリスクが高まります。明確なビジョンをもって転職活動を進めるために、入念な自己分析を行い、自身の強みや弱み、価値観を明確にしておきましょう。仕事において何を重視するのか、どんなことにモチベーションを感じるのかなどを整理することで、転職後のミスマッチを防ぎやすくなります。

また、別のエステサロンへ転職する場合でも、ミスマッチを防ぐためには企業研究が大切です。志望企業の社風や理念、労働条件、福利厚生などを事前に調べ、自分の希望とマッチするのかを確認しておきましょう。
▷「エステサロンの種類一覧|仕事内容や働く場所、自分に合うサロンの見つけ方

円満退職のために早めに離職することを伝える

退職の意思を伝える際は、まず就業規則を確認し、社内ルールを守ったうえで遅くとも1カ月前までには上司に伝えましょう。後任への引き継ぎを丁寧に行い、最後まで責任をもって業務を遂行する姿勢が円満退職につながります。

上司から退職理由を聞かれた際は、不満を口にするのではなく、前向きな言葉に言い換えて伝えるのがおすすめです。例えば、「新しい業界に挑戦し、自分の可能性を広げたい」などと伝えると、良好な人間関係を保ちながらスムーズに退職しやすくなります。

まとめ

エステティシャンはやりがいのある仕事ですが、収入や勤務時間、人間関係、体力的負担などを理由に、離職を選択する人も少なくありません。転職を検討する際は、明確なビジョンがないまま勢いで辞めるのは避け、まずは現状の不満や不安を整理し、今の職場で解決できないかを冷静に考えてみましょう。

それでも環境を変える必要性がある場合は、自己分析と企業研究を入念に行い、自分に合った仕事や職場を探しましょう。エステティシャンの経験が重宝される道を検討することで、ミスマッチを避けつつ、転職先でも活躍しやすくなります。

プロフィール画像

監修者草野 由美子

JESMA 日本エステティックサロン経営学院 学院長

専門学校の講師、サロン経営者を経て、医療・美容系サロン経営コンサルタントとして活動中。近年は、小規模サロンのオーナー教育に力を注ぎ、JESMA 日本エステティックサロン経営学院を開校。

執筆者五嶋海斗